2005年3月26日(土)放送
東京都港区・吉川邸
-花に包まれて暮らしたい・・・  フラワーガーデンのある家-
2004年3月完成
敷地面積      123平米(37坪)
建築面積       63平米(19坪)
延床面積      157平米(48坪)
RC+鉄骨造3階建て
建築費:3500万円    坪単価:72万円



吉川さんのお宅は都心のど真ん中、高層ビルに囲まれた、広さ37坪の旗竿敷地に建てられています。ご家族は吉川さんとご両親の3人。独身キャリアウーマンの吉川さんが両親と生活する家です。アプローチや玄関には色鮮やかな花々がありました。花に包まれて暮らしたい…。家中どこにいても花を眺められるようになっているそうです。

2階のダイニングキッチンは広さ17畳。開放的でありながら落ち着いた雰囲気のある空間となっています。開口部からは中庭が見下ろせ、中庭の花々が眺められます。外へは閉じ、中庭に面したところを大開口にすることで、明るく開放的な空間仕上げています。

キッチンはカウンター式。カウンターにも小さなシンクを設置。このシンクでは食器や野菜を洗うだけでなく、花を生けたりする場所でもあります。

3階にはフラワーガーデンがありました。ここはお母さんがずっと欲しがっていたスペース。思い思いに植栽を育てる。お母さんの夢が叶いました。


3階にはリビングもありました。こちらはフラワーガーデンをも渡せる場所。最上階だけあって日当りも抜群です。実はこの部屋、客間としても使用できるそうです。収納だと思っていた扉を動かすとなんとベッドが出現。これには驚きました。来客時には本当に便利ですよね。


1階の洗面、浴室の隣には花々の美しい中庭があります。この中庭を眺めながら朝の仕度や入浴をする。この植栽のおかげでとても豊かな時間が過ごせますね。

洗面、浴室の反対側は吉川さんの部屋となっています。ここからも中庭が眺められます。一部の床が少し高くなっていました。この高さが腰掛けるのに丁度良くなっています。

吉川さんの部屋にはなんと地下室がありました。こちらは寝室として使用。上から見たときに床の高くなっていいたところ、その真下が寝室となっています。頭上でなく、床下に作ったロフトいったところでしょうか。アイデアのある設計です。

増田 政一
   
1976年   長崎総合科学大学建築学科卒業
ゼネコン設計部、ハウスメーカー、黒川紀章建築都市設計事務所等を経て
1987年   (株)アルクデザインパートナーズを3人共同で設立 代表取締役
1998年   (有)アルクデザイン 増田政一 一級建築士事務所設立 
現在に至る
 

アルクデザイン


〒152-0035
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E-mail   masuda@arc-masuda.co.jp
 
吉川さんのお宅は4.5年前にリフォームしたばかりの家でしたが、都合により建替えることになりました。そのため、作り付けの家具やキッチン、扉などがまだ新しく、これらを再利用することを考えながらの設計でした。新しい家ではこれらの工夫が以前の家と違う形で再現されています。敷地の四方は、高層のマンションやピルが迫って建つ環境のため、周りから採光は難しく光を取り入れるために、コの字型プランとし、この中に光の井戸としての中庭を設けました。各階の窓は中庭に面し、大開口を設けることにより部屋の奥まで明るい開放的な空間が実現できました。又、奥様の趣味のバラを楽しめるスペースを屋上ガーデンとして計画し、コンクリート造の屋根には断熱屋上緑化システムを採用し、真夏の日照り時にも対応した保湿性のある構造となっています。季節や時間の変化を感じ取れる空間は日々の生活に豊かさを与えてくれるものです。シンプルでモダンな明るく開放的な心地良い空間の設計を常に心掛けたいと思っています。
 
吉川さんのお宅は都心中のど真ん中に建っています。周囲に幹線道路、高速道路があります。車通りの多い道路に囲まれているのにも関わらず、吉川さんのお宅はとても静か。その理由は色々ありますが、敷地が旗竿型で表通りから奥まったところに建っているということ。そして、堅牢なるコンクリートで出来ているということが特筆すべき点ではないでしょうか。またご家族みんな芸術が大好きで、特にお母さんが草花などの植栽が大好き。どこからでも植物を愛でられるようになっています。特にアプローチ、中庭、屋上庭園は素晴らしいです。冷たい感じのするコンクリート打ちっ放し豊かな表情を与えています。このお母さんの感性がお嬢さんにしっかりと受け継がれていましたね。