第1015回『宮城のせり』
2月17日放送予定
「春の七草 せり料理の饗宴」


「春の七草 せり料理の饗宴」
寒さの中にも春の息吹を感じる季節。今回の主役は、春の七草のひとつ「せり」です。天ぷらや、だし巻き玉子、炊き込みごはん、栄養たっぷりのせりは食卓の強い味方です。
東京・神田には、寒い冬にピッタリの料理が楽しめる「季節料理 竹仙」があります。
せりが主役として根まで味わい尽くされる“せり鍋”は、滋味深い味わいが身体に染み渡ります。
一方、東京・日本橋にある割烹「日本橋水天宮 七灯舎」で、せりを心待ちにしていたのが佐藤健一さん。
せりの独特な香りと食感を活かした独創的なせり料理が評判です。
和牛の肩ロースと合わせたせり巻きや、すり流しに旬のハマグリをまとわせれば、至福の味わい。
全国から選りすぐっている佐藤さんが使っているのは宮城・名取産のせりです。
「宮城・名取のせり アイデア満載の地元料理」


「宮城・名取のせり アイデア満載の地元料理」
日本有数のせりの産地、宮城県名取市。地元の料理店「そば処 田舎」の名物は、せりのカツ丼、名付けて “競り勝つ丼”。
競り勝つというので、受験生などに人気です。
「ゆりあげ 若草寿司」では、湯がいたせりを巻いて、寿司に。
代々せり農家の三浦隆弘さんによれば、寒さに当たったせりは甘みや香りが強く、根元には旨みが凝縮されるそうです。
歴史も古く、江戸時代、第4代仙台藩主・伊達綱村の書状にも「芹も前々より名取のㇵよろしくて候て…」という記述が残されています。
とれたてを使えるのが農家ならでは。
三浦さんの母・俊美さんが手早く作れる料理を教えてくれます。
キクラゲとさっと炒めてラーメンにトッピング!?明日への活力源です。
「有機農法に転換し、“せりしゃぶ”のブームを起こす農家の奮闘」


「有機農法に転換し、“せりしゃぶ”のブームを起こす農家の奮闘」
20年程前、稼業を継ぎ、せり農家となった三浦さん。当時は、農薬などに頼る慣行農法でしたが納得のいく味のせりを育てたいと、農業書を読み、専門家のアドバイスを受けて探求。試行錯誤の末、有機農法に辿り着きました。しかし、思わぬ厄介ものが…それは外来種のアメリカザリガニ。せっかく育ったせりの茎を切って食べてしまうのです。
また、6年前の大型台風では、植え付けた苗の半分以上が流されてしまいました。
さらに、以前は根を食べる食習慣が無く、根を切って出荷していましたが、根を食べなければせりの魅力が生かしきれていないと感じ、仙台にある知人の店「いな穂」に相談に行き…。
お互いの知恵を絞り生み出したのが、根までおいしく食べられる“せりのしゃぶしゃぶ”。
これが店の看板メニューとなり、遠方からも客が訪れるようになりました。
さらに、東日本大震災の復興応援の一環として注目を集め、大ブレイクしたのです。
その後も様々なアレンジがされて広まり、地元の食文化に新たな展開をもたらせています。
「宮城のせりに新たな息吹 地元食を彩るフレンチ」


「宮城のせりに新たな息吹 地元食を彩るフレンチ」
宮城の食材で独創的なフレンチを生み出す、「ラトリエ ドゥ ヴィーブル」の吉田勝信シェフは、これまで三浦さんのせりを使った料理を作ってきました。
しかし「さらなる新作フレンチを作り、地元の食を盛り上げたい!」と生産者三浦さんを訪ね、初めて収穫を体験します。
収穫したばかりの根の付け根を試食すると、噛んでいるうちに甘みが出てくることに驚きます。
現場でヒントをつかんだ吉田シェフがさっそく新作に挑戦。
せり田をイメージした一皿や、せり鍋をオマージュして、フレンチ風に仕立てた渾身の一皿とは…
取材先
制作担当
【ディレクター】植田 裕久(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)





