2025年12月13日(土)放送

- 水音が聞こえる中庭テラス一体の家 - 東京都世田谷区・髙橋邸

竣工
2024年3月
敷地面積
178.5㎡(54.0坪)
建築面積
102.3㎡(31.0坪)
延床面積
189.6㎡(57.3坪)
構造
木造在来工法
建築費
-
坪単価
-

北東面 外観

落ち着いた住宅地にある敷地。プライバシーを守る壁には“ソリド”というセメント系の壁材を張っています。時間と共にカルシウム成分が白く浮き出る経年変化が楽しみな材です。

1階 LDK

内部に柱の無い35畳大のLDKと、その先にある中庭テラスまでが一体の広大な空間。一部は吹き抜けになっています。テラスの一角に水盤があり、水音が癒しを与えてくれます。

1階 障子戸

LDKとテラスの間の大窓は戸を引き込んで全開できます。内側には網戸を兼ねた障子戸を付けています。障子紙は和紙素材で透け具合が絶妙。

1階 食堂・台所

来客が多いので食卓は大勢が席に着きやすい中央のみに脚があるタイプを選びました。台所は幅3mの広い作業台にシンク、壁側にコンロを置いた二型レイアウト。

2階 廊下

プライベートスペースをまとめた2階。落ち着いた色合いの1階に対し、2階は白色主体の明るい空間。廊下の先には広いベンチコーナーを設けています。

1階 玄関ホール

広くとった玄関ホール。床は屋外のポーチから続くタイル張り。角に平行四辺形の床板を置いてディスプレースペースにしています。階段は手摺に照明が仕込まれています。

設計者プロフィール

廣部剛司

1968年 神奈川県生まれ
1991年 日本大学理工学部海洋建築工学科 卒業
1991-98年 芦原建築設計研究所
1999年 廣部剛司建築設計室 設立
2009年 廣部剛司建築研究所に改組
事務所名
廣部剛司建築研究所
所在地
神奈川県川崎市高津区諏訪1-13-2 広佐ビル3階
電話
044-833-9798
FAX
-
Eメール
info@hirobe.net
URL
http://www.hirobe.net

設計者のひとこと

都市にある住宅にとっての「光」。
まずはその敷地の状況のなかで、うまく太陽光を取り入れることの検討からスタートしていくことが多いのですが、この住宅では「その先のグラデーション」をどうつくっていくのか、というポイントに対して、設計中、かなりの時間を割いています。
同じ太陽光を導くのでも、家のなかの場所によって、また時間帯によって心地よいと感じる光の状態は変わってきます。光を入れる部分の透明度(透明、くもり、障子、ブラインドなど)も含めての調整を丁寧に積み上げていった先に、本当の意味で「安心して地球に開く(繋がる)」ことができるのではないかと常々思っています。この住宅の大きく開いた中庭空間とは一見対比的な、その他の部分が、開放的な中庭空間を、より大切な存在にしてくれていると思います。
「自然に対してダイレクトに繋がることと、何かを介して感じること」
ここで、きめ細かくコントロールしていたことを一言で表すとすれば、この言葉の狭間で常に揺り動いていたように感じています。