第1009回『加賀れんこん』
1月6日放送予定
「正月料理の縁起物 れんこん」



「正月料理の縁起物 れんこん」
今回はおせちに欠かせない先の見通しがきく縁起物、「れんこん」が主役。
ビタミンやミネラル、食物繊維など栄養も豊富で、和食・洋食・中華、どのジャンルにも引っ張りだこ。
加賀百万石の城下町、金沢には貴重なれんこんがあります。
それが伝統野菜「加賀れんこん」。
名物のおでんにも重宝され、甘く粘りが強いのが特長です。
栽培が始まったのは江戸時代。加賀藩5代藩主の前田綱紀の頃に始まり、明治時代に普及したといわれています。
市民の台所と言われる「近江町市場」では、保湿のため泥付きで販売。
青果店の店主などにおすすめの食べ方を聞くと、「蓮蒸し(はすむし)」と口を揃えます。評判の日本料理店「金澤せつ理」の河田康雄さんに料理していただきます。
郷土の味、「蓮蒸し」とは?
そして河田さんイチオシの「鍬掘り(くわぼり)」の加賀れんこんとは?
「百万石の美味!加賀れんこん 伝統の鍬掘りとは?」



「百万石の美味!加賀れんこん 伝統の鍬掘りとは?」
鍬掘りの加賀れんこんを探して金沢郊外の産地へ。
伝統を受け継ぐのは代々農家の坂井靖男さんです。
鍬掘りとは、一般的なホースの水圧で収穫する水掘りとは違い、泥田をれんこん専用の鍬を使って手作業で収穫する農法のこと。
今では貴重な存在です。泥田を掻き分けながら、わずかに見えるれんこんの芽を頼りに収穫していきます。
鍬掘りのれんこんは、栄養豊富な土の中で育つので粘りが強く味わい深くなるのが特長。収穫後は、余分な泥を落としながら状態をチェック、箱詰めして全国各地へ出荷されていきます。
「病気に負けない!若き農家の奮闘」



「病気に負けない!若き農家の奮闘」
今でこそ順風満帆な坂井さんですが、それまでには苦難が。
東京の農業大学を卒業後、父の跡を継ぎ、ある異変に気づきます。
それは土壌の病原菌が原因でれんこんを腐らせてしまう腐敗病。
病気をなくしたいと専門書を読み、専門家に相談したりして辿り着いたのは肥料の見直し。
もみ殻や有機肥料などに切り替えたのです。
すると5年後には腐敗病が減少、立派なれんこんを生産できるように。
今、坂井さんの気がかりは高齢化による鍬掘りの担い手の減少。
20年前200人近くいた農家は10分の1にまで激減してしまったそうです。
そこで坂井さんは後継者を育成。坂井さんのもとで少しずつ鍬掘りを始めています。
さらに地元の小学校で食育にも力を入れ、「鍬掘り」の伝統を伝えています。
「新進気鋭のシェフが魅せる!鍬掘りの加賀れんこんの新作フレンチ」



「新進気鋭のシェフが魅せる!鍬掘りの加賀れんこんの新作フレンチ」
そんな坂井さんのもとを訪ねたのは金沢の人気フレンチレストランの西山昭二シェフ。
華麗なフレンチを生み出すシェフが大切にしているのは地元・金沢の食材。
これまでは水掘りの加賀れんこんを使ってきましたが、今回、初めて鍬掘りのれんこんを使って新作に挑戦。
早速、収穫を体験しますが泥田に大苦戦。
さらに坂井さん、シェフに使って欲しいというのが、枝芽と呼ばれる規格外のものや、へこんで形の良くないれんこん。
坂井さんのお宅で農家料理「すり流し汁」を試食した西山シェフはその粘りと旨みにびっくり。
レストランへ戻り、坂井さんの鍬掘りれんこんを使って新作フレンチに挑みます。
1品目は、立派なれんこんと旬のマダラの白子を合わせて。
2品目は、「すり流し汁」をヒントに、形の良くないものと規格外の枝芽を使って。
試食に招いたのは、農家の坂井さん、果たして反応は?
取材先
制作担当
【ディレクター】 植田 裕久(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)





