2003年7月19日放送
サマースペシャル(1)
静岡県下田市・マーシャル邸
-海を一望する下田の家-
2001年7月完成
敷地面積    813平米(246坪)
建築面積     157平米(48坪)
延床面積     255平米(77坪)
鉄骨造2階建て
建築費:6000万円    坪単価:78万円


マ-シャルさんのお宅は海岸に程近い傾斜地に建つ建物。マーシャルさんのお宅からは海が一望できます。砂浜がすぐそこにあるため海水浴も楽しめる環境です。

ダイニングからは海が眺められ、絶景を楽しみながら食事を摂れます。ダイニングテーブルはご主人の手作り。大きなテーブルがなかなか見つからず、自分で作ったそうです。

キッチンは業務用のものを選ばれました。驚くのがその値段。リサイクル品を35万円程度で購入されたとか。当初、500万円かかると言われていたキッチンがとてもリーズナブルに完成しました。

雨戸はグレーチングを使用しています。グレーチングは本来、工場や非常階段に使用されます。アイデアひとつで面白い使い方もあるんですね。日は通さず、風を通してくれます。グレーチング越しの景色もいいですよね。

浴室は大きな浴槽を設置。5人ぐらいで入れそうな大きさです。そして、ここからも海が眺められます。なんとも贅沢な浴室ですね。

2階のリビングは広さ40畳。ここからは山の稜線、海の水平線が存分に楽しめる空間となっています。1階のダイニングやお風呂だけでも十分な景色でしたが、もっと素晴らしい景色を眺められるスペースがあったんですね。

リビングセットが2つありました。1つは海に向いて置かれた夏のリビングセット。そして、もう1つが薪ストーブを囲むように置かれた冬のリビングセット。季節によっては海や火を見ながら語り合える空間を作り上げています。

さらにロフトがありました。ここからは山の緑が眺められます。また、リビングを見下ろせるのもいいですよね。


アストリッド クライン

1962年 イタリア、バレーゼに生まれる。
【学歴】  
1983年   エコール・ド・ボザール*卒業(フランス、ミュルーズ)
1986年   エコール・ド・アール・デコラティーフ*卒業(フランス、ストラスブール)イ
ンテリアデザインにおいて芸術学士号取得。
1997年   ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修了(イギリス、ロンドン)。
建築において芸術学修士号取得。
【職歴】  
1985年   フランコ・ヘニー・スタジオ(イタリア、バレーゼ)
1987年   ビッチュ&パートナーズ・スタジオ(ドイツ、デュッセルドルフ)
1988年   YRMパートナーシップ(イギリス、ロンドン)
1988年   伊東豊雄建築設計事務所(東京)
1990年   (有)クライン・ダイサム・アーキテクツ設立
1998年   日本大学理工学部建築学科講師
2002年   慶應義塾大学非常勤講師、筑波大学非常勤講師
   

マーク・ダイサム

1964年 イギリス、ノーサンプトンシャーに生まれる。
【学歴】  
1985年   ニューキャッスル大学卒業。建築において芸術学士号取得。アメリカへの旅行
奨学金取得。
1988年   ロイヤル・カレッジ・オブ・アート*首席修了(イギリス、ロンドン)。建築に
おいて芸術学修士号取得。
【職歴】  
1985年   ミルトン・ケインズ開発会社(イギリス、ミルトン・ケインズ)
1986年   SOM(アメリカ、シカゴ)
1988年   SOM(イギリス、ロンドン)
1988年   伊東豊雄建築設計事務所(東京)
1990年   (有)クライン・ダイサム・アーキテクツ設立
1999年   東京理科大学理工学部建築学科講師、法政大学工学部建築学科講師
2000年   M.B.E.名誉大英勲章叙勲
【賞歴】  
1993年   SDレヴュー 最優秀賞(鹿島賞)/ビデオ銭湯
1997年   インター・イントラスペースデザインセレクション'96 デザイン賞/イデー
ワークステーション
ナショップライティングコンテスト'96 奨励賞/イデーワークステーション
1999年   日本図書館協会建築賞 受賞/ブリティッシュカウンシル インフォメーション
センター
2001年   ar+d コンペティション 最優秀賞/pika-pika pretzel
2002年   グッドデザイン賞/ビーコンコミュニケーションズオフィス
   

クライン ダイサム アーキテクツ

〒106-0045
東京都港区六本木麻布十番1-3-3 DELUXE 1F
TEL   03-3505 5330
FAX   03-3505 5347
E-mail   hisa@klein-dytham.com

この家は3年連続日本一のビーチに推薦された入田浜を望む斜面の中腹に位置してい
ます。視界270°に広がる大平洋の大パノラマを家のどこにいても眺められること
ができるようにするため、急な砂地の斜面に建物の約40%を海側に突き出し、山側
以外の壁面はすべて開口としました。ルーフバルコニーを含めた室内外のスペースは
自由に行き来できるようなプランになっています。
海側のバルコニーに取り付けたFRP製のスクリーンは、雨戸、日よけ、目隠しとし
ての機能だけでなく自由にスライドさせることで目の前の風景をその時々の気分で自
在にフレーミングすることができ、オープンすぎるという不安を和らげ室内に落ち着
いた雰囲気をもたらしてくれます。
 
マーシャルさんのお宅はリゾートハウスです。リゾートハウスにはこうあるべきという既成概念があります。しかし、見事にそれを破ってこの建物は建っています。ガラスを多く使用されています。時には周囲から温室のようだとか、暑くて夏は過ごせないとか色々なことを言われたそうです。しかし、ご主人はこだわりにこだわってそれでもいいと頑固にやられた結果この建物は完成しました。そして、自然と握手し、仲良くしながら生活できる大成功の建物となりました。