第1023回『春の原木しいたけ』
4月20日放送予定
「中華の匠も絶賛!春の原木しいたけ」



「中華の匠も絶賛!春の原木しいたけ」
春に旬を迎える意外な食材が…グルメガイドでも評価の高い中国料理店「龍圓」の栖原一之シェフが取り出したのは、なんと“春の原木しいたけ”です。
天然木を使い育てて、香りと旨みが強い原木しいたけ。
その中でも春に採れたものを“春子しいたけ”といい、冬を越えゆっくり育つため、身が締まっています。
そんな春子しいたけを使って、栖原シェフが生の食感を生かした一品を。
厚めに切り、アスパラと素揚し、醤油ベースのタレと炒めれば、香ばしさとプリプリの食感がたまりません。
中華の匠も絶賛する春子しいたけの産地は栃木県です。
「原木で育む 甘く肉厚な春子しいたけ」



「原木で育む 甘く肉厚な春子しいたけ」
栃木県は、森と水に恵まれ、約100年前から原木しいたけの栽培が始まりました。
地元で人気のイタリアンバルではしいたけの旨みを引き出すために、なんと一度凍らせるのだとか。
凍ったままのしいたけを芽キャベツやベーコンなどと煮込み、香り高いアヒージョに。
さらに、尚仁沢湧水にほど近い店では、大量の干ししいたけを使ったラーメン。
味わい深い一杯がたまりません。
地元の店で人気の原木しいたけを育てているのが矢板市の君嶋治樹さん。
君嶋さんは原木に打ち込む“種駒(たねこま)"を通常の半分の量にし、原木の養分をたっぷり吸わせているそうです。
さらに、原木を並べる「ほだ場」にも特徴が。
山林に作るのが一般的ですが、君嶋さんのほだ場は田んぼに建てたハウスの中。
細かい穴の空いたネットでハウスを覆うことで、雨を適度に遮りつつ、風通し良く育てることができるそうです。
出荷作業の合間、妻・みのりさんが“春子しいたけ”で昼ごはん作り。
しいたけの傘に餡を詰め、餃子の皮で包んだ餃子に、軸のきんぴら。春の力の源です。
「困難を乗り越えて 春の原木しいたけに賭ける夫婦の情熱物語」



「困難を乗り越えて 春の原木しいたけに賭ける夫婦の情熱物語」
君嶋さんの父・治さんは品評会で全国1位に輝いた原木栽培の名人でした。
君嶋さんは父のもとで学び家業を継ぎますが、春先でも20度を超えるなど気候の変化もあり、年々収穫量が減少。
そこで、全国から30種類以上の菌種を取り寄せ、気候にあった品種を探し続けました。
そして3年かけてようやく理想の品種に辿り着きます。
妻のみのりさんも、SNSで栽培の様子やレシピを載せて原木しいたけをPR。
軌道に乗り始めた頃、まさかの出来事が…。
2019年10月の大型台風で浸水し、原木の約7割が使えなくなってしまったのです。
そんな時、助けてくれたのがボランティアの人たち。
SNSで被害を知り、全国から復旧作業に駆けつけてくれました。
1万本もの原木を洗浄し君嶋さんのキノコ園は復活。今年も“春子しいたけ”は全国から注文が殺到しています。
「春の原木しいたけ×本格派フレンチの匠」


「春の原木しいたけ×本格派フレンチの匠」
そんな君嶋さんの評判を聞き訪ねてきたのが、宇都宮と本場パリに店を構えるフレンチの大垣直巳シェフです。
採れたての春子しいたけを蒸し焼きで試食してみると、香りの高さと歯応えに驚きます。
さっそく店に戻り、春子しいたけの新作に挑戦。
干した春子しいたけとフォアグラをコンソメで煮込んだ旨み溢れる一品。
さらに、生の原木しいたけを白ワインなどで煮込み、パイと合わせた香りや旨みがたっぷり詰まった一皿。
一体どんな味わいに?
取材先
制作担当
【ディレクター】熊倉 健一(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】成田 智彦(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)





