今週のテーマ

TOKYO ART WALKER

2007年 1月29日(月) 放送分


文人に思いを馳せる

今週は、文学・芸術に触れる芸術散歩。文士や芸術家にゆかりある場所を訪ねます。本日は、小石川・本郷を舞台に舞台に、夏目漱石や幸田露伴、樋口一葉ゆかりの地を訪ねます。

 

文京区は古くから学問の町でした。江戸時代には、寺後屋や、武家屋敷が軒を連ねていました。明治に入ると、現在の東京大学にあたる帝国大学が設立され、その周りには、学生や多くの文人が住み始め、学問の町となっていったのです。こちらは、源覚寺、通称こんにゃくえんま。目を患った老婆に、閻魔様が自分の右目を与えて目を治し、老婆は好物のこんにゃくを絶って、お礼にお供えをしたそうです。そんな、源覚寺は、樋口一葉の「にごり絵」や夏目漱石の「こころ」に登場します。






2007年 1月30日(火) 放送分


芥川龍之介の輪

かつて多くの文人や芸術家が集まる町として栄えた田端。その中心にいたのが芥川龍之介です。そんな場所にある田端文士村記念館や、芸術家の集まりが開かれていた天然自笑軒跡などをご紹介します。

明治時代中期、田端は雑木林や田んぼが広がる静かな農村でした。しかし、隣町の上野に、のちの東京芸術大学が開校すると、次第に芸術家村へと変貌。その代表的な人物が、板谷波山(いたやばざん)。陶芸家として初めて文化勲章を受章し、陶芸を世に知らしめました。そして、芥川龍之介が、この地にやってきて、「羅生門」や「鼻」といった作品を発表し、大正を代表する小説家となります。そんな龍之介の才能に影響を受けた文士達は、こぞって田端に移り住み、新たな文学と芸術が次々と田端から生まれていきました。








2007年 1月31日(水) 放送分


歴史と未来の交差点
今日、散歩をするのは青山・六本木界隈。向田邦子さんの作品に登場する大松稲荷や、岡本太郎記念館のある青山の後は、村上春樹さんの作品に登場する乃木神社、そして多くの文士が訪れた六本木の竜士軒跡を訪れます。

芸術は爆発だ!の名言でお馴染みの現代芸術の奇才・岡本太郎。岡本太郎さんの青山の自宅兼アトリエ。ここで、様々な創作活動が行われ、世界を驚かせる斬新なアイデアが生まれていきました。現在は一般に公開されており、企画展示や、使っていたままのアトリエの様子を見ることもできます。同じく青山にある大松神社は、向田邦子さんの代表作「父の詫び状」に登場します。「大松(おおまつ)稲荷と名前は大きいが、こじんまりとしたお社で、鳥居の横にあまり栄養の良くない中位の松がある」温かみのあるユニークな表現で命を与えられた松は、今もこの地に健在です。






2007年 2月1(木) 放送分

ハイカラさんが行く!

本日の舞台となるのは銀座。様々な小説の舞台にもなった資生堂パーラー。池波正太郎さん行きつけの新富寿し、太宰治が通ったバー・ルパンなど、文士所縁の店を訪ねます。

文明開化以降、流行を発信し続ける銀座。ここで流行った高襟の服から「ハイカラ」という言葉も生まれました。おしゃれで進歩的とされたハイカラな人たちが集まったのは、創業明治35年の資生堂パーラー。そんな資生堂パーラーがハイカラと言われた始まりが「ソーダ水」当時は薬局でしたが、アメリカからグラスや機械を全て取り寄せ、日本で始めてソーダ水を販売したのです。そんな資生堂パーラーは、谷崎潤一郎や川端康成の小説に登場します。そして、写真は文士たち所縁の酒場「ルパン」。太宰治や坂口安吾ら無頼派と呼ばれる文士達が夜な夜な集まりました。レトロな内装をはじめ、太宰が座った椅子も当時のままに・・・。文豪になった気分が味わえます。






                                                                                                                                                                                               

2007年 2月2日(金) 放送分



のんびり谷中

たくさんの寺院と東京芸術大学があり、歴史と芸術の雰囲気に包まれた街・谷中を歩きます。岡倉天心記念公園を訪ねたあとは、アメリカ出身の日本画家、アランさんの仕事場にお邪魔しました。


上野と本郷の谷間にあったことから、その名が付いた谷中。谷中には徳川家の菩提寺「寛永寺」をはじめ多くの寺院や、近くには東京芸術大学があり、歴史と芸術に彩られた町です。また、戦災を免れた古い街並みも残り風情ある佇まいを感じさせます。そんな谷中にある朝倉彫塑館は、朝倉文夫の元自宅兼アトリエ。朝倉は無類の猫好きとしても有名。そのきっかけを作品に残しています。それがこの「産後の猫」。子どもを産んで疲れているにもかかわらず、すりよってきて甘えてくれたことが大変嬉しかったようです。それ以来、猫好きになった朝倉文夫。猫をモチーフにした作品作りは、ライフワークとなっていきます。











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