2004年10月9日(土)放送
東京都・手塚邸
−若手注目建築家の自邸 風通る50畳大空間−
2002年11月完成
敷地面積      282平米(85坪)
建築面積     90.5平米(30坪)
延床面積      181平米(55坪)
鉄骨造2階建て
建築費:4700万円    坪単価:85万円


手塚さんのお宅は丘陵地の上に建つ2世帯住宅。1階が親世帯、2階が子世帯のスペースとなっています。設計は手塚さんご夫妻。手塚貴晴さん、由比さんは日本の建築界をリードする若手建築家。今回はその自邸です。

LDKは広さ30畳以上の空間。北側は全面ガラス窓。もちろんこの窓は全て開け放つことができます。想像を越える開放感は手塚さん夫婦の設計の特徴とも言えます。眺望も抜群!

北側の窓の手前には薪ストーブが置いてありました。これも手塚さんのオリジナル。ダイニングテーブルは長さ4メートル、重さ300kg。100年は使えるという机。食事から仕事まで全てこの机で行うそうです。家族が個室に閉じこもることなく、みんながいつも集う場所となっています。

プロ使用のものが一番使いやすくて丈夫。そう考え、キッチンは全て業務用をそろえています。コンロも12000cal。料理好きには魅力的な火力です。業務用の機具の前に手元の目隠しを設けています。キッチンに立ちながら、ダイニングにいる家族、お客さんと会話が楽しめるようになっています。

LDKの南側は全面引き戸。もちろん開放できます。引き戸の奥は寝室と浴室になっていました。開け放てば全ての部屋がつながり50畳以上の大空間となります。部屋も家族も仲間外れを作らない家族一緒を形にしています。南側の窓も開ければ、風通り抜群。

水周りはトイレ、洗面、浴室が一緒になったスリー・イン・ワン。空間が狭く、閉じこめるからお風呂もカビ臭く、トイレも匂う。空間を広く取り、開け放つことで快適なスペースとなっています。

親世帯のリビングダイニングは南側。窓の向こうには緑豊かな庭がありました。お母さんの希望で、何十種類もの植栽を以前の家から持ってきたそうです。

親世帯の北側は和室。中央に引き戸を設け、2つにまじきれるようになっています。北側はもちろん全面開口。

手塚貴晴(てづか たかはる) 手塚由比(てづか ゆい) /池田 昌弘(いけだ まさひろ)

手塚貴晴(てづか たかはる)
1964年   東京生まれ
1987年   武蔵工業大学卒業
1990年   ペンシルバニア大学大学院修了
1990〜94年   リチャード・ロジャース・パートナーシップ・ロンドン 勤務
1994年   手塚建築企画を手塚由比と共同設立
1996年   武蔵工業大学専任講師
1997年   手塚建築研究所に改称(株式会社設立,01.08)
2003年〜   武蔵工業大学助教授
 
手塚由比(てづか ゆい)
1969年   神奈川生まれ
1992年   武蔵工業大学卒業
1992〜93年   ロンドン大学バートレット校
1994年   手塚建築企画を手塚貴晴と共同設立
1997年   手塚建築研究所に改称(株式会社設立,01.08)
1999年〜   東洋大学非常勤講師
2001年〜   東海大学非常勤講師
     
開放的で自然の風を取入れる住宅を得意とする。
受賞はグッドデザイン金賞、日本建築学会作品選奨、吉岡賞、JIA新人賞、東京建築士会住宅建築賞他。
 

池田 昌弘(いけだ まさひろ)
1964年   静岡県生まれ
1987年   名古屋大学工学部建築学科卒業
1989年   同大学大学院修士課程修了
木村俊彦構造設計事務所、佐々木睦朗構造計画研究所を経て、
1994年   池田昌弘建築研究所設立
主な受賞暦    
2000年   第16回吉岡賞「ナチュラルシェルター」 (EDH遠藤設計室と共同)
2001年   第11回松井源吾賞「有田陶芸倶楽部」 (シーラカンスK&Hと共同)
2002年   ビエンナーレ出展「リラクゼーションパーク・トーレヴィエハ」
  (伊東豊雄建築設計事務所と共同)
2002年   JIA新人賞・第18回吉岡賞「屋根の家」 (手塚建築研究所と共同)
2003年   JIA新人賞「ナチュラルエリップス」 (EDH遠藤設計室と共同)
2003年   日本建築学会作品選奨「屋根の家」 (手塚建築研究所と共同)
2003年   出版著作権「小住宅の構造」
2003年   GAギャラリーにて個展「インテグリスト・池田昌弘展」開催
2004年   第20回吉岡賞「B L O C」 (アーキテクトンと共同)
2004年   日本建築学会作品選奨「ナチュラルスラット」(EDH遠藤設計室と共同)
2004年   ポンピドゥセンター(フランス)作品搬入
「Y HOUSE」 (パワーユニットスタジオと共同)
「ナチュラルエリップス」 (EDH遠藤設計室と共同)
2004年   ビエンナーレ出展「越後松之山・森の学校キョロロ」 (手塚建築研究所と共同)
「RINGTORPSPLATSEN」 (wilhelmson arkitekter abと共同)
「バレンシア近代美術館 増築」 (妹島和世+西沢立衛/SANAAと共同)


手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所
〒158-0087
東京都世田谷区玉堤1-29-2
TEL   03-3703-7056
FAX   03-3703-7038
E-mail   tez@sepia.ocn.ne.jp
 
風と光を抜くことを考えた南北に細長い敷地で二世帯住宅です。敷地は武蔵野台地の端、多摩川の河岸段丘の頂部に位置します。北側には多摩川の河川敷越しに80キロ先の富士山まで展望が広がります。二階子世帯内部は引戸だけで仕切られたワンルーム感覚。一層26坪にも関わらず、40畳のリビングダイニング空間が確保されています。長さ3.6メートルのオープンキッチンと4メートルの大テーブル。家族二世帯が集まって更にお客さんを迎えても余りある14人がけのディナーテーブルになります。子どもの勉強と親の仕事と食事が同時にこなせる空間です。お風呂もリビングに開け放って使っていることが殆どです。部屋には仲間はずれがありません。冬は全体がオンドル式暖房と薪ストーブで温かくTシャツ一枚で暮らせます。夏は南北の大開口と天窓を開け放って、家中アウトドア空間として使っています。一階親世帯は庭と収納を重視した構成ながら、風の道を確保しています。引戸を全部開けると、風がぐるぐる回って行き止まりの無い家です。
 
手塚貴晴さん、由比さん共に建築家です。自邸ということで多分に実験的な要素も含まれています。まず既成概念、建物の設計はこうあるべきというところを壊した上で自分たちにとって一体何が必要なのかを考えられました。完成した建物はあらゆる部分でイメージを広げることができるものとなりました。当番組で紹介する手塚さんご夫婦の作品は6軒目になります。どれも見事な作品でした。今回は2世帯住宅の規制がありましたが、それをものともせず、全てを受け入れるとても大らかな建物を造られました。