第1021回『淡路島 えびす鯛』
4月6日放送予定
「うず潮が育む、春一番の美味・淡路島 えびす鯛」
「うず潮が育む、春一番の美味・淡路島 えびす鯛」
いよいよ春本番。花は桜、魚は…そう桜鯛!今が旬で脂がのり、祝いの席で欠かせない存在です。今回は、極上の鯛を求めて、兵庫県・淡路島へ。
うず潮で知られる鳴門海峡の激流にもまれ、身が引き締まった天然鯛が育ち、“淡路島 えびす鯛“としてブランド化されています。
地元では、「鯛めし」やクリームチーズが入った「鯛のすり身入りはんぺん」、鯛の兜から出汁を取った「鯛ラーメン」など様々に楽しまれています。
江戸時代創業の老舗旅館「やぶ萬」では野趣溢れる郷土料理が評判。
料理長の折上文明さんが作るのは「宝楽焼き」。“宝楽”という素焼きの土鍋に鯛を丸ごと一尾のせ、塩焼きにします。
エビやサザエなどと盛り付け、地酒をかければ芳醇な香りが立ち昇ります。
さらにもう一品。一度揚げた鯛を蒸して、煮麺、パプリカ、錦糸卵などと盛り付けて「鯛めん」に。
彩りもめでたい一皿です。
「歴史ある淡路島の“献上鯛” 伝統漁を守る漁師親子の奮闘」
「歴史ある淡路島の“献上鯛” 伝統漁を守る漁師親子の奮闘」
淡路島は古くから「御食国(みけつくに)」として皇室や朝廷に食材を納めてきました。
中でも鯛は皇位継承に伴う大嘗祭に供える特産物として、「干し鯛」にして献上されてきました。
その献上鯛をとることを依頼された漁師の一人が橋野久洋さん。
地形を読みながら、長年の勘を頼りに鯛の群れを探り、久洋さんの合図で息子の吉徳さんが仕掛けを流します。
漁法は、鯛の群れを網へ追い込み、引き上げる伝統漁法の“ごち網漁”。
とった鯛は傷つけないようにすばやく網から外し、腹の空気を抜いて、船の水槽で活かします。
そんな新鮮な鯛を味わうのが漁師の楽しみ。
旨みの詰まった兜やカマの身を甘辛い出汁で煮込んで、アラ炊きに。
さらに自家製の一夜干しなど漁師ならではの料理が活力を与えてくれます。
「うず潮巻く 鳴門海峡!命がけの漁 島一丸となり“えびす鯛”を盛り上げる」
「うず潮巻く 鳴門海峡!命がけの漁 島一丸となり“えびす鯛”を盛り上げる」
淡路島 えびす鯛の漁場は、うず潮で知られる激流の鳴門海峡。海難事故が後を絶ちません。
鯛漁師の橋野久洋さんにもかつて絶体絶命の危機が!
網を引き上げるときロープが足に絡まり、海へ投げ出されたこともあるそうです。
危険が伴う「ごち網漁」の鯛漁師は高齢化もあり減少の一途…。
そんな中、息子の吉徳さんは代々続くごち網漁を絶やすまいと、跡を継ぐことを決意しました。
今、漁師にとって悩みのタネは痩せた鯛が多くなってしまったこと。
原因のひとつは、海の栄養不足。そこで漁師や行政は、森に植林したり、島に点在する、ため池の水を抜き、底に溜まった腐葉土の栄養分を流したりすることで豊かな海づくりを行っています。
さらに漁業資源を守るため、稚魚も放流。
島でとれる天然鯛を“淡路島 えびす鯛”と名付けブランド化し、食文化を盛り上げています。
「気鋭シェフが仕立てる華麗な“えびす鯛”フレンチ」
「気鋭シェフが仕立てる華麗な“えびす鯛”フレンチ」
そんな“淡路島 えびす鯛”を使って新作料理に挑戦したい!と橋野さん親子を訪ねたのが、島で人気のホテルのフレンチレストラン「カドー・ドゥ・ラ・メール」の島岡雄一シェフ。
淡路島の食の豊かさに惹かれ、6年前に移住した島岡シェフ。
早速、とれたての鯛を刺身やアラ汁でいただくと、プリプリの食感や出汁の旨みの強さに驚きます。
えびす鯛の魅力を改めて感じた島岡シェフはレストランへ戻り新作に挑戦。
まず、兜をオリーブオイルでアロゼして、アラ出汁や魚介ソースを加え、ハーブ、トマトなどを散らした春爛漫の一品。
さらに、旬の筍をくり抜き、タマネギなど淡路島の食材と鯛を入れ、火で焼いて…淡路島を丸ごと味わえる一皿。
一体どんな味わいに?
取材先
制作担当
【ディレクター】植田 裕久(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】成田 智彦(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)