2025年4月12日(土)放送
- 極細コンクリート格子梁が支える3層の家 - 東京都新宿区・小野邸

- 竣工
- 2024年1月
- 敷地面積
- 55.8㎡(16.9坪)
- 建築面積
- 37.9㎡(11.5坪)
- 延床面積
- 100.7㎡(30.5坪)
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
- 建築費
- 坪単価
南東面 外観

東西に細長い敷地にたつ鉄筋コンクリート造の地下1階・地上2階建て。外断熱のため外壁はガルバリウム鋼板に覆われています。南隣の家の屋根越しに高窓から採光します。
2階 LDK

堅牢な外殻によって無柱空間を実現。北面の壁内に設置したパイプに冬は温水、夏は冷水を通すことで、建物自体がコンクリートの蓄熱性を生かした輻射式冷暖房になります。
格子梁

一般的に床板は梁の上に張りますが、この建物は薄板状の格子梁の間に床板を嵌めた独自の構造。これによって高さを抑え、2階建ての高さに3層の空間を実現しています。
地階

第2の居間のような使い方のできる空間。バイオエタノール暖炉を設置していますが、半地下で温熱環境が安定しているため、出番は少ないそうです。
1階

高齢の親のため、玄関から個室までフラットな床でつながります。将来、車椅子生活になった場合に備えて、建具は全て引き戸。玄関にはリフトを設置しています。
1階 トイレ・洗面・浴室

トイレ・洗面・浴室はフラットな床に加えて、間仕切りを大きく開く引き戸にしています。将来の車椅子での使いやすさや介護のしやすさを考慮したものです。
設計者プロフィール
池原靖史
1983年 愛知県生まれ
2009年 早稲田大学大学院修士課程(石山修武研究室)修了
2009-11年 内藤廣建築設計事務所
2011-15年 安藤忠雄建築研究所
2015年- 池原靖史建築設計事務所 主宰
2018年 SDレビュー2018 入選
2024年 第44回東北建築賞 作品賞
2024年- 東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科 専任講師
2009年 早稲田大学大学院修士課程(石山修武研究室)修了
2009-11年 内藤廣建築設計事務所
2011-15年 安藤忠雄建築研究所
2015年- 池原靖史建築設計事務所 主宰
2018年 SDレビュー2018 入選
2024年 第44回東北建築賞 作品賞
2024年- 東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科 専任講師
設計者プロフィール
冨山正幸
1989年 宮城県生まれ
2014年 千葉工業大学大学院修士課程(遠藤政樹研究室)修了
2014-19年 レビ設計室
2019年- トミ設計室 主宰
2024年- 東北文化学園大学工学部建築環境学科 助教
2014年 千葉工業大学大学院修士課程(遠藤政樹研究室)修了
2014-19年 レビ設計室
2019年- トミ設計室 主宰
2024年- 東北文化学園大学工学部建築環境学科 助教
- 事務所名
- 株式会社 池原靖史建築設計事務所
- 所在地
- 東京都大田区仲六郷
- Eメール
- contact@ikhraa.com
- URL
- http://www.ikhraa.com
設計者のひとこと
敷地は東京都新宿区、古くからつづく住宅地の一画です。元々この場所に住んでいらっしゃった建主さまからのご要望は「思い入れのあるこの土地に、可能な最大床面積の住宅を新築したい」というものでした。それに対して、建築法規等の諸条件も加味しながらご提案したのは、鉄筋コンクリートの外殻構造(耐震要素を建物の外周面に集中的に配置する考え方)を採用して、地下1階+地上2階の合計3層の建物ボリュームを、ひとまとまりにつくる方法でした。コンクリートのがらんどうの中には、繊細ながらも非常に信頼感のある幅100ミリのRCの格子梁を配して木の床を支えています。要素が少ないながらもコンクリート特有の艶っぽいに空気感に包まれた非常に濃密な住まいになりました。木目が転写された味わい深いテクスチャの打放しコンクリート内壁には実は温水パイプが埋め込まれており、輻射冷暖房システムにおける蓄熱体かつ輻射体として、室内の温熱環境を整える役割を果たしています。