2005年12月17日(土)放送
東京都中央区・坪井邸
-銀座のフレンチカフェ パリの雑貨と暮らす家-
2005年6月完成
敷地面積       45平米(14坪)
建築面積       33平米(10坪)
延床面積       82平米(24坪)
鉄骨造3階建
建築費:2400万円    坪単価:100万円



銀座から徒歩10分という都心中の都心に建てられた坪井邸。真っ白な外観が印象的です。

「玄関ホール兼書斎」はおよそ6畳。ご主人は有名雑貨店の仕入れ担当。フランスやイタリアを始めとする雑貨が所狭しと置かれています。将来は、ここでカフェを開くことも考えているそうです 。

2階は、およそ18畳。リビングダイニングとキッチンのワン・ルームになっています。白い壁とモルタルの床というシンプルな空間は、「フレンチカフェ・スタイル」を取り入れたそうです。お洒落ですねぇ。

すべて見渡すことができるキッチンは、背の高い奥さんのことを考えて90センチの高さになっています。大窓からの抑えた明りのもと、奥さんは趣味のお菓子作りをよくするそうです。


キッチンに置いてある雑貨も、全てご主人が自分の目で確かめた物。高い物ばかりじゃありません。大事なのは、センス、なんですねぇ。どれもこのお宅にピッタリ。ご主人、お見事です。 


3階はご夫婦、アンズちゃんの寝室。落ち着く空間です。緑が置かれたテラスが、広がりを演出しています。

ガラスタイルに囲まれた水まわり。銀座の空を取り込んだ浴室、これは贅沢ですねえ。

中庭に置かれた数多くのキャンドル。夜は、キャンドルの灯りだけのバスタイムを楽しんでいるそうです。大都会の雑踏を忘れる癒しの時間ですね。

梅林 克(ウメバヤシ カツ)
 
1963年   京都府生まれ
1987年   大阪芸術大学芸術学部建築学科卒業
1987年   高松伸建築設計事務所
1994年   F.O.B Associasion設立
1996~2000年    京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン研究室 非常勤講師
1998~2001年   京都精華大学美術学部 非常勤講師
1999年   立命館大学理工学部環境システム工学科 非常勤講師
2002~2003年   東京都立大学工学部建築学科 非常勤講師
2004年   京都大学工学部建築学科 非常勤講師
     
主な発表作品
1995年   ORGAN Ⅰ/office
1996年    AURA/house
1997年   ORGAN Ⅱ/office
1997年   KINOSAKI BEER FACTORY ”GUBIGABU”/restaurant
2000年   F.O.B HOMES第一号 A-001/house
2001年   PLEATS/house
2002年   SKIP/house
2002年   GH GOJO/housing
2002年   CARE HOUSE/care house
2004年   ASPHODEL/gallery
2004年   spa&ecoーgarden/spa
     
受賞
1997年度   住宅建築賞受賞(AURA)
1999年度   通産省グッドデザイン賞受賞(城崎BEER FACTORY)
2004年   ドイツ建築博物館20周年記念展覧会の現代を代表する50人の建築家に選出
     
著書 
INAX出版 12のダイアローグ住宅論(共著)
TOTO出版 空間から状況へ(共著)
PRINCETON出版 FOBA BOOK
INAX出版 F.O.B HOMES BOOK
 
FOBA/F.O.B ARCHITECTS+F.O.B ASSOCIATION
 
連絡先   〒611-0013京都府宇治市莵道田中34-3
TEL   0774-20-0787
FAX   0774-20-9888
E-mail   foba@fob-web.co.jp
 
世界の大都市と見比べて、東京の際だって物異な点は、まず都心に人がそれも戸建て
に住んでいることです。
それは都心の成り立ちが小さな土地の集積でかたちづくられていることです。だから、
普通考えれば、大都会のそれも都心部で戸建てに住みたいなど、他の都
市ではまず不可能に近い「贅沢」なことが起こり得ます。
銀座まで歩いて10分のこんなところがあったのかと思える、鄙びた風情をもった街
の片隅に、この住宅が位置していることで、その生活質がほぼ規定
されています。後はこの13.5坪の敷地に予算が許す限りの最大ボリュームを作り
出すことのみ、建築は集中しています。鳥籠状の壁と構造材を一体化した躯体も
できうる限り内部空間を取るための施策です。また、上部からしか期待できない外光
をあまねく内部へ導くために、また空気的には一つながりのスキップ状の
フロアで構成される立体的な空間構成となっています。
 
坪井さんのお宅いかがでしたか。
土地が14坪、建物が24坪ということなんですが都心中の都心、銀座の外れに建っているんですね。
住み手の最高の住み心地を考えて、設計家が細かいところまで細心の注意を払って作り上げました。
2階の居間・食事スペースは、トップライト、そして南の開口から、抑えた光が届きます。
いやされる空間ですよね。
そして3階の寝室、さらには水まわり、お風呂からの庭。
お風呂に入って天を見上げると青空、ということなんですが贅沢な感じが致します。
大変現実的な話で恐縮なんですが、 都心にマンション買うのと同じ値段で手に入る。これは考えさせられますね。