2005年4月16日(土)放送
東京都目黒区・高階邸
−NY帰り 有名料理研究家の台所公開−
2002年1月完成
敷地面積      83平米(25坪)
建築面積     56.5平米(17坪)
延床面積     163平米(49坪)
RC造3階建て
建築費:3300万円    坪単価:67万円



25坪の土地に建てられたコンクリート打ちっぱなし。ファサードのガラス(プロフィリットガラス)が印象的です。階段を上り下りする姿があいまいに見えます。

床はライムストーン。そこに置かれた照明はご主人の友人であるガラス作家の作品です。アナを空けてただ置いてあるだけ。いい雰囲気ですねえ。

地下鉄と同じ工法で作られた高階邸。2階は25畳の大空間が広がります。厚さ30センチのコンクリートのおかげで、柱、壁が一切ありません。床はブラジル産のクォーツサイト。そこに置かれた名作イスや、和の家具がとても似合っています。

ご主人は建築家、そして奥さんは料理研究家。この空間は奥さんの料理教室や、撮影スタジオとしても使われています。ご主人が設計した鉄の大きなダイニングテーブルが活躍していますね。


御影石の天板が使われたアイランドキッチン。熱に強く、掃除も簡単です。コンロ、シンクも二口。ここも料理教室として使う場所。5人いても余裕の広さです。菜箸、木べらの数にも驚きです。


3階も大空間のワンルーム。床はカリン。いい味を出しています。窓側に書斎。奥さんがレシピを考える場所。背の低い本棚を挟んで奥に寝室。あいまいな仕切りです。壁側には、簡単に整理ができる作り付けの服収納。これだけあれば・・・

寝室の奥が水まわり。広く見せるためにトイレ、洗面、浴室を一体に。仕切りはガラス。

こちらは全て奥さんのオリジナルレシピ。どれもこれも美味しそう。奥さんは炊飯器で作る料理の本も出されています。

高階 澄人
   
1961年   東京生まれ
1984年   日本大学理工学部建築学科卒業
1984〜1993年  

芦原建築設計研究所

1994〜1995年  

Steven Holl Architects

1995年   Pratt Institute NY大学院卒業
2001年   高階澄人建築事務所設立
2003年〜  

日本大学理工学部建築学科非常勤講師

     
受賞    
1994年  

Competition of “Fiume di Pietra”in Verona, 1st prize

2001年  

東京ガス「暖かな住空間コンペティション」東京ガス賞

 

高階澄人建築事務所

               
TEL   03-5766-1640
FAX   03-5766-1643
E-mail   office@starchitects.jp
 

 住宅という器の中で繰り広げられる“生活”とは、そもそも不定型で曖昧なものだと思います。ある空間が当初の予定どおりに使われることもあればそうでないことも多々あります。ときには予想を裏切るほどの自由な使い方をも受け入れる、そういう素質を備えた空間がとても魅力的だと考えています。
  料理研究家の家内にとって、時間的にも面積的にも半分以上が“仕事場”となるこの“住宅”での“生活”も容易に予測できるものではなかったので、できるだけ境界が曖昧で連続的な空間に“とりあえずしておく”ことにしました。
  細長い敷地において構造体の制約を最小にしながら最大の容積を確保するために敷地の巾いっぱいのトンネル状の構造体を3層重ねた構成にしました。3つのトンネルはそれぞれがワンルームであり、かつそれらを南面のプロフィリットガラス前の階段で繋ぐことによって家全体も立体的なワンルームのように一繋がりになることを試みています。

 

高階さんのお宅はコンクリートの厚さが30センチ、ゆえに柱も壁もない大空間が実現しています。あいまいにとご主人はおっしゃっていましたが、実際に生活を始めないと分からないところがあります。限定しないで「あいまい」にと、そこにこそ味があると思います。印象的だったのが、ご主人の言葉。「この家はスーパーワンルームです」。とてもシンプルで、潔い感じがします。
高階さんのお宅は、奥さんが料理研究家。巨大なキッチンです。しかし、食の楽しみを考えるとこのくらいの設備があってもいいんじゃないでしょうか。