2025年7月26日(土)放送
- 屋根であり壁である“ななめ”のある家 - 茨城県つくば市・大塚邸
- 竣工
- 2024年5月
- 敷地面積
- 234.3㎡(70.9坪)
- 建築面積
- 61.7㎡(18.7坪)
- 延床面積
- 99.3㎡(30.0坪)
- 構造
- 木造 一部鉄骨補強
- 建築費
- 坪単価
東面 外観
元からある樹木を避けるようにたつ三角形の建物。家全体を覆う傾斜した大きな構造物は、屋根であり壁でもあるものとして建築家は“ななめ”と名付けました。
1階 食堂・台所
1.8m単位で柱が並ぶ1階。南半分は窓の無い壁で、北半分はほぼ全てガラス窓になっています。“ななめ”がプライバシーを守りつつ、樹木に埋もれるような視界を作ります。
1階 食堂・台所
テーブルや玄関の収納は、この建物に合わせて製作したもの。柱の間隔に合わせたサイズで、加えて四隅を切り欠くことで、柱の間にピタリと収まります。
1階 廊下
東端の玄関から西橋の食堂・台所まで一直線に伸びる廊下。1階の床は全てモルタル金鏝押さえ。天井(=2階の床)はスノコ状で、光と風を通します。
2階 東の居間・寝室
2階の北半分はスノコ床。“ななめ”が迫り、天井が低くなっていく北端に近付くほどスノコの間隔が広く、天井が高く人が歩く可能性が高い南側は狭くなっています。
2階 西の居間・居室
2階には、ほぼ壁がなく、間仕切りは引き戸と可動式の棚のみ。必要に応じて、部屋の数と大きさを自在に変えられます。
設計者プロフィール
池原靖史
1983年 愛知県生まれ
2009年 早稲田大学大学院修士課程(石山修武研究室)修了
2009-10年 内藤廣建築設計事務所
2010-15年 安藤忠雄建築研究所
2015年- 池原靖史建築設計事務所 主宰
2018年 SDレビュー2018 入選
2024年 第44回東北建築賞 作品賞
2024年- 東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科 専任講師
2009年 早稲田大学大学院修士課程(石山修武研究室)修了
2009-10年 内藤廣建築設計事務所
2010-15年 安藤忠雄建築研究所
2015年- 池原靖史建築設計事務所 主宰
2018年 SDレビュー2018 入選
2024年 第44回東北建築賞 作品賞
2024年- 東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科 専任講師
設計者プロフィール
冨山正幸
1989年 宮城県生まれ
2014年 千葉工業大学大学院修士課程(遠藤政樹研究室)修了
2014-19年 レビ設計室
2019年- トミ設計室 主宰
2024年- 東北文化学園大学工学部建築環境学科 助教
2014年 千葉工業大学大学院修士課程(遠藤政樹研究室)修了
2014-19年 レビ設計室
2019年- トミ設計室 主宰
2024年- 東北文化学園大学工学部建築環境学科 助教
- 事務所名
- 株式会社 池原靖史建築設計事務所
- 所在地
- 東京都大田区仲六郷
- Eメール
- contact@ikhraa.com
- URL
- http://www.ikhraa.com

設計者のひとこと
市街化調整区域に建つ新築住宅です。敷地には北側に下る崖があり、全体に雑木が生い茂っていました。設計にあたり、草木の力強さに溢れた地面の魅力を保持したまま人の環境をつくる事を考えました。擁壁を兼ねた基礎の計画により安全性を担保した上で、可能な限り崖に近い位置にコンクリートの水平面を浮かべ、その上に木造2階建ての居住スペースを載せました。そしてそこに建物全体を覆う大きな平板「ななめ」が取り付きます。「ななめ」は全面ガラスの大開口の外側で崖の雑木と直接対峙するとともに、2階南面のハイサイド開口からスノコ床を通って崖下へと続く「抜け」を生み出しながら住まいのプライバシーを確保し、また4ヶ所の孔が日差しを受けた色鮮やかな北向きの風景を取り込みます。「都市で働き郊外に暮らす」という選択は、現代のフロンティアを示唆しています。この場所で拓かれていく新しい郊外型の生活像とその成熟の行方がとても楽しみです。