2005年4月9日(土)放送
千葉県船橋市・古川邸
-20畳地下 写真と花と兄弟ライブ-
2004年11月完成
敷地面積      137平米(41坪)
建築面積       45平米(14坪)
延床面積      118平米(36坪)
RC造地下+木造2階建て
建築費:3056万円    坪単価:86万円



青空が似合う真っ白い建物。右側の大きな窓が印象的です。玄関は地下になります。

地下にあるとは思えない明るく開放的な空間です。吹きぬけ。ハイサイドの大窓からは緑と青空だけが望めます。床はタイル張り。

大型のテレビを見るときは子供達は直接床に座るそうです。夏はひんやり、冬は床暖房でぽかぽか。玄関先の電子オルガンは子供達の趣味。

あえて見えないように隠された長いキッチン。週末は奥さんのためにご主人と息子さんたちが腕を振るいます。奥さん幸せですね。


らせん階段はご主人の趣味の写真を飾るギャラリー。プロ級の腕前です。どれもこれもいい味を出していますね。踊り場を利用したご主人の書斎は音楽を聞きながらバーボンを飲む場所です。


白く美しい浴室、今まで暗いマンション住まい、浴室も暗かったことから、どうしても明るくしたかったそうです。外観で見えた大窓は浴室のもの。壁床はFRP。

天井、床は桐。壁は開け閉めできるルーバー戸。リビングの吹き抜けを通して緑が眺められます。収納はなんと西ドイツ製のシステム収納。使いやすさは抜群とか。

2階は子供達のスペース。すくすくと育って欲しいことから、ここは杉が使われています。長男の趣味は水中庭園作り。ひとつの世界を作り出していますね。和室は奥さんの趣味のフラワーガーデンをするための場所です。

彦根 アンドレア

1962年 ドイツ生まれ
1987年 シュトゥットガルト工科大首席卒業
1988年 團・青島建築設計事務所
1989年 磯崎新アトリエ
1990年 彦根明と共に彦根建築設計事務所設立
1999年 農林水産省 優良田園住宅勉強会 講師

受賞
1987年 木造住宅デザインコンクール佳作 東京建築士会集合住宅設計競技佳作
       文化学術研究施設「モニュメントを含む広場」国際設計競技3等入賞
1993年 日経ニューオフィス賞中部ニューオフィス推進賞
       第24回富山県建築賞入賞
1994年 日本建築士会連合会賞
       通商産業省選定グッドデザイン施設
       第25回富山県建築賞入選 
 

(株)彦根建築設計事務所


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E-mail   aha@a-h-architects.com
 

休みの日、晴れ。

広く真っ白なお風呂から上がり隣の書斎の冷蔵庫から飲み物を取り出す。桐床の肌触りが気持ちいい。たくさんのCDの中から一つ選んでスイッチを押すと建物中にいつものように音楽が溢れる。好きな本や小物の間にのぞく小窓から下階を見下ろせば日が差し込むダイニングで奥様が朝ごはんの準備。ワイン色のリビングコーナー、蜂蜜色の床タイルとシンプルな白い壁、これらはプリントと絵を飾るための完璧なバックグラウンド。上の階からは子供たちの笑い声が聞こえてくる。螺旋階段を見上げると天窓越しに見える空へ視界が広がる。杉の香りが漂う2階の和室からはテレビの音。低い障子にお辞儀しながらそのまま畳に腰を下ろし、通路奥のルーフテラスをにこにこしながら見つめる。いろんな使い方を考えたけどよく使っているのは長男の水槽掃除をする場として。高い天井の子供部屋には高ベッド、その下にはあの大きな水槽。右を見ると次男の部屋。黄色い天井と工場みたいな窓の奥に見える緑の木洩れ日が心地よい。煙草を吸いたくなって寝室に下りる。ダイニングスペースと寝室を仕切るルーバーの間からはコーヒーの香り。室内禁煙のため一旦外へ。煙草に火を点けながらアプローチのデッキに立ち、白いシンプルな建物を眺める。

そろそろご飯もできたかな、サンクンガーデンを下りて温かな空間へと帰る。

 

古川さんのお宅は、建ぺい率、容積率ともに厳しい風致地区に建っています。それゆえにリビングダイニングは、地下に作られました。部屋の延長にもなるドライエリアの玄関スペース、吹きぬけ、ハイサイドの大窓、とても明るく広がりのある感じがします。地下にあるとは思えない気持ちのいい空間です。今回の家作り、親子でとても楽しかったとおっしゃる、その笑顔がとても印象的でした。