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大学の博物館
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2024年6月10日(月)
『明治大学博物館』
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大学では調査、研究のため多くの資料を収蔵し、キャンパス内にある博物館で公開しています。
明治大学・駿河台キャンパス内にある「明治大学博物館」では、法学部・商学部・文学部の資料について紹介しています。法令や刑罰の道具などを展示した「刑事部門」では、江戸時代の捕者(とりもの)道具などを見ることができます。当時、刀を持った凶悪犯などを捕縛する際には、「袖搦(そでがらみ)」という長い柄のついた道具を相手の着物の袖や髷(まげ)に引っ掛けて、引き倒していたそうです。刑事部門では他にも、江戸時代の刑罰執行に関する道具などが展示されています。
「考古部門」では、実際の遺跡からはがした貝塚の剥離標本など、70年以上かけて集めた約1800点の資料を展示。また「商品部門」では、生活の中に生き続ける伝統的工芸品の数々を展示しています。明治大学博物館
HP:https://www.meiji.ac.jp/museum/
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2024年6月11日(火)
『東京農業大学「食と農」の博物館』
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東京農業大学「食と農」の博物館では、アメリカ・フォード社製のトラクターといった農機具や、約50種類のニワトリのはく製など、食と農業をテーマにした展示を行っています。1904年から資料を集め始め、博物館の開館は2004年。年間を通して複数回、企画展も開催しています。
現在開催中の企画展は「美しき土壌の世界」。全国各地の地下に広がる世界を、土壌の断面標本を通して知る展覧会です。栃木県日光市で採取された土壌標本「厚層(こうそう)アロフェン質黒(くろ)ボク土」は、三色に分かれた美しさが特徴的です。これは火山灰などが混ざったことによる色の違いで、国際的には「三色アイス」と呼ばれているそうです。
東京農業大学には、酒やみそ、しょう油などについて学ぶ醸造科学科があります。博物館2階の常設展示には、この大学の卒業生が働く蔵元の日本酒の瓶が、ずらりと並んでいます。また明治時代の絵師・小林清親(きよちか)が描いた、酒に酔った人々のユーモラスな姿なども見ることができます。東京農業大学 「食と農」の博物館
HP:https://www.nodai.ac.jp/campus/facilities/syokutonou/
企画展「美しき土壌の世界」
会期:8月31日(土)まで ※最終日は正午まで
HP:https://www.nodai.ac.jp/campus/facilities/syokutonou/4935/article/30754/
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2024年6月12日(水)
『東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム』
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東京海洋大学・品川キャンパス内にある「マリンサイエンスミュージアム」では、水産業に関わる資料や魚類の標本、鯨類の模型・はく製などを紹介しています。まずは、魚類の標本が並ぶ展示エリアへ。こちらには、マンボウやカラチョウザメなど大きな魚のはく製が展示されています。
東京海洋大学は、実習教育のための練習船「海鷹丸(うみたかまる)」を所有しています。このミュージアムでは、歴代の練習船が実施した南極観測に関する資料を見ることができます。今から68年前、日本が第一次南極観測を実施するにあたり、観測船「宗谷」の随伴船として参加したのが「海鷹丸」でした。物資の補給や海洋調査などの役割を担った「海鷹丸」の、当時の貴重な資料が展示されています。また別棟の「鯨ギャラリー」には、クジラの全身骨格が展示されています。クジラの祖先はもともと4本足で陸上を歩いていたと考えられ、その名残である骨盤の痕跡を見ることができます。東京海洋大学 マリンサイエンスミュージアム
HP:https://www.s.kaiyodai.ac.jp/msm/index.html
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2024年6月13日(木)
『国立音楽大学 楽器学資料館』
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国立(くにたち)音楽大学にある「楽器学資料館」では、音楽研究や教育のため、世界各地の楽器約2600点を収蔵しています。
楽器学資料館の展示室では、このうち300点ほどの楽器を公開、一部の楽器は、触って音を出すことができます。南米の楽器「クイカ」は、皮に取り付けた木の棒を湿らせた布でこすり、振動させることで音を鳴らします。「ハープシコード」は、弦を弾いて音を出す鍵盤楽器で、バロック時代に大活躍しました。インドネシアの伝統楽器「アンクルン」は、ジャワ島に起源をもつ竹で作られた楽器です。長い竹と短い竹で調律がされています。
日本の楽器・紙腔琴(しこうきん)は、明治時代に考案された手回しオルガンの一種。穴の空いた巻紙をはめ込み、ハンドルを回すと旋律を奏でます。ハーモニカのようなものが内蔵されていて、ハンドルを回すとふいごが空気を吸い込み、紙に穴が空いているところから空気が通って音を出します。
楽器学資料館では、学芸員が楽器の解説や実演を交えた10分講座も毎週水曜日に行われています。国立音楽大学 楽器学資料館
HP:https://www.gs.kunitachi.ac.jp/
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2024年6月14日(金)
『東京都立大学 牧野標本館』
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東京都立大学にある「牧野標本館」は、「日本の植物分類学の父」といわれる牧野富太郎博士の標本を保管している施設で、1958年に設立されました。遺族から東京都に寄贈された約16万点の植物標本が収蔵されています。このうち、牧野標本館本館の常設展示コーナーに展示された標本や植物画は、誰でも閲覧することができます。
今回は特別に、一般には公開されていない、標本を保管している別館を案内してもらい、牧野さんの故郷、土佐・佐川村(現在の高知県佐川町)で採集したヤマイモの仲間「タチドコロ」の植物標本などを見せてもらいました。
16万点の中には、果物の標本もあります。「屋久島 島バナナ」は、1909年9月に鹿児島県の屋久島で牧野さんが採集したものです。牧野さんが残した植物標本の中には、現在は無くなってしまった植物もあり、それらが残っているのはとても大事だということです。東京都立大学 牧野標本館
HP:https://www.biol.se.tmu.ac.jp/herbarium/
※閉館日については都立大HPをご確認ください