2005年6月18日(土)放送
神奈川県横浜市・山崎邸
- あふれる開放感 細さ限界 幅3mの家-
2004年4月完成
敷地面積     125平米(38坪)
建築面積      56平米(17坪)
延床面積     133平米(40坪)
木造+一部鉄筋コンクリート
建築費:2700万円    坪単価:67万円



間口なんと3メートル。細長い建物。外観だけ見たときには、果たしてこんな家に住めるのか?と思いました。しかし見えるのは敷地延長部分なんです。山崎さんのお宅は旗竿敷地。土地の形に建物をうまくはめ込んであります。

玄関スペースは地下。この細長さを利用して、ギャラリースペースになっていました。長いゲタ箱には奥さんの靴がぎっしり詰まっていました。

1階はダイニング、中庭を挟んで奥にはAVルームも見えます。外観からは想像もつかない豊かな空間が広がっていました。開放感ありますねえ。

中庭にはやまぼうしがシンボルツリーとして植えられています。ここはバーベキューをするための場所。プライバシーを完全に守れる中庭です。AVルームはご夫婦が映画を満喫するスペースです。


1階の敷地延長部分は、キッチンになっています。ちょうど玄関スペースの真上。明るく清潔感のあるキッチンです。奥さんの希望でダブルシンクになっています。


2階はご主人の部屋。夫婦別室の山崎邸、デッキの奥が奥さんの部屋。格子張りのデッキは、唯一和を感じさせるスペース。ここで2人はお茶を楽しんでいるそうです。

2階の敷地延長部分は水まわりになっていました。大理石張り。共働きの2人のために洗面はダブル。シャワーブース、そして浴室とタテに並んでいます。バステラスまで付いています。これは気持ちいいでしょうね。

屋上にでるとこのお宅の形状がよく分かります。手前が敷地延長部分。ランドマークタワーが一望。夏は花火が楽しめるそうです。

三澤 護   
日本建築家協会会員
住宅部会
建築相談委員会
湘南設計監理協会
よこはま住宅倶楽部
茅ヶ崎なぎさロータリークラブ

1948年5月   東京生まれ
1971年3月   関東学院大学工学部建築学科卒
4月   (株)C.L.L.設計事務所
1980年   独自に設計活動に入る
自邸「神奈川県建築コンクール」特別賞受賞
1986年   三澤 護/建楽・設計工房 設立
1988年4月   インテリアコーディネータースクール講師
総合プランニング(横浜)
1989年   株式会社 建楽設計と社名変更
1991年   新日本建築家協会に参加
1995年   よこはま住宅倶楽部設立に参加
湘南街づくりネットワーク設立に参加
1997年   横浜・厚木にて「失敗しない家づくりセミナー」講演
1998年   厚木にて「リフォームセミナー」講演
2003年   畑中邸「神奈川建築コンクール」奨励賞受
 
建楽設計

〒253-0052 
神奈川県茅ケ崎市幸町5-19 山本ハイム2F                              
TEL   0467-87-8959
FAX   0467-57-7611
E-mail   mmk-ae@cityfujisawa.ne.jp
 
 今回の家づくりは、土地の購入に立ち会うところから、スタートしました。

  前面道路より1.8m上がった典型的な旗竿地。周囲は建物に囲まれていて道路から
は3mの竿の部分しか拝めない土地である。
  今回の計画は、この竿の部分に建物の機能(水回り)を納め、他の部分はニュート
ラルなスペースにしようとした。
  まず竿の部分の地下は靴収納のあるギャラリースペース、1階は便所とキッチン、
2階はパウダールームとランドマークタワーが見える浴室、浴槽からシャワールーム
や洗面台まで大理石で造り込んでいる。
  普通は竿の部分を駐車場にして、奥に建物を造るのが一般的だが、この竿を最大限
生かして旗の部分に豊かな空間を造ることを試みた旗竿地だからできる空間構成を考
えてみました。
  中央に、中庭を取り、周囲を壁で囲んで視線をカット、内部に豊かな居住空間を作
ることを試みた。中庭には自由な4つのスペースが取り囲む形にした。地下から1階
までの床は全て大理石とし、白い空間を造り出している。
  また風の通り道、太陽の光りの入り方に注意し、明るく快適な場所を生み出してい
る。屋上からランドマークタワーがよく見えて、港の花火も鑑賞できます。一般的に
条件の悪い土地を逆手にとって、HAPPYな楽しい建物を作りました。
 
山崎さんのお宅は、入り口がタイト、間口が3メートルしかありません。しかしどうでしょう、中に入っての豊かな空間。中庭、キッチン、浴室と、敷地延長の土地を見事に設計しています。この建物を奥さんのご両親が見て感動し、同じ建築家に終の棲家を頼んだそうです。いい影響を与えましたね。