2005年9月3日(土)放送
海!美味!憧れの沖縄暮らし探訪 1泊2日路線バスの旅

今回は一時間スペシャル、エメラルのドグリーン海が広がる沖縄にやってきました。建物だけではなく、沖縄の素敵なところをたっぷりと紹介します。

    1軒目のお宅    沖縄県国頭郡今帰仁村・川合邸
    2軒目のお宅    沖縄県沖縄市・仲宗根邸
 




沖縄県国頭郡今帰仁村・川合邸
- 沖縄の海暮らし探訪 カフェも人気!白いビーチハウス-

2003年10月完成
敷地面積   734平米(222坪)
建築面積    126平米(38坪)
延床面積     93平米(28坪)
補強コンクリートブロック造+木造小屋組
建築費:1650万円    坪単価:59万円



路線バスで巡る1泊2日の旅。まずは那覇から路線バスを乗り継いで2時間。やってきたのは、沖縄北部の今帰仁村。世界遺産にもなってきる今帰仁城跡で有名な場所です。

1軒目にご紹介するのは、青空に赤い瓦がよく似合う、海沿いの小さな家。ここは、カフェも兼用。東京から移住したご夫婦のお宅です。

家の前にあるテラスは、海を眺める絶好の場所。カフェが終わった後は、ご夫婦がビールを楽しむスペースです。

アメリカの中古家具で統一されたカフェの店内。おしゃれですねえ。昼間はカフェ、夜はご夫婦のダイニングに早変わり。どこからも海が眺められます。


小物にもこだわりがある川合さんご夫婦、全て昔から集めているものばかりです。南の島にスノードーム。いいですねえ。


こちらは川合さんのプライベートスペース。ゆったりしたアメリカン家具が存在感あります。南側に面した庭にはデッキ。縁側気分が楽しめます。

真っ白な水まわり。ここにもスノードームが置かれています。キングサイズのベッドボードが収納になっていました。これも同じ中古家具屋で買ったものだそうです。

タコの木に付けられたシャワー。年内には、ここにコテージを作るそうです。是非とも泊まりたいですね。

テラスから見える古宇利島。そこに川合さんに案内してもらうことになりました。車で走ること30分、今年2月にできたばかりの橋が見えてきました。この橋は無料の橋としては、日本最長だそうです。

楽園の島、古宇利島。ここの物産センターには、古宇利島周辺の名産品の数々が売られています。見ているだけで飽きないですね。島特産のウニ丼はうまかったなあ。

次に川合さんに連れて行ってもらったのが、玉城マンゴー園。ここのマンゴーはアーウィン種、アップルマンゴーと呼ばれているもの。よく見る黄色いマンゴーとは、香りも味も全然違います。いやーむしゃぶりついてしまいました。

宜野湾市のアメリカ中古家具ストリート。ここのグレースランドいう店で川合さんは家具を揃えたそうです。米軍の放出品だけでなく、アメリカ本土からも買い付け、自分でリペアして売られています。家具大好きの私としては、思わずはしゃいでしまいました。

那覇市にあるマンゴハウス。沖縄に来たからにはどうしても買いたかった「かりゆしウェア」のお店です。沖縄で作られた沖縄をイメージする柄の開襟シャツ。いわば沖縄版アロハシャツ。サミットで有名になり、今年のクールビズでブレイク。どうです、似合いますか?

島袋 勝也
 
1967年   沖縄県生まれ
1989年   第一工業大学建築学科卒業
1989年   (株)東設計工房 入社
1998年   (株)東設計工房 北部設計室として分室を開設、住宅を主に設計 
現在に至る
   
工房の主な受賞歴
1987年
1992年
  仲西邸(社)日本建築士連合会第15回会員作品展最優秀賞受賞「風土に根ざした家つくり」設計競技戸建住宅優秀賞受賞
1993年
1996年
  「沖縄県自治研修所及び女性総合センター(仮称)設計競技」にて優秀賞受賞沖縄県住宅供給公社「やさしい住まい設計競技」にて最優秀賞受賞
1998年   「那覇市末吉公園住宅建設事業への提案募集」にて優秀賞受賞
1999年   「沖縄県司法書士会館」設計プロポーザル当選
2002年   (社)沖縄県建築士事務所協会主催「第23回 住宅設計展」にて優秀賞受賞
2005年   混構造の家Ⅱ(社)沖縄県建築士会主催「第3回 住宅建築賞」にて奨励賞受賞

(株)東設計工房 北部設計室

沖縄県国頭郡今帰仁村字仲宗根371番地              
TEL&FAX   0980-56-5353
E-mail   paraya@azumas.com
 
ハワイの海が好きで、以前は毎年出かけたと言うご夫妻から「ハワイのノースショアに在る様な何でも無いシンプルな家に住みたい!」との要望に、まだ行った事もないハワイのビーチハウスを想いつつ自然豊な沖縄ビーチフロントの立地条件を活かしながら、ご夫妻お気に入りのハワイアンをスパイスに完成した住宅は、気負う事無くそのまま沖縄スタイルの家でした。 長い庇を備えた彫りの深い半戸外の空間に流れ込む海風や、開放的な間取り、日中の強い日差しを和らげる赤瓦など沖縄の風土を活かし実現できたチャンプルー(混ぜ合わす)住宅にとても満足しています。
 




