2003年10月11日放送
埼玉県さいたま市・武井邸
−彩光主義 オランダ風ガラス天井−
2003年4月完成
敷地面積   277平米(84坪)
建築面積   143平米(43坪)
延床面積   198平米(60坪)
鉄骨造2階建て
建築費:5000万円  坪単価:83万円


武井さんのお宅は旗竿の形をした敷地に建つ建物。前面道路から続く敷地の細い部分は家までのアプローチに仕上げました。そのアプローチは杉板でできたスノコ状の天井と壁で囲まれています。このアプローチは晴天時に光と影の芸術を見せてくれます。
玄関入ってすぐに迎えてくれるのが、広さ38畳、天井高8.2メートルの大空間。この大空間はスペースによってフロアレベルに高低差をつけて、開放感を生かしながらスペースの差別化を計っています。武井さんは仕事の関係でオランダで住まわれた経験をお持ちです。オランダでは招いたり招かりたりと、よくパーティーを開いていたとか。今ではこの大空間を利用してよくパティーを開かれるそうです。

LDKの天井は大きなトップライトになっていました。しかもトップライトに使われてるにはガラスブロックです。ひとつひとつのガラスブロックが光を取り込み、美しい光のラインを生み出しています。光の取り込み方ひとつで空間の美しさは変るものですね。大きなトップライトがあると夏の暑さが気になるもの。暑い日には遮光用のテントで日差しを遮られるのがいいですよね。

ダイニングキッチンのLDKの中でフレアレベルの低いところに位置します。キッチンはオープン型。奥さんは動きやすい広々としたスペースを希望。奥さんのキッチンへの思い入れは強く、キッチンの色やパーツひとつひとつを納得するまで吟味したとか。。
リビングは広さ12畳。床は大理石を使用し、床暖房も完備しています。ソファーなどは以前住まわれていたオランダで購入し、使用していたもの。異国での思い出を家具と一緒大切にされています。リビングにいてもキッチンにいる奥さんと会話ができるように奥さんの姿が見やすいようになっています。

LDKの一番高い位置にあるのがロフトのようなこのスペース。壁はオランダのナショナルカラーのオレンジ色にしてあります。このスペースは時にご主人の書斎、時にお子さんの遊び場と使い方も様々。ここからの見下ろしはLDKを一望できる一番視界が広がる場所です。

寝室は広さ14畳。LDKの開放的な空間とは違った落ち着いた空間となっています。現在はお子さんが幼いため、親子3人川の字になって寝ているそうです。そして、北側には収納スペースを設け、衣服がゆったりと収められます。

浴室にはこだわったそうです。大理石の壁と床に大きな浴槽を設置。とても贅沢な空間です。浴槽はしかもジャグジー付。広々としてながらどこか落ち着くこのスペースで豊かなバスタイムを楽しむ。実にうらやましいですね。


手島浩之   

有限会社 都市建築設計集団/UAPP 代表

1967年 岡山県生まれ
1990年   東北大学工学部建築学科卒業
1990年-1992年   山本理顕設計工場
1995年-1996年   横山芳夫建築設計監理
1996年   有限会社 都市建築設計集団/UAPPを仙台に設立
1998年   SDレビュー1998
2002年    東京事務所開設
     
 
都市建築設計集団/UAPP

〒980-0813
宮城県仙台市青葉区米ヶ袋二丁目3-40E
TEL   仙   台:TEL 022−222-6744
東京出張所:TEL 042−467-0464
E-mail   uapp@mve.biglobe.jp




上尾興業株式会社

埼玉県上尾市上町1-9-12
TEL:048-771-2855

この敷地はいわゆる「旗竿敷地」であり、敷地周囲をほぼギリギリまでに隣家に囲まれています。
特に、採光上最も重要な南側は、二階建て木造賃貸アパートの共用廊下に晒されており、快適な採光の確保が難しく、なおかつ当初からの設計条件として、万全な防犯体制が求められました。先ずは中庭からの採光を考えましたが、検討の結果、それだけではクライアントの要求には不十分であるとの結論に至りました。
そこで我々が提案したのが、大規模なトップライトからの採光です。トップライトには、メンテナンス性(屋根上部の歩行可)から「ガラスブロック」を採用し、夏の暑気対策としてガラスブロック上部に電動式のテントを設置しました。テントの素地としては透光率6%のものを選択しました。
これにより採光状況は良好です。また、心配された暑気対策も、可動式テントをトップライトの上部に設置したことが功を奏し、暑いときでも、テントを閉めればその数分後には一気に室温が下がることが確認されています。
未来のクライアントの皆さん。建築は、条件が厳しければ厳しいほど楽しいものです。「従来の建築の常識が通用しない敷地であること」は、「世界中のどこにもない自分だけの建築の可能性が埋もれている」ということです。
 
武井さんご夫婦は新婚時代にオランダで1年半ほど生活をされました。この内部にはオランダのナショナルカラーであるオレンジ色が所々に使用されています。オランダの生活で色々影響を受け、スローライフを取り入れたライフスタイルを実現できるモダンな家を作りたいと思われたそうです。そして、ご主人の友人である建築家と試行錯誤を重ね、この建物は完成しました。特徴的なのはトップライト。トップライトは普通、非常に狭い範囲で家の北側にあります。この建物では大型のトップライトを南に、しかもガラスブロックを使用しています。これは非常に素晴らしい効果を表しているという感じがいたします。武井さんのお宅の周囲は住宅が密集しているため、暗くなってしまいがちですが、明るくて開放的な空間を手にされました。アプローチもおもしろいです。いずれあそこにツルの植物をはわせて、緑のトンネルをつくるというのもいいですよね。