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#45『トウモロコシ』

スペース スペース トウモロコシは、和洋中、どんな料理にも調和してしまう優れもの。一粒、一粒、芯にそって美しく配列しています。その独特の姿には、他の作物にはないとても不思議な法則がありました。トウモロコシの先端にはモジャモジャした毛があります。これがトウモロコシの雌しべです。トウモロコシの毛とトウモロコシの粒を数えてみると、摩訶不思議、毛の本数と粒の数は、必ず一緒なんです。今日は、神様がくれた奇跡の食材トウモロコシの物語です。 スペース

スペース スペース 早朝4時、日本百名山に名を連ねる2000m級の山々に囲まれた高原、群馬県片品村、日の出前のうす暗いトウモロコシ畑…。星野十季男さんの作業が始まります。トウモロコシは、昼間に光合成したデンプンを、夜の間に糖分に変え、葉から実へと運びます。だから、明け方に刈りとったトウモロコシが、一番甘いというわけなのです。昼と夜との著しい温度差。この条件が糖度の高いトウモロコシを作るのに最適なのです。朝日が昇りはじめる午前6時過ぎ…ようやく、星野さんの収穫作業は終了します。スーパースイートコーンと呼ばれる品種は、メロンとほとんど変わりない甘さを持っています。 スペース

スペース スペース トウモロコシは、皮を1枚だけ残してそのまま蒸します。こうすると、香りや旨味が逃げません。そして3分も蒸せば、出来上がり。ミルクのようなジューシーな汁がほとばしり、シャキシャキッの歯触りが存分に味わえます。
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スペース スペース トウモロコシがこの世に誕生したのは、紀元前5000年から7000年前。発祥は中南米。「テオシント」という野生植物が原型だと言う説が有力です。最初のトウモロコシは、実がとても小さく、ほんの数粒ついているだけでした。しかし、古代の人々は収穫の度に、一番大きな種子を選び、毎年春になると、その種を播いたのです。実に数千年に及ぶこの繰り返しを経て、粒の数は徐々に増え、現在のトウモロコシへと進化したと言われています。当時の食文化をそのまま受け継いでいるのがメキシコ料理。メキシコではトウモロコシでつくった、薄いクレープ状のものを主食にしています。「トルティージャ」に、新鮮な野菜や肉などの具を包んでサンドイッチ風に食べるのが、メキシコの代表的料理「タコス」です。メキシコ人にとって、トウモロコシは何にも増して、欠かせない食材なのです。 スペース

スペース スペース 1492年、新大陸を発見したコロンブスは、トウモロコシに出逢い、これをスペインに持ち帰りました。ヨーロッパ諸国に伝幡したトウモロコシは、わずか30年ほどで世界中に拡がりました。どんな痩せた土地でも収穫できるため、南は灼熱の大地アフリカ、北はロシアでも人々の食を満たす救世主となったのです。そして、日本にトウモロコシがもたらされたのは、安土桃山時代。ポルトガル人が長崎に持ち込んだのが始まりです。しかし、稲作が定着した日本人にとっては、不思議な食べ物に映ったようです。「はららごと 唐もろこしは 又従兄弟」曲亭馬琴(享和3年:1803年)魚の卵を意味する「はららご」。江戸時代には、トウモロコシの姿を見てもっぱら、「数の子」や「筋子」を連想したようです。 スペース

スペース スペース 400年前にポルトガル人が日本に伝えた幻のトウモロコシ、そのトウモロコシは標高800mの静かな四国・愛媛の険しい山間部の畑の1画にその実を実らせていました。地元では幻のトウモロコシを「地トウキビ」と呼んでいます。大きな特徴は、実の形にあります。完熟させてから収穫し、干したその実を加工して食べます。硬いトウモロコシの粒をゆっくりゆっくり重い石臼をまわして砕きます。こうしてやっとできたトウモロコシの挽き割り。これをフルイにかけます。わずかに落ちる細かい粉を『はな粉』と呼び、これも、大切な食材にします。 スペース

スペース スペース トウモロコシの挽き割りに、ほんの一握りの貴重なお米。これを混ぜて焚いたものが「トウキビ飯」。焚きたては柔らかいのですが、冷めると硬くなってしまうため、握ってから火で炙り「焼きおにぎり」にします。水田作りが難しいこの地に生きる人々はとれたわずかな米をお金にかえて暮らしてきました。昭和30年代の半ばまで、地トウキビが主食だったのです。 スペース

スペース スペース 里芋や菜っ葉などをしょうゆで煮た煮汁に、サラサラと振り入れるうす黄色の粉は、先ほどの「はな粉(こ)」です。何度も粉を振りいれ、ゆっくり時間をかけて練り上げると「おねり」という郷土食になります。トウモロコシというより、つぶしたお豆や、お芋のような味わいです。寒い冬、これをお腹いっぱい食べ、満腹感を味わったと言います。
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スペース スペース 【取材手帖−今回お世話になった取材先−】

La Casita「メキシコ料理」
住所:東京都渋谷区代官山町13−4セレサ代官山2F
電話番号:03-3496-1850



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悠久の翼
作詞・作曲:綺羅
空には空の大地が 雲居に水を得て
たゆたう心洗うよう この身にふり注ぐ

山には山の細波 花散る風仰ぎ
里居を忘れた小鳥が 眠りにつく奏

時知らず 芽吹いてく
矢羽根のあたたかいぬくもり

万世に 続いてく
いとなみを はかなき事に逸る命
大空 翔け昇る

月には月の縁が あるから生きられる
愛しい万物を守るため 光を湛えてく

月には月の縁が まばゆい影おとし
救いを求める万物へと その手を差し延べる

翼を高く広げて はばたくその時に
一粒こぼれ落ちた実が やがては花になる

月には月の縁が あるから生きられる
愛しい万物を守るため 光を湛えてく


※上記の曲は、販売しておりません。





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