沖縄県沖縄市・仲宗根邸
- 沖縄の街暮らし探訪 泡盛の宴 仲間つどう赤瓦の家-

2005年4月完成
敷地面積    273平米(82.5坪)
建築面積     128平米(39坪)
延床面積    191.5平米(58坪)
壁式鉄筋コンクリート造
建築費:3367万円    坪単価:58万円



2日めにお伺いしたのは、最近までコザと呼ばれていた沖縄市に建つ仲宗根邸。台風等、厳しい自然条件の沖縄では、やはり頑丈なコンクリート造。そこに、と赤瓦、石垣、シーサー。沖縄の魅力たっぷりのお宅です。

沖縄の赤土をイメージした壁、琉球松の上がりかまち。壁に掛けられた入る書はご主人の作品です。

5メートルの天井高。開放感たっぷりです。風の流れを考えてあるので、猛暑にもかかわらず、クーラー要らず。5メートルの高さの窓からミエルは、緑と青空のみです。

リビングには炉が切ってありました。これは泡盛が好きなご主人のリクエスト。仲間が集まれば、ここで宴会が繰り広げられます。


対面式のキッチン、カウンターで食事。休日はご主人が作るそうです。得意料理はやっぱりゴーヤチャンプル。


内外一体のデッキ は舞台にもなります。宴が盛り上がれば、三線のリズムにカチャーシー。楽しそうですねえ。

2世帯住宅でもある仲宗根邸、東屋はおばあちゃんと孫たちの交流の場。下を見れば、デッキ、リビング。見上げれば屋上と、有機的につながります。

断熱効果のために、芝生を一面に敷き詰めた屋上。見晴らしも抜群。家族みんなでスイカが楽しめます。

仲宗根さんにつれて来てもらったのは、コザの文化人なら知らぬものはいないという定食屋よね。ナーベラー(へちま)の味噌煮、テビチ(豚足)は美味しかったなあ。ごちそうさま。

よねのすぐ隣にある「ベルーガ」。ここでは「ぜんざい」をいただきました。沖縄のぜんざいとは、金時豆の餡と白玉の上に氷をかけた、カキ氷のことなんですね。「ぜんざいみもん」?の美味しさでした・・・

沖縄に来たからには、やっぱり泡盛を飲まなきゃ!仲宗根さんのお宅の近所にある酒蔵に案内していただきました。ここ「新里酒造」は沖縄最古の蔵元。ここで非売品の15年物の古酒を飲ませていただきました。いやー、これはうまい!

仲村渠(なかんだかり) 常広
 
1957年   沖縄生まれ
建築家・故金城信吉氏に師事。沖縄の離島をはじめ東南アジア、中米、インドなどを訪ねその土地に根ざした建築を学ぶ
1990年   建築研究室 匠斎庵を設立
2002年   「建築研究室 匠斎庵10+2年の仕事展」開催
 
【主な受賞歴】
1991年   「佐敷町文化センター」
第6回競技設計 優秀賞受賞
1996年   「沖縄県総合福祉センター」
プロポーザル設計競技  優秀賞受賞
1997年   沖縄市タウンデザイン賞 受賞
2002年   「まつもと医院デイサービスセンター」
プロポーザルコンペ 一等当選
 
【出版物掲載作品】
1997年   「ナー家」 住宅建築8月号
2003年   「ホタルデッキの家」 新しい住まいの設計8月号
2003年   「アートギャラリーの家」 新建築住宅特集10月号
     
主な著書に「建築研究室 匠斎庵1990-2000」(2002年、建築研究室 匠斎庵)

建築研究室 匠斎庵

〒904-0034 
沖縄県沖縄市山内3-23-15                 
TEL   098-933-3317
FAX   098-933-3352
E-mail   shosaian@fancy.ocn.ne.jp
 
計画の中で重要になったのは、2世帯(親のための1ROOM)という家族構成
そして、施主が一番こだわった沖縄らしい住まい。敷地の東側を流れる川と隣接する
公園との関係であった。
沖縄らしさの表現として、赤瓦等の素材を使うだけにとどまらず、開放性のある
内部と外部空間が連続する空間構成をベースとし、風の抜ける外部空間での生活を
テーマとした。
リビングから連続するウッドデッキはこの家の中心に配置され、各諸室に風を流す
役目だけでなく、日常生活の場として機能する。
2階に配置されたテラスの東屋は親子や子供たちの狭い室内の役割を担い、世代間
の交流の場となることを期待している。
ルーフテラスからは川、そして微かに見える海と神々の島(高久島)を望む。
3つのレベルに配置された外部空間は視覚的にも連続し、家族団らんの場、
子供たちの遊び場、宴の広場、そしてカチャーシーの舞台、客席となり多様な生活を
内包し、家という小宇宙の核となり、風が通り抜け、星が降り注ぐコミュニティの場
として存在している。

先日、この家を訪ねた。東屋によしずがかけられ、おばあちゃんが設計中に生まれた孫を
あやしている姿が見られた。