2003年6月14日放送
長野県松本市・太田邸
−断熱の家 田園大家族農家の挑戦−
2000年4月完成
敷地面積  822平米(249坪)
建築面積   149平米(45坪)
延床面積   238平米(72坪)
木造2階建て
建築費:5000万円    坪単価:69万円


太田さんのお宅は豊かな田園に囲まれた木造2階建て。太田さん一家は88歳の大祖母から11歳のお嬢さんまで、4世代8人の大家族です。外壁にはレッドシダーを使用。表面を黒く焦がすことで、防虫、延焼効果をもたせています。敷地には様々な植栽や樹種が植えられています。

和室は広さ12畳。こちらは客間として使用しています。和室からは庭の緑が見えるのがいいですよね。

太田さんお宅では1階と2階をつなぐものを階段でなく、スロープにしています。段 差が無いため、移動がしやすく、高齢者の方にも嬉しい設計となっています。ちなみに1階は個室がならぶプライベートスペース、2階が居間や食堂を設けたパブリック スペースとなっています。

2階のLDKは広さ32畳の大空間。家族8人が集まるところだけに広々とした空間を確保されています。リビングやダイニングからは周囲の田園風景を眺められます。

ダイニングには家族みんなが一斉に集まって使用できる机を置きました。ダイニング テーブルの上には真っ赤なトマトが置かれていました。このトマトはモモタロウという太田さんが栽培しているのと同じ品種のトマトです。太田さんのお宅では農業を営 まれています。黒い造り付けの家具には収納を設置。

太田さんがお住まいの松本市は周りを山に囲まれた盆地になっているため、夏暑く、 冬寒い寒暖の差が激しい地域となっています。とにかく冬を温かく過ごしたいという のが家族みんなの希望でした。そこで建築家は開口部の高気密、高断熱に効果のある 樹脂サッシとペアガラスを使用しました。このおかげで冬暖かく暮らせるとか。暖房機器は機械の中でレンガを温める蓄熱式。

キッチンは黒い家具の裏側に設置されています。家具の中央を切り取り、キッチンに立っていても家族の様子が見えるようにしています。

リビングには家族大勢が腰掛けられるよう、大きなソファーを造り付けました。こちらでは家族がごろ寝をするスペースになっているとか。また6畳分の畳スペースも設けました。冬にはコタツを置き、みんなで暖を取るそうです。


岩岡 竜夫(いわおか たつお)

1960年 長崎市生まれ
1983年   武蔵野美術大学大学卒業
1990年   東京工業大学大学院修了(工学博士)
1992年   東海大学工学部建築学科講師
現在   東海大学第二工学部建築デザイン学科教授
   
東海大学岩岡竜夫研究室

TEL   03-3467-2211
E-mail   iwaoka@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp

何度か設計の打ち合わせをしながら、太田さん一家は大家族だけどほんとに仲 のいい家族だなあと感じたので、間仕切りのない広々とした室内スペースをつ くることをまず考えました。でも信州の冬は「しみる」ほど寒いので、家の中 全体の室内温度をどうやってムラ無く暖かく保てるかが問題でしたが、地元の 知り合いの設計士の協力を得ながら、性能のいい住宅を実現することができま した。
 
太田さんはお日様の恵みを頂いてトマト作っていらっしゃいます。その太陽の恵みはトマトだけではなく、この家にも降り注いでいます。太陽熱を利用して電気を作り、夜間にその電気で暖房器具の中になるレンガを温めます。そして、夜中に温まったレンガは日中にゆっくりと室内の空気を家の隅々まで温めてくれます。建物の外壁には杉板を少し表面を焼いています。とても懐かしい感じが致します。とても歴史を思わせる農村のたたずまいといいますか、新しい郊外の農村の住宅の提案の感じが致しました。