第987回『加賀太きゅうり』
7月15日放送予定
「夏に涼を呼ぶきゅうり」



「夏に涼を呼ぶきゅうり」
今回は暑い夏に涼を感じさせてくれる「きゅうり」が主役です。
石川県・金沢の近江町市場へ行ってみると、大きなきゅうりが!
夏の加賀野菜の一つである加賀太(ふと)きゅうりです。通常のきゅうりよりも約5~6倍の大きさで、しっとりと甘い味わいが特長です。
夏でも愛されている金沢おでんの名店・赤玉本店では、太きゅうりの皮をむき、タネを取って輪切りにし出汁を染み込ませて夏野菜などと合わせた冷たく仕上げたおでんが人気です。
一方、江戸時代創業の料亭、つば甚の料理長・川村浩司さんの、金沢名物の甘エビと合わせた冷やし鉢や、夏にスタミナを与えてくれる豚肉と炒めた一品が登場します。
「百万石の美味 加賀太(ふと)きゅうり」



「百万石の美味 加賀太(ふと)きゅうり」
そんな加賀太きゅうりが育てられている、金沢の安原地区へ行ってみると…
収穫の最盛期を迎え、生産者の太平(たいら)幸久さんと妻の佳寿子さんは大忙しです。
昭和初期に福島県のきゅうりと金沢の在来種が自然交雑して誕生した加賀太きゅうり。
年間約100万本が全国各地へ出荷されています。
地元の家庭では、鶏ひき肉と合わせて「あんかけ」にしたり、「ナムル」や「かき揚げ」にして楽しまれています。
「加賀太きゅうりに賭ける奮闘物語」



「加賀太きゅうりに賭ける奮闘物語」
加賀太きゅうりは金沢を代表する夏野菜ですが、伝統種ならではの苦労があるそうです。
大きな実をつけるので、“成り疲れ”がおき、曲がった実になってしまったり、ひび割れしやすくなってしまいます。
そこで太平さんは少しでもロスを減らしたいと、試行錯誤の結果、
辿り着いたのが“追肥”。
生育状況を見ながら、肥料を与え、水を撒いて浸透させることで、立派な実が多く取れるようになったそうです。
さらに自然災害の苦労も…平成3年に起きた台風19号では、ハウスが約7割倒壊してしまうなど、大きな被害を受けました。
そんな中、地元の太きゅうり農家は一致団結し、栽培法の共有や、農協や自治体と協力した販売促進、地元の飲食店などとコラボして、太きゅうりの魅力を発信しています。
そんな太きゅうりのタネは門外不出。熟した実からタネをとり、温度や湿度を管理し大切に保管されているおかげで、伝統が守られています。
「加賀太きゅうり×華麗なフレンチ」


「加賀太きゅうり×華麗なフレンチ」
そんな加賀太きゅうり農家を応援したいと、金沢の人気フレンチレストラン-エンヌ-の西山昭二シェフが畑へやってきました。
採りたての新鮮さと甘さに感動。
さらにひび割れの太きゅうりをバターとベーコンの炒め物を食べてヒントを得たシェフ。
さっそくレストランへ戻り、新作に挑戦します。
香りの高い鮎と太きゅうりのもぎたての香りを生かした一品に。
また金沢名産のバイ貝とひび割れた太きゅうりを活かす料理は必見です。
取材先
制作担当
【ディレクター】植田 裕久(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)





