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2004年1月3日放送 東京都世田谷区・古谷邸 -樹木と光あふれる新2世帯住宅- |
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2001年1月完成 敷地面積 597平米(181坪) 建築面積 234平米(71坪) 延床面積 360平米(109坪) 木造2階建て 建築費:7780万円 坪単価:71万円(空調・衛生費含む) |
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医者の不養生、紺屋の白袴とはよく言ったもので、私は自分が建築の設計をするようになってからも、ずいぶんと長い間、いろいろないわゆる賃貸の空間に暮らしてきました。しかも、それぞれ住み始めた最初の頃は、まあそれなりにそのインテリアの「建築的工夫」を人に見てもらえるように整えたりしたものの、緊張感が弛むにつれ、次第にだらしない暮らし方になってきます。おまけに元は無かった子供ができ、彼らがアッという間に大きくなるにつれて、窮屈になるやら、コントロールが効かなくなるやらで、お世辞にも「シンプル」だの「ミニマル」などとはいえない居住空間ができあがってしまいました。 でも見方を変えると、これもまた何となくリラックスして住み心地も悪くはないと思えるようになります。ただ問題は、少々物が散らかった程度では空間の力を失わないぐらいの、ザックリとして骨太な家が必要なんだなということでした。東京23区内では6割以上の人たちが賃貸空間に住んでいるというのに、およそ貸間のたぐいは家賃の計算ばかりで作られてきちゃったので、なかなかいい空間には巡り会えないわけです。 ずっと後回しになっていた我が家を作ろうと思い立ったのもそんな事情が限界に達してきたからです。両親もあまり年をとり切っちゃわない前に、なんとかしたいと考えました。結果はごらんの通り(あるいは画面には隠れているところ?)で、家の中にはいろいろとゴチャゴチャしている部分もありますが、大振りな空間にまとめたおかげで、いざとなればまたちゃんと片づけられる程度の「復元力」のあるものになりました。 |
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古谷さんのお宅の庭は巨樹が住む雑木林。この建物は、どこか庭とあいまって懐かしさを感じさせてくれます。ところが伺ってみると、実はあちこちに挑戦的な試みがなされていました。まさに、実験住宅。大学教授でもあり、建築家でもある古谷さんは、二つとして同じ建物を建てたことがないそうです。果敢に新しいものに挑戦されているんですね。そして、古谷さんのご家族は皆、創造、表現、芸術に対する理解がとても深いという事を感じました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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