2004年1月17日放送
東京都練馬区・冨田邸
−ぬくもりのある桐のあったか住宅−
2003年4月完成
敷地面積    228平米(69坪)
建築面積     82平米(25坪)
延床面積    150平米(45坪)
木造2階建て
建築費:3350万円  坪単価:74万円


冨田さんのお宅は敷地69坪に建つ木造2階建て。建築家のご主人が家族のために設計された力作です。外壁には準防火地域で使用可能な不燃処理されたベイ杉を使用。街並みを美しくしたいという思いから外壁に木を使用されたそうです。ただ古くなって汚れてしまう素材はもありますが、木の外壁は時が経てば経つほど古くなって趣きが出てきます。街並みに対しての優しい配慮です。

門扉を入ると迎えてくれるのが中庭に植えられたヒメシャラです。外壁の中に開かれた美しい空間がありました。このスペースは帰ってきた家族、家にきた客人など全ての人を出迎え、ほっとさせてくれます。アプローチはセランガンバツを敷いています。板、一枚一枚の色が違い、表情も豊かで美しいです。

寝室では親子四人ここで横になって休んでいるそうです。ここから庭の緑を眺められます。そして、床には桐を使用。更に床だけでなく、引き戸にも使っています。桐は肌触りが柔らかくて暖かい木材。人に優しい木材を選んだのはご家族への配慮からでしょうね。

2階のLDKはデッキ側を全面開口として、開放感を演出しています。天井は屋根の形、梁がむきだしになった切妻屋根となっています。柱、梁は紀州の50年杉、壁はホタテ貝の貝殻から作った自然素材、チャフオールを採用されています。この壁材には調湿、消臭効果があるとされているそうです。

2階の床材も桐を選ばれました。そして、天井材にも桐を使用しています。まるで家中を桐で包んだような空間です。桐は肌に触れると冬暖かく、夏涼しく感じさせてくれる木材。住まう人に優しい家ですね。

キッチンはカウンター式。収納扉の色はサーモンピンク。奥さんが一目惚れをして選んだ色だとか。木の色にとても合いますね。また、キッチンのすぐ横には家事室もありました。この部屋とキッチンで家事のほとんどをこなす事ができます。あちこち移動しなくて済むそうです。

デッキは風や空を静かに感じられるスペース。中庭の上は吹き抜けになっていてヒメシャラがその姿を見せてくれます。吹き抜けの周りにはベンチを設置。ここでゆっくりと本を読んだり、星を眺めながらお酒を飲む。ゆっくりとくつろげる場所です。また、夜にはライトアップされたヒメシャラが美しく見えます。

お子さんの部屋はお嬢さん2人で仲良く使用されています。お子さんの絵やおもちゃ、本などが置かれ、お子さんがこの部屋で思いのまま、楽しんで使っているのが良く分かります。子供室にはロフトも設けました。ここはお子さんが誰にも邪魔されずに遊びに熱中できる空間となっています。

冨田 秀雄
1959年   兵庫県生まれ
1983年   武蔵工業大学工学部建築科卒業
1983年〜   竹中工務店 
2002年〜   UHEC
     
冨田秀雄建築アトリエ

〒176-0025
東京都練馬区中村南2-29-7
TEL/FAX   03-6766-2899
E-mail   aka-hika@jcom.home.ne.jp

家族や訪れた人達が木で暖かく包まれる家、住宅地でありながら一歩足を踏み入れた瞬間から光や風、木々の緑や木の香りを体験できる静かな「場」としての家を目指し設計しました。
2階の広いデッキスペースは、リビング・ダイニングや子供部屋の庭として、さらに木の壁で囲まれ、空を天井とするもう一つの部屋として考えました。
これからの時代は、より、一つ一つのものを大切にし、そして末永く使っていく事が求められます。この家も年と共に趣が増して、経年変化を楽しみながら家族の歴史を刻んでいってくれることと思います。
 
冨田さんのお宅では大変くつろいでしまいました。まずは外観、通りに面した部分のファサードに木を用いられて、実に街並みに貢献しています。門扉を開けて、一歩入ると中庭のヒメシャラが非常にいい表情を見せてくれています。四季折々、楽しみを与えてくれます。更に建物の中に入るとご主人がこの土地をよく理解して建てた住宅だと感じさせてくれました。都会の建物ですからそれほど土地を広く取れません。ご主人の設計力と構成力によって空間の広がりを獲得されました。手に触れるところには人に優しいを使用しています。その部材は杉、ヒバ、そして、桐。この木材には調湿、防虫効果があると言われます。この桐がお子さんを優しく包んでくれている感じが致します。見事な建物でした。