2004年4月3日放送
神奈川県横浜市・長谷川邸
-休日は遅い朝食を… モダン・サンタフェの家-
2003年6月完成
敷地面積     275平米(83坪)
建築面積     133平米(40坪)
延床面積     202平米(61坪)
木造2階建て
建築費:4250万円  坪単価:67万円


長谷川さんのお宅は木造2階建ての建物。長谷川さんのお宅はベージュの壁にこげ茶色の木材、アイアンの建具などで表情がつけてありました。テーマはバリでもハワイでもサンタフェでもなく、モダンサンタフェ。これは設計をした建築家が考えた造語です。サンタフェの要素を取り入れながらどこかモダンな感じのする建物となっています。

玄関は広さ8畳、天井高5.6メートル。通常の家では考えられないほど、広い玄関です。家人を外に送り出し、迎え入れるのが玄関。だからこそご主人は玄関を気持ちの良いスペースにしたかったそうです。シンボルツリーはアコウ。アコウは九州南部か東南アジアまで分布していて、大きいもので高さ20メートルにもなるとか。照明のシャンデリアはアーティストの作品。

庭のデザインは全てガーデンデザイナーが担当しました。プロがデザインした多くの植栽が彩るさわやかな風が抜けるスペース。休日にゆったりとここでくつろぐのもいいですね。

リビングは広さ10畳、吹抜け6メートルの空間。ゆったりとくつろげる落ち着いた雰囲気に仕上がっています。こげ茶色の梁はアメリカの納屋や教会で使われていた200年ものの古材。この古材がとてもいい味わいを出しています。

ダイニング・キッチンは広さ11畳。ダイニングに置かれたテーブルは全長3メートルにもなります。長谷川さんは自分が建てた家で休日に遅めの朝食を採るのが夢だったそうです。その夢も見事に叶いました。このテーブルには引出しもついています。この引出しはとても重宝しているそうです。

キッチンは北側に配置されています。料理好きな奥さんは一日中この場所にいるとか。一日中いるなら明るい場所にしたいものです。だから明るい場所にするために北側の壁前面に開口設け、日光をが入るようにしています。しかもカーテンは無し。目隠しは外に植えられた植栽がその役割を果たしています。アイランドの作業台は引出しの収納などがあり、使い勝手も抜群。

浴室の壁はピンク色。これは色の違う5つのモザイクタイルをランダムに張ったそうです。ピンク色は心が落ち着かせる効果があると言われています。浴槽の横には小さなモニターを置いて、テレビもDVDも楽しめるようになっています。心が落ち着く上にテレビまであるからついつい長湯になってしまうとか。

寝室は広さ10畳。この部屋には100インチのスクリーンがありました。ベッドで横になりながら大好きな映画を楽しむ。映画に夢中になって、ついつい寝不足になってしまいそうですね。
大浦 比呂志

1961年   東京生まれ
いくつかの設計事務所等で商業建築、個人住宅、インテリアデザインなど幅広く経験
1994年   大浦比呂志創作デザイン研究所を立ち上げ独自のテイストによる住宅、店舗などを手掛ける
     
大浦比呂志創作デザイン研究所
〒225-0011
横浜市青葉区あざみ野1-7-5 4階
TEL   045-904-5417
FAX   045-904-5418
E-mail   natureinfo@nature-decor.com


ガーデンデザイン
デザイナー:長谷川 祐二
事務所名:ガーデン&ファニチャー

埼玉県さいたま市桜区西堀8-11-34
TEL   048-857-8380
FAX   048-857-8384

長谷川さんが始めて私共の事務所に来た時の話。
『タメ口でやっていきたいのですがどうですか?』 もちろんOKでした。
建築家と建主が一軒の家を手掛けていく時、ネックになっていくことのひとつに言葉の壁というものがあります。
そうして同じ目線で向き合う事により、忌憚なく意見を出し合っていく事、世界でひとつの自分の家を創り上げていく上で、これはとても大切な事だと思っております。そして建築家の選択の一つとして、キャリアや作風はもちろん抜きには語れないのですが、何より大切なのは良きパートナーとして永くつきあっていけるかどうかの相性だと私は感じます。
これがクリアー出来れば、家創りにおいて半分以上は既に成功したとも言えるでしょう。
一軒の家が完成すると又ひとり友が増えていく。
食事に呼ばれたり、愛犬の話をしたり、コンサートにいったり、大好きな車の話をしたり・・・etc
これがこの仕事を通じての私にとっての達成感であり財産であると思います。
そして更にもう一人、長谷川さんという同世代の素敵な友が加わりました。
 
長谷川さんのお宅は外観、庭、そして、室内。とても気持ちがいいです。建物を建てるときの大きなテーマは休みの日に遅めの朝食をゆっくり食べるということでした。その夢が見事に叶いました。食事を採るダイニングだけでなく、どこに身を置いても、気持ちがいい。この気持ち良さだったらどこでも朝食が採れます。この心地良さの要因は色々有ります。中でもアメリカの納屋の梁。これは200年もののアメリカ製。アメリカは歴史の浅い国ですから、貴重品ととも言えます。当時作った大工さんの魂も入った素晴らしいものです。素晴らしい建物を手にされたご主人が「建物は人を変える」とおっしゃっていました。それだけ建物の持つ力はとても大きいということ。家造りは大切にしたいと実感いたしました。