2004年9月11日放送
茨城県守谷市・光岡邸
-感動!10年ぶりの再会 10万円の屋上プール-
2004年5月完成
敷地面積   221平米(67坪)
建築面積    101平米(31坪)
延床面積   194平米(59坪)
RC造2階建て
建築費:2847万円  坪単価:48万円


光岡さんのお宅はコンクリートでできた2世帯住宅。1階が親世帯、2階が子世帯となっています。設計は建築家のご主人が担当。上部には木材が使われているところがありました。こちらはルーフテラス。ここには誰もが羨むものがあるそうです。

2階の子世帯のLDKは広さ24畳、天井高4メートル以上の大空間。キッチンの上にはロフトがありました。床は打ちっ放し。ローコスト化を実現するため、敢えてこうしたそうです。床を張らないおかげで掃除が楽に済むとか。

リビングは和洋それぞれのくつろぎ空間を作りました。洋は大きなソファー。柔らかなクッションに体を預けて、昼寝が楽しめます。和は畳を敷いた空間。こちらでは奥さんが家事などをされているそうです。

※以前の家を取材したときの画像です。
光岡さんは10年前に1軒、家を建て、私も以前の家を探訪していました。以前の家もコンクリート住宅。ご家族とは10年ぶりの再会です。あの頃、まだ幼かった3人のお子さんも立派に成長されていました。

子供室はキッチン脇の廊下の横に3つ並んでいます。少し狭いですが、お子さんにとってやっと手にした自分だけの部屋。年頃になれば、自分の部屋が欲しくなりますよね。

キッチンの上にあるロフトには奥さんの書斎スペースがありました。ここはリビング見下ろせる場所。気持ちのいい場所が奥さんのものとなっていました。

ルーフバルコニーにはなんとプールがありました。ルーフバルコニーはリゾートのような別世界。確かに誰もが憧れる空間です。夏の日差しを浴びながら、プールで遊び、くつろぎ、眠る。ご主人はゴムボートを浮かべて3時間も昼寝をしていたこともあるそうです。しかもこのプールの設置料はわずか10万円。どうして安く済んだのか、その秘訣も伺いました。

1Fの親世帯には床をフローリングにし、畳スペース、寝室も設けました。こちらにはまだご両親は同居していません。これからの同居を考えてバリアフリー、ご両親の要望をかなえた設計となっています。

光岡 徳泰(みつおか のりやす)

1959年   神戸生まれ
1983年   武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業
設計事務所勤務を経て、
1988年   BE STONE/光岡徳泰建築研究所設立
 
BE STONE/光岡徳泰建築研究所
〒302-0127 
茨城県守谷市松ヶ丘6-20-2
TEL   0297-48-8760
FAX   0297-48-9835
E-mail   bestone2@nifty.com
 
この住宅は1階を親世帯、2階を子世帯とした2世帯住宅です。敷地は来年開業予定の、つくばエクスプレス守谷駅徒歩圏にある都市基盤整備公団造成地内にあり今年5月に竣工しました。現在はまだ周辺には空地が残っていますが、鉄道開業後には急速に建て込んでくると予想されました。その為、外部からの視線を遮りながらも閉鎖的にならず、開放感の得られる設計がテーマとなりました。その解決策として2階及び屋上に木製格子で中庭的要素を持たせたルーフテラスを設け、家族の集まる2階リビングの天井高を4m以上にする事により縦方向の開放感を持たせることにしました。また日常生活の中にも非日常な生活感を感じられる象徴としての水場(POOL)を屋上ルーフテラスに設けています。POOLはコンクリート躯体を利用している為、設置費用は竪樋につけたバルブ6,000円及び小型カートリッジ式濾過装置約10万円のみです。将来的にはPOOLの水を庭の水撒きやトイレに再利用できるよう配管工事をしたいと思っています。工事費は打ち放しコンクリート住宅としては破格の坪約48万円で、ちょっとした木造住宅やプレハブ住宅と変わらないと思います。コストダウンの為に2階部分は内装工事を極力省き床もコンクリート直押さえWAX仕上げとしています。しかし安っぽさや違和感はなく、昔のしっとりとした土間のような感じで、子供たちは裸足で歩き回っています。
2階リビングは台所部分を含め約24帖位ですがリビングに続くルーフテラス部分が12帖あるのと天井高が高い為それ以上の広さに感じられ、二世帯7人がリビングに集っても全く圧迫感はありません。その意味では当初の設計テーマはクリアできたのではと思っています。
 
光岡さんのご家族とは10年ぶりの再会です。以前の建物は中庭を中心に家族のコミュニケーションをはかり、元気なお子さんの姿が印象的な家でした。以前の建物は中庭を生かしたモダンな感じが致しました。若い頃のご主人が頑張ってお洒落に作り上げた建物です。しかし、現実的なところでもう少し使い勝手が良ければ…ということがあったのでしょう。新しい家には立派に成長されたお子さん達念願の個室ができ、ご両親との同居も考えた生活し易い空間となっていました。生活し易い空間を築きながら、外観も内部も以前の家と同じようにモダンで素敵な建物となっていました。