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東京の銭湯

  • 2025年2月3日(月)

    『蒲田温泉』

  • 今週は、東京にある様々な銭湯の魅力を紹介します。
    2023年末時点で、東京には444軒の銭湯があり、最も多いのは大田区。その大田区にある、1937年創業の「蒲田温泉」を訪ねました。蒲田温泉の泉質は、ナトリウム‐炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉です。
    特徴は、手を入れると見えなくなるほど色の濃い「黒湯」。黒さの理由は、長い年月をかけて地中の海藻や植物が分解されてできた「フミン酸」が含まれているからです。
    黒湯の浴槽は、低温(約42℃)と高温(約45℃)に分かれています。その他にも、「電気風呂」や「ジェットバス」などがあります。さらに2階には「蒲田温泉食堂」があり、素材にこだわった「温泉釜めし」が名物です。受付のそばでは、タオルやTシャツなどのオリジナルグッズを販売しています。

  • 2025年2月4日(火)

    『小杉湯』

  • 元々質素な造りだった銭湯ですが、関東大震災後、その復興にあたり、「人々の元気が出るように」と「唐破風(からはふ)様式」の豪華な「宮造り」にしたところ評判になりました。その頃から、東京の銭湯建築で宮造りが流行したとされています。杉並区にある、1933年創業の「小杉湯」も、宮造りの銭湯で、カーブした「唐破風屋根」が特徴です。脱衣所の天井は、寺院などに見られる「格(ごう)天井」で、貴重な屋久杉が使われています。現在も創業当時の姿を維持し、2020年には国の登録有形文化財になりました。浴室には、銭湯絵師の中島盛夫さんによる富士山の絵が描かれています。風呂は温度を変えて用意されていて、約43℃の「あつ湯」は、入浴剤や天然素材を使ったお湯を月に約10種類楽しめます。ミルクの香料などを入れた41℃の「ミルク風呂」は、幅広い世代に人気だそうです。42℃のジェットバスもあります。

  • 2025年2月5日(水)

    『鳩の湯』

  • 国立市にある、1958年創業の「鳩の湯」。現在、国立市で東京都浴場組合に加盟する銭湯は、鳩の湯のみです。2020年に老朽化した建物を完全に建て替え、リニューアルオープンしました。浴室には富士山の絵があり、銭湯絵師の丸山清人さんの絵をもとにモザイクタイルで再現しています。女湯は富士山の他に満開の桜と五重塔が、男湯は富士山と湖が描かれています。風呂は、お湯が細かい気泡で白く見える「シルキーバス」の他、「高濃度炭酸泉」や「ジェットバス」などがあります。お湯はリニューアル前と変わらず、地下100mから汲み上げた水を使用し、機械を通し、さらに肌触りを柔らかくしているそうです。

  • 2025年2月6日(木)

    『黄金湯』

  • 墨田区にある、1932年創業の「黄金湯(こがねゆ)」。若い世代にも“銭湯文化”を伝えたいと、2020年にリニューアルオープンしました。中に入ると、受付やドリンクの提供を行っているカウンターがあります。そこには「DJブース」が設置されていて、アナログレコードから流れる音楽は、カウンター周辺だけではなく浴室などでも楽しめる仕組みになっています。風呂は温度を変えて用意されていて、「あつ湯(43~44℃)」や「薬湯(40℃)」、「高濃度炭酸泉(36℃)」などがあります。薬湯では、季節に合わせてヨモギ、菖蒲やフルーツなどを使ったお湯を、日替わりで提供しています。さらに、2階は宿泊できるスペースになっていて、洋室と和室(全8個室)が用意されています。

  • 2025年2月7日(金)

    『深川温泉 常盤湯』

  • 江東区にある、1940年代中頃に創業した「深川温泉 常盤湯」。2023年にリニューアルオープンしました。外観の一部と天井は残し、設備などを一新。リニューアル時に温泉を掘り当てたそうです。泉質は、ナトリウム塩化物冷鉱泉。女湯の天然温泉は室内で、男湯は、元々池があった庭を改装した、日本庭園の雰囲気が味わえる露天風呂になっています。露天風呂は夜になると灯篭などでライトアップされ、昼間とは違った雰囲気が楽しめます。風呂はその他にも、「シルキーバス」や「高濃度炭酸泉」、「寝風呂(ジェットバス)」などがあり、リニューアルをきっかけに種類を増やしたそうです。

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