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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第1029回『浜松の新じゃがいも』

6月1日放送

「初夏の散歩の食べ歩き…名物コロッケ巡り」

「初夏の散歩の食べ歩き…名物コロッケ巡り」

“水の都”静岡県三島市。
初夏の散歩で食べたくなるのは揚げたてのアツアツなご当地グルメ、コロッケです。三島では200軒以上の店がさまざまなコロッケを提供。
老舗精肉店では名物“みしまコロッケスペシャル”が人気です。
一年寝かせて甘みが増したじゃがいもでタネを作り、もち豚のバラ肉で巻いて揚げれば、じゃがいもの香りと豚バラ肉の旨みが口いっぱいに広がります。
味の決め手は良質なじゃがいも。
今、静岡県は新じゃがの収穫真っ盛りです。
中でも浜松市・三方原台地は県内一のじゃがいも生産量を誇ります。
年間を通して日照量が多く、野菜や果物が豊かに実る地域。
その中でも東京の市場で特に高く評価されているのが、1年のうち2カ月だけ出荷されるブランドじゃがいもの「三方原馬鈴薯」です。

「ホクホク 三方原馬鈴薯の秘密」

「ホクホク 三方原馬鈴薯の秘密」

地元の名店で腕を振るう和の匠・百谷正喜シェフも新じゃがの季節を待ちわびる一人。
三方原馬鈴薯を皮付きのままオーブンに入れて風味とホクホク感をアップさせ、クルマエビや生海苔などと合わせる「三方原馬鈴薯の饅頭」は旬を味わう一品です。
一方、曽祖父の代から続くじゃがいも農家・磯貝将大さんは「美しい馬鈴薯の肌を傷つけないように」と、毎年およそ40トンのじゃがいもをクワ一本で掘り収穫しています。
妻の麻衣さんは、新じゃがで得意料理を作ります。
じゃがいもを大きめに切り、米油に入れてから火にかけるのがホクホクに仕上げるコツ。
素揚げしてから枝豆や合挽き肉で作ったそぼろをあわせれば、外はカリッと中はホクホクのそぼろ和えが完成です。

「先人たちの思いをつなぐ 三方原馬鈴薯の誕生」

「先人たちの思いをつなぐ 三方原馬鈴薯の誕生」

じゃがいも農家・磯貝さんの案内で三方原馬鈴薯の原点がうかがえる場所へ。
一面雑草が茂る荒地です。三方原台地にはもともと川がなく、戦前までは作物が実らない不毛の地とされていました。
地面は濡れれば石のように固まってしまう赤土に覆われ、畑が作れなかったのです。本格的な開墾が始まったのは戦後。
満州からの引揚者たちなどが入植し、乾燥に強いじゃがいもの栽培に挑みました。
養分の乏しい畑を土から変えようと肥料集めに奔走し、赤土の畑の改善に延々と取り組んだのです。
そして苦節8年、ついに土は生まれ変わり、大きくて風味豊かなじゃがいもの収穫に成功します。
開拓者たちは誇りを胸に「三方原馬鈴薯」と名付けました。
今年も新じゃがの出荷時期。
しかし選果場での厳しい検査に合格しなければ「三方原馬鈴薯」とは名乗れません。第1次・第2次検査は人の目でチェックし、形の悪いものや傷があるものを取り除きます。
続いて第3次検査ではセンサーで空洞やでんぷんの量を測定。
すべての項目をパスしたじゃがいもが晴れて「三方原馬鈴薯」として出荷されるのです。

「大地の旨みを楽しむ 初夏のフレンチ」

「大地の旨みを楽しむ 初夏のフレンチ」

三方原台地の食材を生かした料理で評判のシェフがいます。
フランスでの修業を経て、地元に店を構えた山田秋晴シェフ。
地産地消を貫きながら本格フレンチを仕立ててきた“野菜料理”の達人です。
豊かな食材を提供してくれる生産者への感謝を込めて磯貝さんを店に招きました。
店のオープンから15年、毎年初夏のメニューに加える三方原馬鈴薯を使った料理をふるまいます。
その味は…是非お楽しみに!

取材先
制作担当

【ディレクター】熊倉 健一(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】成田 智彦(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)