第159回『酒粕』
1月13日放送予定


■酒粕の可能性
酒粕は日本酒を造る際に出来る副産物として、古くから食べられてきました。しかし、ただの副産物ではありません。甘酒、粕汁、わさび漬け、奈良漬け…など工夫次第で様々な料理を生み出し私たちの食卓を豊かにしてくれました。そして、パンにスープにグラタンなど新たな料理の可能性も酒粕は秘めています。ただのカスとは呼ばせません。酒粕の魅力をたっぷり紹介します。
■灘の奈良漬「甲南漬」
酒粕を使って作る「奈良漬」。平安時代から作られていたという、由緒ある粕漬けです。冬の酒造りで出来た酒粕で、瓜やきゅうりなどの夏野菜を漬け込み、あめ色になるまで寝かせます。その奈良漬を作っているお店が兵庫県神戸市にありました。ここでは奈良漬は甲南漬と呼ばれています。そもそもこのあたりは、「灘」と呼ばれ江戸時代から酒造りが盛んでした。銘酒の誉「灘の生一本」その最上の酒粕を利用して作られたのが「甲南漬」だったのです。
■酒粕と江戸前の寿司
酒粕からはある調味料が作られます。それは赤酢と呼ばれる酒粕から作ったこの酢は江戸前のにぎり寿司には欠かせません。江戸時代まで寿司といえば、ご飯を発酵させたなれ寿司や押し寿司が一般的でした。しかし、江戸後期、文化文政の頃になると江戸では握り寿司のブームが巻き起こります。このとき重宝されたのが赤酢だったのです。米酢に比べコクのある旨みが特徴の赤酢はご飯や魚の甘みを引き出し絶品。そんな赤酢と塩だけの酢飯作りにこだわる達人が世田谷・上野毛にいました。
■老舗の京粕漬
魚は酒粕と出会うことでよりその美味しさを引き出されます。人形町にある老舗の銘店「魚久」。こちらでは魚を酒粕に漬けこんだ京粕漬けが売られています。もともと初代が奈良県出身で、奈良漬をヒントに作られた「京粕漬」。半年以上寝かせた酒粕に漬け込まれた海の幸が酒粕の芳醇な香り、うまみをたっぷりとその身に宿し、得も言われぬ美味しさとなるのです。家庭では、火の加減が難しいこの京粕漬けですが、簡単に中までふっくら焼きあがる目からうろこの調理方法をこの魚久の板前さんに教えていただきました。そのコツとは。

■取材先
【木桶仕込の日本酒】
小澤酒造

住所:東京都青梅市沢井2-770  
電話:0428-78-8215

【発芽玄米の日本酒】
寺田本家

住所:千葉県香取郡神崎町神崎本宿1964
電話:0478-72-2221

【手作りのわさび漬け、粕汁】
味家・京

住所:東京都福生市福生1015
電話:042-530-7114

【奥多摩の清流が育んだわさび】
千島屋

住所:東京都西多摩郡奥多摩町丹三郎8-2
電話:0428-85-1872

【赤酢でつくる江戸前寿司】
あら輝

住所:東京都世田谷区中町4-27-1
電話:03-3705-2256

【絶品、京粕漬】
魚久 人形町店

住所:東京都中央区日本橋人形町2-4-3
電話:03-3666-0048

【灘の生一本の甲南漬】
甲南漬本店

住所:兵庫県神戸市灘区御影塚町4-4-7
電話:0120-0551-39
http://www.konanzuke.co.jp

■制作担当
【ディレクター】吉井 みどり(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)