2003年3月15日放送
神奈川県茅ヶ崎市・窪田邸
-小道具と海が似合う南欧風の家-

2001年11月 完成
敷地面積 90平米(27坪)
建築面積  45平米(14坪)
延床面積 87平米(26坪)
木造2階建て
建築費: 2200万円          坪単価: 85万円


窪田さんのお宅は敷地27坪に建つ木造2階建て。外壁は塗料を混ぜたモルタルを使用。ペンキと違い塗装がはがれることなく、経年変化も楽しめます。様々な鉄製の小物やアンティークの雑貨は奥さんのコレクション。ジョウロはオランダで1920年頃に作られたものだとか。


玄関は中2階に位置します。2階と1階へは階段を上り下りして移動。段差の上り下りも足腰の鍛錬と考えられていらっしゃいました。


2階はリビング、ダイニング、キッチンのパブリックスペースとなっています。こちらにも様々な雑貨やアンティーク家具が置かれています。

リビングには薪ストーブを設置。これ一台で冬も暖かく生活できるそうです。部屋の隅に置かれたカップボード(食器棚)は1860年頃にイギリス製造されたアンティーク家具。

キッチンに置かれている小物は奥さんのこだわりのものばかり。一番目を引くのが大きなブッチャーテーブル。こちらは1900年頃にイギリスで製造されたものだとか。あちこちについた傷や凹凸は100年もの間使われてきたことを納得させてくれます。はかりも1930年頃にイギリスで製造されたものです。

1階の浴室は白色を基調とした空間。浴槽はジェットバス付きになっています。奥の小窓から外を眺めながらお風呂に浸かるのもいいですよね。

寝室は広さ8畳。ペットの夢宙(ムー)が出迎えてくれました。実に上品な雰囲気の漂うネコでしたね。寝室は勝手口、浴室へと直接つながるようになっています。

2階にはリビングの横にデッキを設けてました。こちらに置いてあるテーブルや椅子はご主人の手作り。家を建てたときに出る端材は捨てずに再利用したそうです。


井手 しのぶ

1961年東京生まれる
1990年(株)パパスホーム設立

シンプルで質の良い箱造りをポリシーに
湘南地方を中心にトータルな住空間を提案している。

PAPAS HOME (パパスホーム)

TEL 0466-50-2006
FAX 0466-50-2118
E-mail papashome@jcom.home.ne.jp


制約のある土地。でもお施主様にとっては住み慣れた
とても居心地の良い場所。
その土地の良さを十二分に活かせる設計を目指しました。
基本的にお施主様と二人三脚です。
窪田さんご夫婦はとても仲良しの猫好きのご夫婦。
年齢をかさねる度に人間は「守り」に入りがちですが
お二人は逆に「段差があったほうが刺激があるし緊張感がでる」
とおっしゃって、逆バリアフリー住宅に…。
お友達がたくさんいらっしゃってホームパーティをなさる事も
多いお宅なのでキッチンを中心にリビングダイニングに重きを置きました。
プライベートなスペースは一階なので比較的暗くなりがちですが
そこを逆手に取って落ち着きのある雰囲気に…。
外壁は「ヨーロッパの田舎町の家のような…。」
雰囲気を演出するように、フランスモルタルをコテ仕上げ。
オリジナルアイアンワークをポイントに使用しました。

窪田さんのお宅は優しい陽射しを浴びながらとても気持ち良く過ごせる建物です。この気持ち良さを提供してくれるのは木と珪藻土、そして、置いてあるものです。こちらは趣味で集められたものばかり。この家は終の棲家であり、窪田さん夫妻の趣味を生かす舞台でもあるわけです。終の棲家になると大体バリアフリーと考えがちですが、窪田さんのお宅には多くの段差があります。この段差を体を鍛えるためのものと解釈していらっしゃいます。テーマは「老後に向かって、積極的に人生を送る」ということでしょうか。台所にあったブッチャーテーブルはその証のような感じが致しました。