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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第949回 『里川かぼちゃ』

10月1日放送予定

「秋を彩るかぼちゃ」

「秋を彩るかぼちゃ」

今回は、朝晩涼しくなる季節にぐんと旨みを蓄える“かぼちゃ”です。
東京・三軒茶屋には、その名もカボチャ!というユニークな専門店があります。30種類ほどのスイーツにかぼちゃを活かしています。蒸し煮にしたかぼちゃにバターや砂糖を加えて、パイ生地にたっぷりと詰め、トッピングにかぼちゃの種をあしらえば…こっくりとしたパイに。かぼちゃの旨みと種の食感がたまりません。
麻布十番にあるイタリアンのPiatto Suzukiでは独創的なかぼちゃ料理が評判です。伝統的なイタリア料理を基本に、達人の技でアレンジを加える鈴木弥平シェフ。茹でたかぼちゃを裏漉してニョッキに。2品目はかぼちゃと野菜のブイヨンスープで作るリゾットに。達人が仕立てる、かぼちゃの魅力を生かしきる料理に注目です。茨城県出身の鈴木シェフが、いま興味を持っているのが、郷土の味・里川かぼちゃだと言います。

「幻の甘さ!里川かぼちゃ復活に賭ける奮闘」

「幻の甘さ!里川かぼちゃ復活に賭ける奮闘」

鈴木シェフが向かったのは、里川かぼちゃを生産している茨城県・常陸太田市の里川町。一度失った在来種の里川かぼちゃを復活させたのが荷見(はすみ)誠さんです。標高が高い里川町は昼夜の寒暖差が大きいため糖度を増し、畑で完熟させることによって特別甘くなります。その糖度は15度とメロン並みの甘さに。鈴木シェフが採れたてを食べてみると「今まで感じたことのない甘みと旨みだ」と感動。さらに、荷見さんの妻・カツ子さんが作る甘煮やコロッケも試食したシェフは、新作イタリアンのヒントを得ます。
戦時中の食糧不足に備え、各地の品種を掛け合わせることで生まれた里川かぼちゃは、荷見さんにとって思い出の味です。しかし、育てやすい西洋かぼちゃに押されて、姿を消してしまったのです。そこで荷見さんは、もう一度復活させたいと一念発起。地域で自家栽培していた種を集め、花が咲くそばから手で受粉させ、袋をかぶせて別の花粉と混じらないように工夫しました。しかし、思い出に残る強い甘みにはなりません。そこでヒントになったのが、りんご農家がりんごを甘くする工夫でした。そこから編み出した起死回生の策が、銀の板?
特別甘いかぼちゃを復活させた荷見さんは、地元のスーパーなどに出荷する傍ら、一年中スイーツなどに生かせる“かぼちゃパウダー”を地元企業と共に考案。さらに、地元の大学生たちにも協力してもらって、レシピ開発もします。

「達人が仕立てる 里川かぼちゃの新作イタリアン」

「達人が仕立てる 里川かぼちゃの新作イタリアン」

里川かぼちゃの魅力に触発されたイタリアンの達人・鈴木弥平シェフは、荷見さんのキッチンを借りて、感謝を伝える新作料理に挑戦します。揚げたかぼちゃとビネガーで和えた野菜に葉やツルをトッピング!さらに、荷見さんが養魚場で育てるニジマスに着目。かぼちゃの甘い香りのソースとニジマスを合わせた一皿は、一体どんな料理になるのでしょう。

取材先
制作担当

【ディレクター】島越 翔平(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)