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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第1013回『青森の真鱈』

2月3日放送予定

「味わい多様な陸奥湾の宝!真鱈」

「味わい多様な陸奥湾の宝!真鱈」

今回の舞台は青森県の陸奥湾。冬になると真鱈が産卵のために陸奥湾に押し寄せてきます。産地の青森で特に人気なのは、白子。オスの腹にある白子は、クリーミーな味わいが特徴で、その価値はメスが持つ真鱈子の倍以上になっています。その人気の裏にあった、ある人気漫画とは?さらに、白子を使った今評判のアイデア料理も登場します。
江戸時代、初鱈は塩をして将軍にも献上されていました。青森県民にとっての真鱈は、古くから歳暮や年取り魚として重宝されてきた冬のタンパク源。身や白子だけでなく、骨や皮などのアラもみそ仕立ての郷土料理「じゃっぱ汁」として食べられてきました。
東京にも真鱈の季節を待ち望んでいたのは、人気フレンチの鳴海陽人シェフは青森出身。
青森の食材を活かし切るフレンチが高く評価され、ミシュランガイドで星を獲得しています。そんな鳴海シェフが仕立てる、真鱈を使った絶品料理とは?さらに、鳴海シェフが厚い信頼を寄せる青森の鮮魚商とは一体?

「信頼厚き鮮魚商 鮮度の秘密!」

「信頼厚き鮮魚商 鮮度の秘密!」

青森市の中心街に店を構える「塩谷魚店」。店主の塩谷孝さんこそ、鳴海シェフが信頼を寄せる目利きです。全国各地に魚を発送している塩谷さんの名人技は魚の鮮度を保つこと。特に真鱈は弱りやすい魚なので、浜で直接買い付けます。とれたてを漁師から受け取った真鱈を活魚車に積み、店に戻れば素早く神経締めをして、客の料理のタイミングに合わせて締め方を調整します。神経締めとは、魚の神経を一気に抜き、鮮度を保つことです。

「真鱈に賭ける鮮魚商の奮闘物語」

「真鱈に賭ける鮮魚商の奮闘物語」

塩谷さんが魚屋を継いだのは24歳の時。ですが、顧客が大幅に減ってしまい一人前になる前に苦境に立たされてしまいました。そこで考えたのが、漁船に乗せてもらい生の魚で目利きの腕を磨くこと。漁のない日を狙って市内のパチンコ店を巡り、漁師に声をかけて、少しずつ関係性を築いていきました。さらに、たくましい体の漁師たちに認めてもらおうと、ボディビルで体を鍛えた塩谷さん。始めて1年で県大会で新人賞を取るまでになりました。そんな努力と苦労の甲斐あって、様々な漁に同行しながら、魚の目利きを磨いていったのです。
神経締めを始めたきっかけは、遠方の顧客への発送を可能にするためでした。魚の鮮度を保ったまま、青森の魚を届けたいと考えていた矢先、店を訪れた客に「神経締め」という手法があると教わったのです。それから独学で、さまざまな道具を使い、魚の締めかたを試す試行錯誤が続き、5年もかけて習得しました。
塩谷さんの神経締めはたちまち評判になり、今では得意先は500軒にも及び、多くの信頼を集めています。

この日、塩谷さんは初心に帰り、真鱈漁の船に乗せてもらうことにしました。地元でも一目置かれる漁師、西谷文昭さん夫妻です。改めて漁師の丁寧な水揚げの仕方と養生に感服。その鮮度を保つ技術向上を目指します。

「人気創作料理人が魅せる!真鱈の新作料理」

「人気創作料理人が魅せる!真鱈の新作料理」

塩谷さんが締めた真鱈を使って新作を作りたいと、料理人が訪れました。青森市内で創作料理店を営む溝江亮輔シェフです。神経締めを施した真鱈を捌いてみると、活きのよさからピクピクと身が動き、取り出して湯引きした白子の味わいと鮮度に驚きます。店に戻り、早速鮮度を活かす新作に取り掛かる溝江シェフ。
真鱈の鮮度を活かし切る料理に、試食に訪れた塩谷さん、漁師の西谷夫妻の反応は?

取材先
制作担当

【ディレクター】保坂秀司(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)