2005年9月17日(土)放送
豊島区・石川邸
- 13坪のおしゃれ生活 大天窓のあるモノトーンの家-
2003年1月完成
敷地面積     59平米(18坪)
建築面積     43平米(13坪)
延床面積    106平米(32坪)
RC造
建築費:3000万円    坪単価:85万円



石川さんのお宅は、都心の密集地、商店街の一角、バス通りに面しています。この厳しい条件を見事に克服、プライバシーを完全に確保しながら開放感あふれる建ものになっています。白と黒のコントラストが印象的です。

玄関入ってすぐがリビング。高さなんと8メートル。天井いっぱいにトップライトが広がっています。壁に窓はありませんが、トップライトからの光が白い壁、床に反射して、明るい空間になっています。

白い空間の中に、黒い家具。モノトーンの中に、緑が映えます。リビング自体は狭いものの、ダイニングまで見通せますから広く感じますね。石川さん家族は、リビングの床に寝そべって、空を見るのが大好きだそうです。

石川さんは、大手建築会社の設計部にお勤め、この家は、ご主人自ら設計されましたが、キッチンは、同じ会社に勤めていた奥さんが設計。白いすっきりとしたキッチン、収納力たっぷりです。


3階に作られた浴室も真っ白。そこに緑がポイントとして置かれています。子供たちが大好きな浴室です。


リビングをの吹き抜けに面した寝室。トップライトからの光がさんさんと降り注ぎます。寝室から出られるデッキは物干し場。時にはご夫婦がビールを楽しむスペースです。

玄関横のトイレには広めの洗面が付けられています。これは、半地下に部屋がある子供たちが歯を磨くため。兄弟一緒。仲がいいですねえ。

半地下の子供部屋はシンメトリーに作られています。ここは長男の卓門くんが、マジックを練習する場所でもあります。

石川 正樹

1964年   奈良県生まれ
1988年   東京大学工学部建築学科卒業
1998年   株式会社大林組入社 現在に至る

             
E-mail   m-jshi@td5.so-net.ne.jp
 
私達親子4人の家です。設計にあたって、家族構成やライフスタイルから導き出される条件のうち私達に固有のものはないので、周辺環境との関係を客観的に考えることでこの家の構成は決められています。
敷地は商店街側(バス通り)と住宅街側のふたつの通りに面し、建物の密集した地域にあります。このような場所では中庭形式が有効ですが、今回は敷地に余裕が無いので屋根の約半分を天窓とし、かつ中を間仕切りの無いワンボックスの空間として光と気配がすみずみまで行きわたる家としました。また、ひとつながりの空間でありながら適度な距離感の感じられる部屋の配置としています。窓の少ない外観はバス通り側を白、住宅街側を黒にくっきりと塗り分けました。方位による陰が生じず、立体感を消すことで賑やかなバス通りの街並みにさわやかな白い面を浮かばせることをねらっています。
  これから家族が成熟していくにつれ「空間」と「暮らし」がどのように関係しあい、どのような「いえ」となるのか・・・・。少々おそろしい気もしますが、設計者としてまた住まい手としてしっかりと見守っていきたいと考えています。
 
石川さんのお宅は、土地が18坪、商業地域ですから建蔽率、容積率ともにゆるやかなんですね。
しかし、この室内空間の豊かさはパーセンテージじゃないですね。
まさに、設計力と言えるのではないでしょうか。
まず、玄関入ってすぐが吹抜けの居間スペースです。
この吹抜けにより、各部屋が広がりを感じられます。
そして、外壁が黒と白。室内は白くペイントされています。
このことが、狭い建物にはとても有効で、広がりを感じられるということなんでしょうか。
いずれにしても、この舞台でお子さんは育つんですね。