食彩の王国 食彩の王国

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

過去の放送

第1025回『安曇野のわさび』

5月4日放送予定

「北アルプスの麓から世界へ 安曇野のわさび」

「北アルプスの麓から世界へ 安曇野のわさび」

北アルプスを臨む長野県安曇野市に海外からの観光客が詰めかけています。
目当ては…日本を代表するスパイス、わさび!日本食ブームもあり、今、わさびは世界で人気。
安曇野市で最大のわさび園「大王わさび農場」は、日本ならではの風景と食が楽しめると評判です。
レストランで人気のメニューは、わさびを丁寧にすりおろし、鰹節や海苔などとご飯にのせた、 “本わさび飯”。
また、豚の肩ロースをわさびの葉で包み、メレンゲをのせてオーブンで焼き上げると“塩釜ローストポーク”。
そば処では、刻んだわさびの花と茎を塩と砂糖でもみこみ、湯通しをしてから寝かせて、地元産山芋のとろろと一緒にそばにかけた“雪花ざるそば”が評判。
わさびの花のほのかな苦みと、とろろののど越しを楽しめます。

「安曇野のわさびに新たな息吹 若き農家の挑戦」

「安曇野のわさびに新たな息吹 若き農家の挑戦」

わさびは日本原産のスパイスと言われます。
飛鳥時代の木簡に「委(わ)・佐(さ)・俾(び)」の文字が、鎌倉時代の料理書にも「汁物の実として用いる」と紹介されるなど、日本の食文化に深く根差した食材です。
安曇野で栽培が始まったのは明治時代。
梨の果樹園に水が湧き出したことがきっかけだったといいます。
苗を植えてから収穫までおよそ1年半。北アルプスの豊かな雪解け水と、寒暖差の激しい風土がわさびをおいしくするそうです。
100年以上の歴史を誇る安曇野のわさび。
そこで新たな挑戦を始めた人がいます。
「安曇野黒岩わさび園」の二代目、黒岩潤一朗さんです。
カメラの付いたドローンを飛ばし、水の流れやわさびの育ち具合を上空から入念にチェックしています。
うまく育たたず緑がまばらな部分に気づいた黒岩さんは、畝の列の形をV字型に変え、水の流れを良くする工夫をしました。
きれいな水が行き渡り、元気なわさびが育ちはじめています。
北アルプスの雪解け水で育ったわさびは身がひきしまり旨みが詰まっています。
おいしいわさびを追求する黒岩さんの原点には、故郷への強い思いがありました。

「わさび田復活 そして次なる一歩へ」

「わさび田復活 そして次なる一歩へ」

黒岩潤一朗さんは大学卒業後、IT企業で勤務しますが、転機が訪れます。
安曇野に海外からの視察団がやってくるなど、わさびへの注目が高まるのを肌で感じたのです。
一方、農家の高齢化や環境の変化などで、わさびの生産量は年々減っていました。
自宅のわさび田でも、湧き水が止まり、荒れ果ててしまったところも。
黒岩さんが会社をやめ、わさび農家を継いだのは、32才の時。世界に誇る安曇野のわさびを守りたいと決心したのです。
取り組んだのは、荒れたわさび田を復活させることでした。
害虫の住処となる草むらを伐採。
きれいな水を守るため、農薬に頼るのではなく、手作業で刈り取ります。
荒れてしまったわさび田は自ら重機で地面を整え、うまく水がいきわたるよう流れを作って、苗が植えられるまでにしました。
さらにSNSでは、わさびのおいしい食べ方なども発信し、わさびのPRに励みました。安曇野のわさびの魅力をもっと発信していきたい…そんな思いを胸に、黒岩さんが訪ねた人物がいます。
地元長野の郷土食を研究し、体に優しい家庭料理にアレンジしたレシピを発表し続けている、料理研究家の横山タカ子さんです。

「世界に喜ばれる“わさびのもてなし和食”を!」

「世界に喜ばれる“わさびのもてなし和食”を!」

「ツンとする強い刺激だけではない、海外の方にも喜んでもらえるような料理を作りたい」と横山さん。
黒岩さんが持参したわさびを使って、横山さんの台所で新しいもてなし和食を作ります。
出荷のときに切り落とすことが多いわさびの「ひげ根」も魅力的な食材に。
葉の先から根まで、余すところなく、わさび農家も驚きのレシピを提案します。
一体どんな味わいに?

取材先
制作担当

【ディレクター】小松 知有(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】成田 智彦(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)