2025年6月14日(土)放送
- ビルの谷間 “旗竿庭”の二世帯住宅 - 東京都中野区・伊藤+藤本邸

- 竣工
- 2023年3月
- 敷地面積
- 169.5㎡(51.3坪)
- 建築面積
- 91.2㎡(27.6坪)
- 延床面積
- 155.4㎡(47.0坪)
- 構造
- 木造在来工法
- 建築費
- 坪単価
南面 外観

駅からも程近い、集合住宅に挟まれた南北に細長い敷地。前庭の植栽は、建て替え前の物を極力残しました。1階を親世帯、2階を子世帯とした二世帯住宅です。
1階 露路

細く暗い露路と、抜けた先の明るい中庭。その形状から建築家は「旗竿庭」と名付けました。玄関は中庭に面していて、訪れた人は必ずこの露路を通りことになります。
1階 親世帯LDK

1階の奥まった位置にある親世帯LDK。旗竿庭に面して大開口があり開放的ですが、前面道路から距離があり、さらに和室が目隠しになることで落ち着きが感じられます。
2階 子世帯LDK

2階、親世帯LDKの真上にある子世帯LDK。最大4mの天井高と中庭に面した大開口が開放感を生んでいます。食卓は半島型キッチンと一体で造作しています。
1階 和室

LDKから長い廊下でいく、離れ感覚の和室。建て替え前の植栽を避けたため、平面は五角形になりました。着物の着付けの他、客間としても使用されます。
2階 ホール

4m超の天井高がある2階ホール。天窓と中庭に面した大きな窓から入った光が白色で統一された空間を照らします。
2階 子世帯寝室

LDKの北側、半階高い位置にある寝室。敷地は北側も道路に面しているため、窓も大きめに採れ、明るい空間となっています。隣接してサンルームを設けています。
設計者プロフィール
川口琢磨
1980年 東京都生まれ
2003年 早稲田大学理工学部環境資源工学科 卒業
2006年 早稲田大学理工学部建築学科 卒業
2008年 早稲田大学大学院古谷誠章研究室修士課程 修了
2008-15年 KAJIMA DESIGN
2015-18年 川口通正建築研究所
2018年 川口琢磨建築設計事務所 設立
2018年- 日本工業大学 非常勤講師
2022年- 愛知産業大学 非常勤講師
2024年- 千葉大学 非常勤講師
2003年 早稲田大学理工学部環境資源工学科 卒業
2006年 早稲田大学理工学部建築学科 卒業
2008年 早稲田大学大学院古谷誠章研究室修士課程 修了
2008-15年 KAJIMA DESIGN
2015-18年 川口通正建築研究所
2018年 川口琢磨建築設計事務所 設立
2018年- 日本工業大学 非常勤講師
2022年- 愛知産業大学 非常勤講師
2024年- 千葉大学 非常勤講師
- 事務所名
- 川口琢磨建築設計事務所
- 所在地
- 東京都文京区春日2-24-15 ルミエール文京伝通院201
- 電話
- 03-3815-9954
- FAX
- 03-3815-3573
- Eメール
- info@takuma-kawaguchi.com
- URL
- https://www.takuma-kawaguchi.com/
設計者のひとこと
敷地は駅前からの商店街を抜けた住宅エリアに位置します。1階が親世帯、2階が子世帯となる木造2階建ての住まいで、生活の場となる母屋と小さな籠る場所である離れ、その間に玄関や階段室といった共用部という3つのボリュームが連なり中庭を囲んでいます。中庭は旗竿形状としてアプローチを兼ね、街を住まいの中心にまで引き込みます。同時にその中庭が母屋と離れを分けながら、平面的にも断面的にもゆるやかな気配の繋がりをつくってくれます。
離れ1階の和室は客間や趣味の着物を楽しむ場所に使われ、門を開けば界隈の一部となり、将来的には着付け教室など開かれた場所にもなるようにと考えました。また離れの平面形状は台形とし、既存の木々を避けて移植が難しかった柿の老木などを残しています。時間が育んだ木々と住まいとの重なりが、地域のこれからの風景となっていくことを期待します。