2025年4月5日(土)放送

- あちこち左右対称 アートが映える白い家 - 埼玉県狭山市・宮澤邸

竣工
2024年7月
敷地面積
195.1㎡(59.0坪)
建築面積
61.7㎡(18.7坪)
延床面積
92.4㎡(28.0坪)
構造
木造在来工法
建築費
坪単価

南東面 外観

緑豊かな丘陵の住宅地。南東角地にたつ家は高さを抑え、水平方向に伸びやかな形状。屋根・外壁・塀など全てが白色で、壁の杉板の塗装は全て建主らによるDIYです。

1階 食堂

内装も白色で統一。天井高約5mの食堂。1階には窓が無く、上階にあるたくさんの窓から採光します。奥に見える左右対称2つのドアは、左が台所、右が食堂です。

1階 食堂

2階へ上る階段も左右対称。印象的なペンダント照明は友人のテキスタイル作家との共作。スタンド照明は建主が既製品をリメイクしました。床はコンクリートです。

2階 アトリエから寝室を見る

2階は、吹き抜けを挟んで南北に空間を設けました。いずれも床は、カラマツのフローリング。北側は寝室で、間仕切りを兼ねたキャスター付き収納も建主によるDIYです。

2階 アトリエ

2階の南側は建主(妻)のアトリエ。窓のカーテンにはペンダント照明と同じ布を使用しています。吹き抜けとの間を厚手のカーテンで仕切り、客間としても使用します。

南面 俯瞰

高さ2.4mの塀でプライバシーを守りながらも開放感のあるテラス。中心に塊感のある庇、3つの窓と2本の雨樋が、やはり左右対称のデザインになっています。

設計者プロフィール

湯浅良介

1982年 東京都生まれ
2010年 東京藝術大学大学院 修了
2010年-18年 内藤廣建築設計事務所
2019年- オフィスユアサ
2024年- 多摩美術大学 准教授
2024年- 東京理科大学、武蔵野美術大学、明治大学 非常勤講師
事務所名
オフィスユアサ
所在地
東京都小平市
電話
090-3476-0885
Eメール
office@yuasaryosuke.com
URL
https://www.yuasaryosuke.com

設計者のひとこと

敷地は木々に囲まれた小高い丘にある住居群の角地です。施主の話を聞きながら、セキュリティは堅牢だけど、閉塞感のない明るく伸びやかな家にしたいと思いました。また、この住居群に住む方々は皆一つの坂道を登ってこのエリアにアプローチし、家に帰ってきます。その時にまず目に飛び込んでくるのがこの家になります。そのため、圧迫感なく角地に佇む少し小さく感じるくらいの家が良いだろうと考えました。
この一見矛盾するような空間と佇まいのサイズ感を両立させるために、庭を部屋として見立てて作ったり、平面は小さいけれど高さの高い吹き抜けを設けたり、大きな部屋と小さな部屋を混在させ扉を多く設け、室内空間全体が知覚しづらいようにして、外観は小さく感じるけれど、中に入ると外観の佇まいよりもずっと広く感じるような家を目指して設計しました。
大小二つのロフトに通じるダイニングの階段は、演劇のセットのような少し大袈裟な存在感をもたせています。住宅としてどうあったらよいのかと同時に、街や内部に生じる建物やそれを構成するエレメントの存在感について考えながら設計した住宅です。