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障害者の雇用
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2024年12月2日(月)
『積極的な正社員登用』
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東京都は、障害者雇用の特色ある優れた取り組みを行う企業を毎年表彰しています。
表彰企業のひとつ「オープンハウス」は、戸建て、マンションの建築・販売などを行う総合不動産会社です。
現在、3カ所の拠点で110人ほどの障害者が働いています。業務は、建物の位置などを示す地図の作成や物件の販売状況の確認などです。
障害者が契約社員として、2年間を経て、安定した勤怠や責任者の推薦などがあれば、正社員にチャレンジできる制度を設けています。さらに、役職への登用にも力を入れています。障害がある小關(おぜき)さんは、入社10年目で、オープンハウス八王子事務所の責任者として働いています。小關さんは、「障害があって自分に自信が持てない人も多いので、仕事を覚えることで自信をつけて、仕事以外の面でも頑張ってほしい」と話しています。
八王子事務所では、精神保健福祉士や公認心理師などの資格を持つスタッフが常駐して、定期面談を行っています。
このような取り組みによりオープンハウスは、2024年度障害者雇用エクセレントカンパニー賞(東京都知事賞)を受賞しています。
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2024年12月3日(火)
『得意分野で能力発揮』
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ソフトウェアの開発やテストなどを行うIT企業の「SHIFT(シフト)」。障害がある従業員が特性や才能をいかせるチーム分けを行っています。社内イベントのグッズのデザインなどを担当する「アーティストチーム」や、生花の栽培からアレンジメントまでを行う「フローリストチーム」など、現在23チームあります。
障害がある小松さんは入社2年目で、「フローリスト」として花を使ったギフトの企画や社内イベント用の花束の作成などをしています。以前は生花店でも働いていましたが、業務量の調整が難しく、障害者雇用を探してSHIFTに入社しました。小松さんは「体調に配慮した業務量の調整などもしてもらえるのでありがたい」と話しています。
また、広報動画や社内用動画の編集などを行う「映像チーム」では、障害がある男性が統括リーダーを務めています。
働きやすい環境づくりに役立っているのが、入社前に作成する「マイカルテ」。記入した“得意“や“不得意”をすり合わせながら、“得意”をいかせる業務分けをしています。
このような取り組みによりSHIFTは、2024年度障害者雇用エクセレントカンパニー賞(東京都知事賞)を受賞しています。
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2024年12月4日(水)
『専門資格で的確なサポート』
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結婚式場やホテルの運営などを行う「テイクアンドギヴ・ニーズ」。重度の障害がある人を中心に雇用し、障害がある社員は主に結婚式場の清掃業務を担当しています。
勤続17年の野田さんと野澤さんは、重度の知的障害者中心の雇用を開始した2007年から在籍しています。彼らのように長期的な雇用を可能にしているのが、10種類以上の専門的な資格を持つ「ソーシャルパートナー」のサポートです。5人のソーシャルパートナ―が在籍していて、所有している資格は、障害者の外出をサポートするためのものや救命措置を行うためのものなど様々です。業務中には、清掃する担当場所が分からなくなってしまう従業員のために、自分の名前が書かれた印をマップに置いて、分かりやすく見える化をしています。
このような取り組みによりテイクアンドギヴ・ニーズは、2024年度障害者雇用エクセレントカンパニー賞(東京都知事賞)を受賞しています。
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2024年12月5日(木)
『体験実習で自立支援』
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外食事業の運営やフランチャイズチェーン展開を行う「物語コーポレーション」。2020年から職場体験実習の受け入れを強化し、2023年は特別支援学校の生徒の実習を約100件受け入れました。
発達障害などがある須貝さんは入社4年目。現在働いている焼肉店で体験実習を2回行い、入社しました。家でしている皿洗いをいかしたいと思い、入社したそうです。週5日間の勤務で、清掃や営業開始前のテーブルセッティングなどを担当しています。
店長の藤井さんは、須貝さんが気軽に相談できるように声掛けや、趣味について話したりして、良い関係性を築けるよう意識しているそうです。
また、この会社では障害がある従業員への対応をマニュアル化し、それぞれの特性に合ったサポートをするようすすめています。
このような取り組みにより物語コーポレーションは、2024年度障害者雇用エクセレントカンパニー賞(東京都知事賞)を受賞しています。
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2024年12月6日(金)
『ミスを防ぐ工夫』
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「ライオンともに」は、障害者の雇用を促進するためのライオングループの特例子会社です。商品開発の補助や社内の清掃、営業支援などの業務を担っています。台東区のライオン本社内では、郵便・宅配便などの受付や配達、ライオングループ各社の試供品セットの詰め合わせなどの業務を行っています。
試供品などのセット詰めでは、ミスを防ぐために行っている工夫があります。元々歯磨き粉が10個入っていたトレーを再利用し、試供品を10個ずつ準備することで、入れ忘れと入れ過ぎを防いでいます。
また、郵便物の発送ミスを防ぐ工夫も。定型と定型外の封筒、それぞれのサイズのボードを作成し、縦と横の幅を確認した後、穴に一度通して厚さも確認できるようにしています。
江戸川区にも事業所があり、実験器具の洗浄など、商品開発に関わる業務も行っています。
このような取り組みによりライオンともには、2024年度障害者雇用エクセレントカンパニー賞(東京都知事賞)を受賞しています。
障害者雇用エクセレントカンパニー賞|東京都
HP:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/09/13/12.html