2026年4月18日(土)放送

- 超開放的スキップフロア 秘密は吊り構造 - 東京都調布市・徳山邸

竣工
2025年6月
敷地面積
81.3㎡(24.6坪)
建築面積
40.6㎡(12.3坪)
延床面積
80.9㎡(24.5坪)
構造
木造在来工法
建築費
3,400万円(税込)
坪単価
128万円

南東面 外観

サイディング張りのイエ型と波板張りのハコ型、2つの建物がくっ付いたような外観。1階の3本引きの引き戸は、クルマの出し入れも可能なサイズです。

1階 ガレージから食堂・台所を見る

内部は6層のスキップフロア。その1層目は“ガレージ”と名付けた多目的なコンクリート土間で、実際に駐車することも可能です。

1階 食堂・台所

最上部のトラス梁から床を吊る構造として、内部に柱の無い開放的な空間を実現。“イエ型”部の内装は構造現し。2層目は食堂・台所です。

2階 居間

“ハコ型”部の内装は内壁を張っています。3層目は居間。公園に面した北面から道路に面した東面までの水平連続窓で視線が外部へ抜けます。

2階 書斎

縦横に走るエアコンのダクトも現し。4層目は書斎。上に6層目となるロフトが見えています。

トラス梁

最上部に配置されたトラス梁。水平の材と斜めの材を鋼材で連結することでできています。ここから下に伸びた直径16mmの鋼材が各フロアを吊っています。

吹き抜け

吹き抜けを見下ろすと細い鋼材によって床や収納等が吊られている構造がよくわかります。

設計者プロフィール

徳山史典

1987年 山梨県生まれ
2010年 横浜国立大学工学部建築学コース 卒業
2012年 東京芸術大学大学院美術研究科建築専攻 修了
2012-18年 吉村靖孝建築設計事務所 勤務
2018年 UNQUOTE 設立
2019-23年 東京藝術大学 教育研究助手
2023年- 東京工芸大学 非常勤講師
事務所名
UNQUOTE|アンクオート
所在地
東京都目黒区青葉台3-12-1 1F
電話
-
FAX
-
Eメール
info@unquote.jp
URL
https://www.unquote.jp/
SNS
-

設計者のひとこと

東京都調布市に建つ設計者の自邸。敷地は北側接道の約80㎡の長方形の土地で、第1種低層住居専用地域ということもあり、数値上の面積はそこまで大きく取れないため、断面的な操作や開口部による視線の抜け、公園を使った角地緩和による建ぺい率のボーナスなどを駆使しながら、家族4人が窮屈になることなく暮らせる住宅を目指した。
この住宅は、水回りと倉庫を除くすべての空間が壁や扉を隔てず一体となっている。最上部の2本のトラス梁から直径16mmの鋼材でレベルの異なる床を吊っており、下層に柱を落とさずに高さの違いのみで空間を緩やかに仕切り、限られた敷地面積、容積の中で空間の広がりを最大限感じられる構成とした。北西側は小さな児童公園と隣接しており、公園の植栽を大きく開けた開口部や鈍く反射するシルバー塗装の天井、ルーフバルコニーから取り込み、いろいろな場所から公園側への抜けを感じられる。
公園側からの斜線制限に対応するように、外観上は家型と箱型のヴォリュームがくっついたかたちで、それぞれ外装や内装、断熱方式といったルールが切り替わる。ふたつのヴォリュームを行き来しながら上層に上がっていくことで、特性の異なるいくつかの領域が現れるようにして、個室をもたない家族4人がそれぞれ自分の場所を見つけて暮らしていく。
後から手を加えやすいよう家型のヴォリュームには内壁を張らず、構造や下地が現しになる。これらの壁や天井をさまざまな機能を付加するための土台としてとらえて、エアコンのダクトや、電気配線を仕込むためのケーブルラック、棚板やデスク天板を付けるための棚柱レール、落下防止のロープや洗面台の鏡など、欲しいところにアドホックに配置している。どこまでが計画のうちで、どこからが付け足しなのかが分からないように全体を構成することで、今後の生活の変化や、もしくは思いつきであっても、気軽にトライアンドエラーができる住宅とした。