2025年6月28日(土)放送

- 旗竿地に負けない高基礎の家 - 東京都・中村邸

竣工
2021年5月
敷地面積
110.1㎡(33.3坪)
建築面積
45.4㎡(13.7坪)
延床面積
83.3㎡(25.2坪)
構造
木造在来工法
建築費
-
坪単価
-

高基礎

旗竿形+北斜面+内部に高低差のある複雑な敷地。そこで基礎を1.2m立ち上げ、家全体が背伸びするような形に。高くなった基礎部分は、物置としても活用しています。

2階 居間・食堂

内部は2階建て・5層。高い位置の窓から一旦ロフトに入った光が、格子を通過することで居間・食堂を柔らかく照らします。最大4mの勾配天井は面積以上の広がりを感じさせます。

2階 居間・食堂

画像左手は台所。調理に集中できるクローズド型です。右手はサンルーム。間仕切りは折れ戸で全開すれば居間と一体に。折れ戸に張っているのはロールスクリーン用の布です。

1階 玄関ホール

玄関を入った途端に広がる天井高6.7mのホール。正面の階段や向かって左手にある子供室、さらに吹き抜けでつながる居間・食堂までも一体に感じられる空間です。

1階 子供室

唯一、高基礎の上に載っていない子供室は廊下から1m下がっています。将来ロフトベッドなどを造作する余地を設けると同時に、玄関ホールの広がりを生む効果もあります。

2階 書斎

居間から床を30cm下げた書斎。籠もり感がありつつ、家族とのつながりも感じられる空間です。奥に収納が隣接しています。

設計者プロフィール

青木律典

1973年 神奈川県生まれ
2003年 日比生寛史建築計画研究所
2005年 田井勝馬建築設計工房
2010年 青木律典建築設計スタジオ 設立
2015年 株式会社デザインライフ設計室に改組
事務所名
株式会社デザインライフ設計室
所在地
東京都町田市大蔵町2038-21
電話
042-860-2945
FAX
-
Eメール
info@designlifestudio.jp
URL
https://designlifestudio.jp

設計者のひとこと

いくつか候補を見た後に購入を決めた土地は、周囲に異なる高低差のある旗竿地でした。南隣地は高く、西隣地は低いという特徴があり、この高低差を克服するために基礎を高くすることで、日差しと眺望の両方を獲得しました。高基礎の上の1階に寝室、子供室と水廻りを配置し、子供室の床だけ基礎の高さだけ下がっています。子供室の床が下がることで隣接する玄関ホールに広がりが生まれます。吹抜けのある玄関ホールの横に階段を配置し、上方向に伸びやかなつながりを持たせました。2階には家族が集うLDKを配置。東の吹抜けに設けた連続窓と西側に設けた高窓、サンルームを通して一日の太陽の動きを感じながら光が移動します。南側に大きな窓がないものの、窓の配置を工夫することで穏やかな光の状態に整えることを考えています。東の連続窓に設けた縦桟の効果で外からの視線が気にならず、西側の窓は縦格子や布を貼った建具を通して間接的に光を届けます。光の状態を整えることで家族が寛ぐのに相応しい室内環境をつくりだそうとしています。