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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第985回『田野畑山地酪農牛乳』

7月1日放送予定

「暑さを乗り切る万能食材!牛乳」

「暑さを乗り切る万能食材!牛乳」

夏の暑さを乗り切る「牛乳」が今回の主役です。
東京・三軒茶屋のカフェでは、生クリームのホイップに生乳を混ぜた特製ソースをティラミスにたっぷり添えた新感覚のスイーツが大人気。足立区で牛乳配達も行う「みるく 本店」で今話題なのが、「牛乳食パン」。脂肪分の高い牛乳と小麦粉で練った生地を焼き上げると、焼きたては驚くほどふわふわモチモチ。奥深い味わいがやみつきになります。
店主の金子雅一さんが長年取り扱いたいと願っているのが、岩手で飲んだ「山地酪農牛乳」。
いったいどんな牛乳なのでしょうか。

「田野畑山地酪農牛乳 爽やかな香りの秘密」

「田野畑山地酪農牛乳 爽やかな香りの秘密」

岩手県・田野畑村にある吉塚農場では、牛が山地に放牧されています。
山地酪農とは、山間地の自然と牛を共生させて、健康な牛から牛乳をしぼる酪農法。その時期の旬の草花を自由に食べるため、山地酪農の牛乳はほのかに草の香りがします。
この地で山地酪農を営む吉塚公雄さんは、後を継いだ長男・公太郎さんと共に、牛たちの世話をしています。自家製の乳製品を担当するのは、四男の雄志さん。「白仙」という名のダブルクリームチーズは、牛の生ハムと相性ピッタリです。
この時期は牛の出産シーズン。この時期母牛の乳はタンパク質が特に豊富だそうです。その牛乳で作る家庭料理が、沸騰直前に酢を入れて煮詰めただけの牛乳豆腐。そして玄米と煮込んで塩で味付けした牛乳ご飯。
昔、おかずのない生活ではこれがご馳走でした。
「ロレオール田野畑」の伊藤勝康シェフは、東日本大震災の炊き出しをきっかけに三陸の食の豊かさに惹かれ、この地に店を構えました。そんなシェフも田野畑山地酪農牛乳のファン。サクラマスと新じゃがいもを山地酪農牛乳のバターでソテーし、牛乳で煮込んだクリームシチューは絶品です。

「山地酪農に賭ける家族の情熱物語」

「山地酪農に賭ける家族の情熱物語」

吉塚さんは大学時代に山地酪農を知り、理想の酪農法だと衝撃を受け、教授の紹介で岩手県に入植しました。しかし、山林を手に入れたものの、イチから木を切り倒して牧草地にする開拓をしなければなりませんでした。当時の食事は、玄米にごま塩を振っただけ。その結果、栄養失調になる程打ち込んだそうです。
そんな折り、縁あって結婚した妻の登志子さん。明るく暮らしを支え、7人の子供を立派に育てました。
やがて10年以上かけて開墾し、牛3頭を飼い始めましたが暮らしは困窮。子供たちがお年玉をかき集めて生活の足しにするよう吉塚さんに渡したこともありました。そうして苦労の末、納得の行く牛乳を絞っても農協に出荷すれば他の牛乳と混じってしまう。これではダメだと吉塚さんは、自分たちで独自にブランド化して山地酪農牛乳を広めようと、大学の先輩で山地酪農仲間の熊谷隆幸さんと共同でブランドを立ち上げ、徐々に「田野畑山地酪農牛乳」を広めていきました。今では道の駅でも大人気に!通販も評判です。
四男・雄志さんが作る白仙(山地ダブルクリーム)はワールドチーズアワーズでシルバー賞にも輝きました。

「岩手フレンチの匠が魅せる!田野畑山地酪農牛乳料理」

「岩手フレンチの匠が魅せる!田野畑山地酪農牛乳料理」

岩手フレンチの匠、伊藤勝康シェフが、吉塚さんの情熱に捧げる料理を作ります。
地元の名産・岩手がもに田野畑山地酪農牛乳の味わいをまとわせた一皿に、
また、雄志さんが作った「白仙」を使って作る一皿とは…。吉塚さんも感動の声をあげます。

取材先
制作担当

【ディレクター】保坂 秀司(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)