第950回 『梅山豚』
10月8日放送
「幻の豚 “梅山豚”」
「幻の豚 “梅山豚”」
茨城県・境町には、日本に原種がおよそ100頭しかいないという、幻の豚の姿が。その名も“梅山豚(メイシャントン)”。中国原産で、大きく垂れた耳やつぶれたような鼻は『西遊記』に登場する猪八戒のモデルになったとも言われています。最大の特長は、甘くくちどけの良い上質な脂です。
東京・目黒に店をかまえる「セラフェ」では、梅山豚のうま味を凝縮したパテ・ド・カンパーニュなどがいただけます。糀谷にある「和郷」では、梅山豚の脂を活かし野菜を美味しく味わえる日本料理も。さらに、比較的リーズナブルな価格で梅山豚をいただけるのは、赤坂にある「まるしげ」です。ロースカツなどの梅山豚グルメは、お酒のアテにもぴったり!ぜひ、お試しください!
「とにかく手がかかる!わがままな梅山豚」
「とにかく手がかかる!わがままな梅山豚」
幻の豚“梅山豚”を茨城県境町で生産しているのは、塚原牧場の塚原昇さんです。
とにかく手がかかるという梅山豚の飼育。「世界一赤ちゃんを産む豚」と言われる程一度にたくさんの赤ちゃんが生まれるため、全員が母乳にありつけるよう1時間ごとに入れ替え作業を行うなど、細かく行き届いた世話が欠かせません。さらに塚原さんは、米や小麦など10種類以上をブレンドし、エサとして与えているのだとか。そうして丁寧に育てられた梅山豚は、肉汁豊かな赤身肉と格別に甘い脂を持つ、極上の豚肉となるのです。
そんな梅山豚を、生産者のみなさんは一体どのようにして召し上がっているのでしょうか…?今すぐご家庭で真似できる梅山豚メニューは必見です!
「幻の豚に賭ける 梅山豚物語」
「幻の豚に賭ける 梅山豚物語」
養豚業を営む父親の手伝いをしていたため、幼い頃から豚に関する知識は大人顔負けだったという塚原昇さん。大学卒業後は投資ファンドに勤務していましたが、父親が中国から梅山豚を輸入したことが、大きな転機となりました。思うように育たない梅山豚の事業が赤字となるなか、白羽の矢が立ったのが塚原さんだったのです。しかし、生まれた梅山豚の子豚は半数以上が育たず、大人になれても、同じ牧場で飼っている一般的な豚に追いやられ、病気になってしまうこともありました。そこで塚原さんは、梅山豚だけを手塩にかけて育てるという、大きな賭けに出たのです。
それでもなお、珍しすぎる梅山豚は、市場に出荷しても“規格外”という低い評価を受けたといいます。よりいい肉にするため大学院に入学した塚原さんは、エサの研究などを行い、さらにはアメリカ産のデュロック種の豚と掛け合わせた、ハーフの梅山豚も誕生させました。
そんな梅山豚に人生を賭けた、塚原さんの人生に迫ります!
「匠の技×梅山豚の野性味 新作フレンチ」
「匠の技×梅山豚の野性味 新作フレンチ」
東京・恵比寿にあるフランス料理店「レクテ」は、ミシュランガイド東京に4年連続で掲載されています。パリの名店で料理長を務めた経歴をもつ佐々木直歩シェフは、11年前、国内の一流食材を探していた際に塚原昇さんの牧場を訪ねました。そこで梅山豚と出会い、「豚肉に対する概念が変わった」という佐々木シェフ。今回、生産者である塚原さんへの感謝を込めて、新作料理を手掛けることにしました。アメリカ原産の豚を掛け合わせた梅山豚を使った逸品に加え、特に貴重な純血種の梅山豚を使った一皿も登場します。独特の野性味を優しく活かす、その技とは…?お楽しみに!
取材先
制作担当
【ディレクター】田中 良介(テレビ朝日映像)
【プロデューサー】高橋 司(テレビ朝日映像)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)