2005年11月26日(土)放送
東京都江東区・今野邸
-東京下町いやしの借景 川と暮らす緑楽しむ家-
2004年10月完成
敷地面積       64平米(19坪)
建築面積       45平米(14坪)
延床面積      108平米(33坪)
鉄骨造
建築費:3000万円    坪単価:92万円



シンプルなデザインの外観。 北側は川に面した、借景を楽しめる立地です。春には、川沿いの桜並木が圧巻です。

モノトーンの玄関。 構造材である鉄骨をそのまま利用した、洒落た空間です。

2FはLDK。 川に面した開口から、ゆっくりとした川の流れが見えます。ちょっとしたレストランよりも、いやされる気持ちの良い空間です。 遊歩道の桜並木も楽しめます。

およそ7mの吹き抜けが迫力のリビング。 吹き抜けにしたことで、どの部屋にいても気配が感じられる作りとなっています。奥さんのワークスペースも使い勝手が良さそうです。


2Fと3Fをつなぐ階段の踊り場を利用した書斎。川の水面が眺めれるポイントがあります。


3Fの子ども部屋は、フラダンスを習っている、ハモアちゃんのスペースです。 川に面した北側の大きな開口が気持ちよい空間です。

子ども部屋と階段をはさんで寝室。 布団で3人で寝ています。リビングの吹き抜けを照らすトップライトが効果的で、夜には寝ながら星空が見えるそうです。

開放的な水まわり。 大き目のお風呂からはもちろん川が眺めれます。

今野 政彦
 
1965年   山形県生まれ
1990年   日本工業大学工学研究科建築学科卒業(工学修士)
1990~2004年   黒川雅之建築設計事務所
2005年   KMA/今野政彦建築設計事務所設立
     
KMA/有限会社今野政彦建築設計事務所 
             
TEL&FAX   03-3630-0537
E-mail   konno-ma@fj9.so-net.ne.jp
 
 この場所の環境を生かすようにじっくりと場所の観察をし、開口部の位置を決定しました。 通りから堀割側の桜並木、そして空への「流れ」を遮らないで建ものの中を透過させ、建ものの中からも「向こう側」へぬける、長い長い距離を獲得しています。
  街中にある小さな建ものとしては贅沢な距離感の獲得です。
 
  建ものの内側は壁的なものを設けないで、床を積み重ね、切り取っただけのオールインワンスペースになっています。そこに垂直方向に階段やパネルヒーターをレイヤーとして取り込みました。 そうやって家族がそれぞれの気配を感じながらも、一人であることも感じられる奥行をあたえました。
  シンプルな小さな建物ですがルースにつながりながらも、自立した距離感を感じられます。

 デザインと素材の選択は小さな建ものなので、シンプルな潔よさ、を心がけました。
  そうやって積み重ねたディテール、レイヤーとしての階段やパネルヒーター、そして窓を透かして思わぬ贅沢な景色を発見でき、外の環境とつながっていることが感じられます。

 敷地の外までは設計できないけれども、場所の環境を含めて設計をしました。

 
今野さんのお宅は、20坪の敷地に立つ鉄骨造の建物です。
H鋼ですとか、筋交いの鉄の部分から安心感が感じられます。
例えば2Fの床材の木にしても、2cmのムクですとか、厨房のステンレスの天板も厚いですよね。
ムクのもので全部作ってあるような感じがします。
設計の基本的なところとしては、モダンで、ミニマリズムといいますかすっきりしています。
そして大胆な吹抜けがあったり、ちょっと低くして繊細な部分があったり。
なにより、桜並木、そして川。
魚がはねるということなんですが、いいですね。
四季折々の桜、特に春の花吹雪なんてもうこたえられないでしょうね。