2003年9月6日放送
千葉県千葉市・金子邸
−感激!夢の銘品イスのある風景−
2000年7月完成
敷地面積    195平米(59坪)
建築面積     74平米(22坪)
延床面積    110平米(33坪)
木造2階建て
建築費:2300万円(床暖房費含む) 坪単価:70万円


金子さんのお宅は間口5.5メートル、奥行き35メートルのうなぎの寝床形の敷地に建てられた建物。外壁には波型のガルバリウムを使用。2階に突き出たデッキは玄関の上にあたります。デッキが丁度良いひさし代わりになっています。

玄関は奥に中庭を隣接させ、光を取り込みながら開放感を得ています。玄関に入ってまず目に付くのが壁に設置されたギャラリースペース。そして、飾られている模型はデザイナーによって生み出された名作椅子たち。実は飾られている模型のほとんどはご主人の力作です。拝見させて頂きましたが見事な出来栄えです。

作業室もありました。実はご主人、高校のインテリア学科の先生をしています。だから名作椅子も工作も大好き。もの作りが大好きなご主人が時にはひとりで時にはお子さんと物作りを楽しまれる場所です。部屋に置かれた机は天板を持ち上げると作業台にもなります。

廊下の壁には収納を設けました。その下には間接照明を使用しています。間接照明をいれて、お洒落な空間なっている廊下の天井にはバーがいくつもついていました。実はこれはお子さんの遊び道具、「うんてい」となっています。これは奥さんのアイデアです。

1階のLDKは広さ18畳の広々とした空間。ダイニングにはムクの木を使用したテーブルを置きました。本物の木に触れて育つ。お子さんの教育にも良さそうですね。また、ここにも名作椅子が置かれていました。天井からつるされた鳥かごのような椅子はナンナディツェル作のダッキングチェアーです。

キッチンはアイランド型。キッチンを作るときに奥さんから建築家への注文はシンクを2つ付けるということとアイランドの角を丸くすることでした。シンクが2つあれば何かと使い勝手がいいものですよね。料理中にお子さんが簡単に手を洗えます。角を丸くしたのはお子さんがぶつかっても怪我をしないようという気遣いからです。

金子さんのお宅のLDKにはなんと滑り台がありました。これもお子さんがこの家でのびのびと育つための工夫です。お子さんの友達が遊びに来ると走り回って大変賑やかになるそうです。

まだまだお子さんの遊び場はありました。2階への階段脇には登り棒が設けられています。うんていや滑り台、登り棒、キッチンの角の丸みと全て奥さんからの提案。どの提案もお子さんがのびのび育って欲しいという願いから生まれたアイデアだったんですね。


大島 健二

1965年神戸生まれ
神戸大学工学部大学院を修了後、日建設計に勤務。
29才で独立し、現在OCM一級建築士事務所主宰。

OCM一級建築士事務所

東京都渋谷区恵比寿1-7-2-33
TEL   03-3441-3499
E-mail   oshima@ocm2000.com

間口5.5m、奥行き35mのうなぎの寝床のような敷地にどうやって豊かな生活空間を生み出すことができるかが設計のポイントでした。結果として、3つの性格の違う庭を確保する事ができ、文字どおり「奥行きのある」変化に富んだ住まいを実現することができました。
内部は全て針葉樹合板で素朴なつくりですが、金子さんのセンスの良さによって、日に日にあたたかな空間へと成長している様は、まさに家が生きているようで、設計者としてとてもうれしいことです。
 
金子さんのお宅は縦に細長い短冊形の建物。そして、京都の町家風に中庭を設けています。これがとても成功しています。そして、家族それぞぞれが趣味に没頭でき、とくにお子さんがのびのび生活できるようになっています。お子さんはこの建物から色々なものを吸収して成長するという感じが致します。普通の家では考えられないのが滑り台です。お子さんにちょっとヒントを与えて、そこからお子さんが自由な発想で膨らませていくのではないでしょうか。私が一番気に入ったの作業室。ご主人はお仕事柄、家具が大好きで自身で作ったりもします。作業室はお子さんと時には奥さんも参加するということです。微笑ましい建物です。