2003年11月29日放送
東京都世田谷区・中山邸
−独身姉妹 センス光る新エコ住宅−
2003年2月完成
敷地面積   67平米(20坪)
建築面積   40平米(12坪)
延床面積  138平米(43坪)
RC造地階+3階建て
建築費:3800万円   坪単価:88万円


中山さんのお宅は都心の住宅地に建つ姉妹2人の家。建築家のお姉さんが設計されました。テーマは「新エコ住宅」。外壁にはアルミを使用。このアルミはリサイクルできるそうです。

和室は広さ4.5畳。床はフローリングにしています。部屋があまり広くないところで畳を使用すると狭く感じてしまうため、フローリングにしたそうです。入り口の引き戸の取手はとんぼ玉を選ばれました。そして、天井には和紙を張っています。

2階のLDKは広さ24畳。隣家がせまっているため、壁には極力開口を設けず、プライバシーを守りやすいトップライトを使用して採光を得ています。

家具のソファーなどはお姉さんがデザインした力作。簡単にできる組立式となっています。一枚のキャスター付きテーブルが簡単にソファーへと変身。ソファーになったり机になったり、考え方によってはまだまだいろいろな使い道がありそうですね。

リビングのソファーは組み合わせによってカウチとオットマンになったり、L字型にできたりと好みや気分によって変更可能。さらに置く場所も変えて模様替えというのもいいですよね。

キッチンにも可動式のものがありました。それはアイランドの手前に置かれた机です。この机を横に移動すればアイランドと机がカウンターにもなります。窓を開ければ、デッキとキッチンを回遊できるようになります。

3階の階段室は壁・天井が窓になっています。日光がいつでも入り込む空間です。妹さんはジュエリーデザイナー。よくこの部屋で仕事をされるとか。あまりに明るくて視力が少し良くなったそうです。夜には星空を見ながらお酒を楽しむのもいいでしょうね。

地下室は24畳。ここはお姉さんの事務所として使用しています。天井材には小さな穴が空いていました。この天井は廃物を使用しています。本来あった丸い穴の部分は切り取られてマジックペンの胴体になるそうです。捨てられてしまうものを再利用されているんですね。


中山 薫(なかや まかおる)

1967年   兵庫県生まれ
1991年   マンチェスター大学建築学科卒業
1994年   ロンドン大学バートレット校DIPLOMA修了
2001年   長谷川逸子建築計画工房、永田音響設計等を経てFISH+ARCHITECTS設立


盛 勝宣(もり かつのぶ)

1966年   北海道生まれ
1990〜2002年   日本設計勤務
2001年   FISH+ARCHITECTS設立

FISH+ARCHITECTS 一級建築士事務所

〒155-0031
東京都世田谷区北沢5-43-5
TEL   03-5465-1802
FAX   03-5465-1803
E-mail   DQM05654@nifty.ne.jp


この住宅の建つ敷地は「うなぎの寝床」で、三方を建物で囲まれています。
土地の広さは20坪、この条件の中で明るく、風通しの良い健康的な空間を作り上げることと各階で外部を感じられる空間創りがテーマでした。
また、もう一つのテーマとしてエコ(環境に配慮した)住宅を意識し、RC造の外断熱工法を採用。室内環境の安定を図り、冷暖房の効率化、少エネルギー、結露防止、CO2の排出の減少に努めました。外壁はリサイクルのできるアルミ材(スパンドレル)で覆っています。

1階にはあまり光に左右されない水場廻り、季節ごとに着せ替えのできる和室(客間)を持ってきました。そして、2階にはリビング・ダイニング・キッチンがあり、プライバシーと採光を確保するために北側に設置したトップライトから安定した柔らかい光が差し込み、日中は常に明るいスペースとなります。3階は光のホールの両側に各ベッドルームがあり、天窓から夜空が見えます。間仕切りを少なくし、空間にメリハリを持たせることで建坪12坪というスペースを視覚的、物理的に有効利用できるようにしています。
狭小の住宅は、ちょっとした工夫と空間の効率化を図ることでいくらでも豊かな住空間を創ることができると思います。
 
中山さんのお宅は新しいエコ住宅です。そのための創意工夫あげたら限がありません。しかも、快適に暮らせるような工夫もされています。私は2階のLDKが気に入りました。安心感があり、素晴らしい感性が加わっています。空間に狭いところと広いところを設け、段差もつけることで豊かなスペースとなりました。印象的だったのは妹さんが「とても快適だ」と話していたことです。お姉さんは建築家です。自邸が実験住宅になってしまうのはやむえないかもしれません。実験住宅のできいかんは妹さんの顔を見ればわかる。そんな感じが致しました。