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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第1011回『大塚にんじん』

1月20日放送予定

「旨みたっぷり長〜い大塚にんじん」

「旨みたっぷり長〜い大塚にんじん」

寒さが身に染みる頃、にんじんの温かいシチューは身も心も暖めてくれます。
よく見慣れた短いにんじんではなく、長さ1mにもなるにんじんを生産しているのが、山梨県・市川三郷町 大塚地区。
「大塚にんじん」といい、長さ約80cm〜1mにもなり、栄養価も高く、甘い、この地区の伝統的なにんじんです。
甲州市にある“そば丸”では、そば粉を使った衣を纏わせ、天ぷらに。甘くサクサクな食感が蕎麦と相性抜群です。
地元の料理店、“みはらし亭”では、大塚にんじんを細切りにし、ご飯にどっさり乗せたら…色鮮やかな釜飯に。
さらに、直売所などでも客が次々に手に取っていきます。

「肥沃な土壌が美味しさの秘密」

「肥沃な土壌が美味しさの秘密」

大塚にんじんの美味しさの秘密を生産者の岩下七郎さんに伺ってみます。
大塚地区は「のっぷい」と呼ばれる肥沃でサラサラな火山灰を含む土壌で、石が少ない土のため、長く育つそうです。
昭和時代に栽培が盛んだったという大塚にんじん。
当時を知る、三神邦秀さんによると、リアカーに乗せ、1軒、1軒、売り歩いたと言います。
そんな大塚にんじんですが、昭和後期になると、労力がかかることや、果樹栽培などが盛んになったことで、生産する農家が3軒ほどまで減ってしました。

「夫婦で作る伝統野菜 大塚にんじん」

「夫婦で作る伝統野菜 大塚にんじん」

そんな大塚にんじんを10年程前から栽培し始めたのが、杉山成江さん、克己さん夫婦です。
成江さんは父が亡くなった事をきっかけに両親の畑を継ぎ、地元の特産である大塚にんじんを作り始めます。
2年後、克己さんも農業の魅力に惹かれ、一緒に畑をすることに。継いだ畑は傾斜だったため、大雨が降るとせっかく発芽したにんじんが流されてしまったのです。
そこで、新たに平坦な畑で栽培することを決断します。
そうして安定して生産することができるようになったのですが、さらなる試練が。夏の暑さで発芽しないものが多くなってしまったのです。
そこで、農業書などを読み、たどり着いた対策とは…?
そんな杉山さんのにんじんは今では、老舗洋食店のケーキなどで使われるようになりました。
杉山さん自身もより多くの方に魅力を発信したいと、女性部の方に料理を教えてもらいます。
大塚にんじんが無くなってしまうと危機感を抱いた町でも、収穫体験などを通して、全国に魅力を発信しています。

「日本料理の匠が仕立てる大塚にんじんの新作料理」

「日本料理の匠が仕立てる大塚にんじんの新作料理」

そんな杉山さん夫婦の元に八ヶ岳の麓にある“八ヶ岳えさき”の料理長・江﨑新太郎さんがやってきました。
江﨑さんが開いていた東京の店は、グルメガイドに三つ星で掲載されるほどの有名店。
さらなる食材の探求のため、山梨県へやってきました。
さっそく採りたてを食べてみると、繊維が少なく、にんじん本来の旨みが強いことに気が付きます。
ヒントを得た江﨑さんは店に戻って新作に挑戦。
繊維が少ないことや甘みを生かす一品に。さらに低温で1時間じっくり揚げる一品。
旬の伊勢海老を合わせ、カレー粉とコーヒー豆で香り付けしたソースをかけて、一体どんな味わいに?

取材先
制作担当

【ディレクター】 小松 知有(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)