2025年10月25日(土)放送

- 鎌倉の景色を取り込んだ家 - 神奈川県鎌倉市・上岡邸

竣工
2020年9月
敷地面積
230.7㎡(69.8坪)
建築面積
76.9㎡(23.3坪)
延床面積
119.7㎡(36.2坪)
構造
木造在来工法
建築費
3,740万円(税込)
坪単価
103万円

北面 外観

鎌倉らしい谷戸にたつ建物。複数の箱を角度をずらしながらくっ付けたような形状で、前面道路からは窓が無いように見えます。

1階 ホール

玄関を入ると、内部は大きな吹き抜けのワンルーム。外観に連動するように3つの箱が置かれ、それぞれの箱の内部と上部に各空間が割り当てられています。

2階 食堂・居間

2階は3つの箱にによる3つの床レベルがあり、一番高い箱の上が居間、中間が食堂、一番低いのが台所となっています。台所のレベルにはバルコニーもあります。

2階 居間から食堂を見る

周囲に隣家があるにもかかわらず、その存在を感じさせない窓の配置。また床の段差を利用して大容量の収納を設けています。

2階 台所

正面には吹き抜け、横にはバルコニーがあり、開放感抜群の台所。収納には扉を付けていませんが、低い位置にまとめているので台所の外からは見えません。

1階 ホール・寝堂

1階の床は全て土間コンクリートで統一。浴室・トイレ以外の出入り口にドアはありませんが、配置の工夫でプライバシーは保たれています。

設計者プロフィール

早坂直貴

1984年 神奈川県生まれ
2007年 芝浦工業大学工学部建築工学科 卒業
2011-14年 岡田哲史建築設計事務所
2014年 フランス・パリへ渡航
2014-17年 ATELIER TANE TSUYOSHI ARCHITECTS
2017年 鎌倉へ移住
2017年 建築コレクティブ・邸宅巣箱 設立
事務所名
株式会社 邸宅巣箱
所在地
神奈川県鎌倉市御成町3-10 鎌万ビル2F
電話
050-3554-1185
FAX
-
Eメール
office@teitakusubako.com
URL
https://teitakusubako.com/

設計者のひとこと

鎌倉らしい地形と歴史の奥行きを、日々の暮らしのなかへ取り込むことを主題としました。段葛から旧里見弴邸、さらには奥の谷戸へ進むほどに景色が移ろう——そうした西御門ならではの“道のりの体験”を、視線の抜けや床レベルの段階的な変化として内部空間に重ねています。
床が複層的に絡み合う構成は一見つかみにくいため、模型やパースを用いて丁寧に共有しました。施工は地元鎌倉の職人・施工者と協働し、地域に根ざす設計事務所ならではの距離感で現場に通い、素材とディテールの精度を積み上げました。
リビングからは谷戸と海を望み、暮らしの中に静かな“頂き”が立ち上がる計画です。オーナーの「鎌倉らしい風景を残したい」という思いと建築の意図が響き合い、この土地だからこそ生まれた一軒になったと感じています。