2004年2月21日放送
神奈川県川崎市・三田邸
−1400万のおもちゃ箱 アメリカンレトロの家−
2003年7月完成
敷地面積    149平米(45坪)
建築面積     43平米(13坪)
延床面積    110平米(33坪)
木造3階建て
建築費:1426万円  坪単価:43万円


三田さんのお宅は敷地45坪に建てられた木造2階建て。外壁にはガルバリウムを使用し、一見、何かのお店を思わせるようなデザインとなっています。2階の玄関前には「CLOSE」の看板がかけてありました。実際にお店と間違える人もいるそうです。間違えた人が入ってこないようにするための工夫です。

2階のLDKは広さ26畳、天井高4.4メートルの吹抜けの大空間となっています。しかも内部に柱が一切ありません。この大空間を実現したのが壁や天井に45センチ間隔に並んだ通し柱と梁です。この構造材が三田邸を支えています。そして、この通し柱の間を利用して、自由に収納棚や飾り棚を作れるのが利点のひとつでもあります。

壁に設置された棚には三田さんの趣味のものが所狭しと飾られていました。その三田さんが集めたものとはアメリカン・グッズ。アメリカのホームセンターやスーパーで買ってきたものばかり。しかもピンボールもありました。こちらは1968年にアメリカで製造されたものだとか。

ダイニングのテーブルもおもしろいです。このテーブル実はサッカーゲームなんです。アメリカで購入したサッカーゲームに天板を載せてダイニングテーブルとして使用しています。しかも上に乗っていた天板だけでも低机として使えるようになっています。

キッチンのデザインはご主人自らが行われました。建築家にスケッチを見せ、その通りに設計してもらったそうです。コンロの奥の壁の模様もアメリカのダイナー(食堂)を意識したデザインで、どうしても実現させたかったものだとか。そして、さらに驚いたのが、カウンターのタイルや床を自ら施工されたそうです。全ご夫婦の思いがこもったキッチンとなっています。

キッチンの食品庫もご主人が施工されました。自分で施工したのは理由があるそうです。その理由とは…。収納庫の扉横に設けられた小さな穴、ジェリーの部屋を作りたかったからだとか。どうしても作りたかったのですが、恥ずかしくて大工さんに頼めず、自分で作ってしまいました。

1階は寝室の他に洗面や浴室などが配置され、朝の身支度がこの部屋で全て揃うようになっています。大きな木製のベッドもご主人の手作り。普通のベッドと違うのが、横に広がるようになっているところ。これはご主人の寝相が悪く、その対策として自ら取り付けたものだとか。このおかげでゆっくり朝まで眠れるそうです。

浴室にはトイレも設置。タイルはご夫婦で施工されたそうです。そして、大きな浴槽はアメリカ製でご主人が車で家まで運んできたものだとか。この浴槽は大人2人がゆったりと入れるビッグサイズでした。

葛西 潔

1954年   東京生まれ
1980年   東京工業大学大学院修了
1982年   葛西潔建築設計事務所設立
1993年   平成4年度東京都建築士会「住宅建築賞」受賞
1994年   平成5年度東京都建築士会「住宅建築賞」受賞
1997年   平成8年度東京都建築士会「住宅建築賞審査員特別賞」受賞
2000年   AMERICAN WOOD DESIGN AWARD 優秀賞受賞
2002年   東京都建築士事務所協会「東京建築賞」戸建部門最優秀賞
     
(有)葛西潔建築設計事務所

〒180-0002
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-7-16
TEL   0422-22-8516
FAX   0422-22-3689
E-mail   kkasai@d4.dion.ne.jp

住まいは建主が作り上げていくものだと思います。
この住宅は住まいのしつらえを建主自身が形作り、趣味が訪れる人に伝わってきます。明るく楽しく、たくさんの人を呼ぶ家となりました。
私の設計した木箱を基本に、住み手が自分の味付けによって、さらに居心地の良い空間を作り出しています。これからも広がりのある、のびやかな空間を提供していきたいと思います。
 
三田さんはとても趣味を大事にされています。家を建てて、それに合わせて生活をしていくのではなく、趣味があって、それを生かせる建物を作りたいと建築家へ依頼されました。ご夫婦は創造するのが非常に大好きです。驚いたのがキッチンのデザインスケッチです。まさにそのデザインそのままのキッチンが出来上がりました。このデザインを考えることは素晴らしいですね。家造りへの思い入れがあってこそ、出来ることだと思います。また、施主の家造りへの姿勢、思い入れを受け入れる建築家の姿勢も素晴らしいと言えるのではないでしょうか。三田さんのお宅にはチャールズ&レイ・イームズのデザインしたイスが置かれていました。アメリカのミッドセンチュリーをただ単にファッションとしてで無く、さらに一歩踏み込んで研究されている気がします。その研究熱心な姿勢がとても素晴らしい空間を生み出したという感じが致しました。