2025年11月22日(土)放送

- 奥行き14m 細長いのが楽しい家 - 東京都・勝田邸

竣工
2022年11月
敷地面積
60.1㎡(18.2坪)
建築面積
35.9㎡(10.9坪)
延床面積
68.2㎡(20.6坪)
構造
木造在来工法
建築費
-
坪単価
-

南面 外観

東西2.7m×南北14mの細長い建物。正面の出窓がアクセントです。屋根は東西で角度が異なる切妻で、中央に切り欠きがあり屋上バルコニーがあります。

1階 玄関から長手方向を見る

1階は、向かって左=西半分の見通せる空間と東半分の分節された空間で構成。奥行きを強調するように西面の壁沿いに一直線に伸びる棚兼デスクを造作しています。

2階 居間から長手方向を見る

2階も1階同様、西半分の見通せる空間と東半分の分節された空間で構成され、西面の壁に棚兼デスクを造作。南端のLDKには、正面の出窓に加え、高窓からも採光します。

2階 LDK

食堂は、南側の座席を段差を利用したベンチに。ベンチにもなる正面の出窓は、取り付けた十字形の落下防止柵がアルミサッシの硬質な印象を薄めています。

1階から階段を見上げる

ロフト階の窓から入った光を蹴上の無い階段を通して下階へ落とします。

屋上バルコニー

建物の中央に設けた屋上バルコニーは南北に窓を設けています。南側にあるLDKはもちろん、暗くなりがちな北側の空間にも光をもたらしています。

設計者プロフィール

阿蘓俊博

1976年 東京都生まれ
2000年 日本大学理工学部建築学科(本杉省三研究室)卒業
2002年 日本大学大学院理工学研究科建築学専攻(本杉省三研究室)修了
2003-09年 ツナミデザイン一級建築士事務所
2010年 アソトシヒロデザインオフィス 設立
2015-19年 専門学校東京テクニカルカレッジ建築科 非常勤講師
2017年- 門仲オフィス開設(サテライトオフィス)
2024年- 日本大学理工学部建築学科 非常勤講師
事務所名
アソトシヒロデザインオフィス
所在地
東京都練馬区早宮1-18-17-311
電話
03-5934-0127
FAX
-
Eメール
aso@asotoshihiro.com
URL
https://asotoshihiro.com/

設計者プロフィール

平井直樹

日本大学理工学部建築学科 卒業
O.F.D.A.associatesを経て
平井直樹建築設計事務所 設立
事務所名
平井直樹建築設計事務所
所在地
東京都文京区水道2-13-12 文京六一ビル301
電話
03-5981-8924
FAX
-
Eメール
info@hrinok.com
URL
https://www.hrinok.com

設計者のひとこと

この建築は、東京練馬区に建つ4人家族の住宅である。敷地は間口3.5m、奥行17mの60m2である。とても小さく細長い形状で、3.5mの接道面と上空を除けば周囲は隣家に囲まれている。この特徴ある敷地に家族はこれからの暮らしを求めた。私たちは、小さく細長いということを利点と捉え、この敷地だからこそ実現することができる豊かな住宅の在り方を模索した。
住宅の外形は、限られた敷地面積を最大限活用するため、間口2.7m、奥行き13.5mとし、高さを含め集団規定の限界に構えた。
内部は、間口方向の分節と奥行き方向の統合を繰り返す構成とした。
間口方向へは、地となる白色の仕上げとは異なる木現しの仕上げを設え、13.5mもの長い空間を暮らしの機能別に緩やかに分節する。分節がその場の行いを安定させ、距離を適度に保つ。
奥行き方向へは、白色の仕上げと様々な用途のカウンターを長く連ね、分節した暮らしの機能を滑らかに統合する。統合が暮らしに広がりを与え、家族の気配や視線、光を各所へ伝える。
この分節と統合の繰り返し、さらに前面の道路と空の抜けを援用し、内部に連関させることにより、小さく細長いからこそ現れる、豊かな景色が広がる住宅となった。