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#50『秋刀魚(サンマ)』

スペース スペース 秋になると、サンマは脂がのり旬真っ盛りとなります。サンマは8月から千島列島から南下を始め、冬から秋にかけて三陸沖から四国沖の太平洋で産卵します。秋、サンマがおいしいのは、南下をする体力をつけるために脂肪を蓄えているからです。気仙沼では8月から北海道沖で獲れるサンマが入港し始め鮮度のいいサンマが市場を賑わせます。サンマは5トントラック一台分を見本として水揚げし、入札を行ない、水揚げされたばかりのサンマが全国へと出荷されています。水揚げされたばかりの鮮度のいいサンマは生で刺身にして食べるのが一番だと地元の人は口をそろえます。脂ののる9月10月がサンマの一番おいしい時です。 スペース

スペース スペース サンマ漁が始まったのは江戸初期に刺網漁法が開発された紀州(和歌山県)熊野灘でとれるサンマは南下する間に脂のおちたサンマ。やがて紀州の漁師が漁場を求めて北上し、房総に漁法が伝わり、江戸の魚河岸にもサンマが入るようになります。しかし、房総で獲れるサンマは南下途中で脂がのったサンマなので、脂っこいのが下品だと、江戸の町でサンマは全く人気がありませんでした。江戸の華と言われ「火事と喧嘩」江戸265年の歴史の中で大火事は96回。3年に1回は大火事、7日に1回はボヤがあったといわれています。江戸庶民は食べ物に上品だ下品だと言えない事態に追い込まれ、サンマも食べられるようになります。 スペース

スペース スペース 江戸の中頃の天ぷら屋さんには必ず大根おろしを盛った器がありました。油っこいものに大根おろし、この組み合わせはサンマにもぴったり当てはまったのです。大根には脂っぽいサンマの消化を助けてくれる酵素ジアスターゼが含まれており、さっぱり食べられるだけでなく、事実消化を助ける役割を果たしています。古典落語『目黒の秋刀魚』は、目黒に鷹狩に出かけたお殿様、お腹がすいて茶屋の主人に昼食を所望しました。そこで出てきたのが、焼きたてあつあつのサンマ。お殿様いたくこれが気に入り、お城でもサンマをアンコールします、しかし出されたのはお殿様の体を気遣う余り脂を落とした挙句毒見のために冷め切ったまずいサンマ。「そこでお殿様家臣に尋ねた『これはどこのサンマじゃ?』『はい、房総のものでございます』『それはいかん、サンマは目黒に限る』お後がよろしいようで・・」という具合になりました。 スペース

スペース スペース 江戸で人気になったサンマは、大正時代に現在の漢字「秋刀魚」の字が当てられるようになります。この秋刀魚という漢字は同じく銀色の輝く体を持つ太刀魚をもとに考えられたとされています。大正10年には佐藤春夫の詩『秋刀魚の歌』で、広くこの漢字が知れ渡ります。「秋刀魚、秋刀魚、秋刀魚苦いか塩っぱいか。そが上に熱き涙をしたたらせてさんまを食ふはいづこの里のならひぞや」 秋の物悲しさと、身近な食材であるサンマに叶わぬ恋と一人食卓を囲む男の心情を表し、春夫の代表作となりました。 スペース

スペース スペース サンマを食べているのは日本のほかにロシアや台湾、韓国ですが、世界で一番サンマを食べているのは日本人です。秋、稲穂が膨らみ新米が食卓にのぼる季節、白いご飯にサンマを食べると秋が来たなぁと感じ、収穫の秋は昔から日本人にとっては一年で一番喜びを感じる季節でした。その秋に獲れるサンマは、日本の海の豊かさの象徴なのです。 スペース

スペース スペース 【取材手帖−今回お世話になった取材先−】

1.気仙沼漁業協同組合
「秋刀魚とその加工品を全国に配送:さんまじまんさ宅急便」

宮城県気仙沼市朝日町20-5
TEL:0226-23-5617
FAX:0226-23-6185

2.ゑびす振舞「秋刀魚料理」
宮城県気仙沼市魚市場前3−15
TEL:0120-01-3032
HP:http://www.sugatani.com/

3.さかなや富ちゃん「秋刀魚炊き込みご飯」
東京都港区六本木6-8-28宮崎ビル1F
TEL:03-3405-0659

4.鮮魚 魚力「定食の食べられる鮮魚店」
東京都渋谷区神山町40−4
TEL:03−3467−6709
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悠久の翼
作詞・作曲:綺羅
空には空の大地が 雲居に水を得て
たゆたう心洗うよう この身にふり注ぐ

山には山の細波 花散る風仰ぎ
里居を忘れた小鳥が 眠りにつく奏

時知らず 芽吹いてく
矢羽根のあたたかいぬくもり

万世に 続いてく
いとなみを はかなき事に逸る命
大空 翔け昇る

月には月の縁が あるから生きられる
愛しい万物を守るため 光を湛えてく

月には月の縁が まばゆい影おとし
救いを求める万物へと その手を差し延べる

翼を高く広げて はばたくその時に
一粒こぼれ落ちた実が やがては花になる

月には月の縁が あるから生きられる
愛しい万物を守るため 光を湛えてく


※上記の曲は、販売しておりません。





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