食彩の王国 食彩の王国

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第945回 『たまご』

9月3日放送

「食卓の万能選手“たまご”」

「食卓の万能選手“たまご”」

夏バテ対策にピッタリな食材といえば…たまごです。
神奈川県・箱根で、多くの著名人や外国人に愛されてきたのが富士屋ホテル。そこでおよそ100年ほど前から食べられてきた卵料理が“エッグベネディクト”。イングリッシュマフィンに具材とポーチドエッグ、そこに、たまごで作ったオランデーズソースをたっぷりかけて…半熟の黄身とソースで、見ているだけで食欲をそそります。さらに、ホテル独得の揚げたフレンチトーストに、卵黄が入った栄養満点のオレンジジュースも登場します。
東京・上野駅には一風変わった店が出店しています。その名も“幻の卵屋さん”。全国から取り寄せた約90種類のたまごから自由に選べます。黄身がオレンジや白いもの、殻が緑色のものも…。店の代表・上野さんに、独特の黄金比で作るたまごかけご飯を教えて頂きます。
たまごはフレンチでも大活躍。東京・南青山にある、ラ・ロシェルの総料理長・川島孝シェフのスペシャリテは、たまごを使ったグラタン。なんと殻を器に!魚介の旨味と黄身が合わさったグラタンは濃厚な味わいです。
そんな川島シェフが気になっているたまごが千葉県にあるそうです。

「プリプリな卵白に賭ける3代目の挑戦」

「プリプリな卵白に賭ける3代目の挑戦」

川島シェフが訪ねたのは、千葉県・袖ヶ浦の養鶏農家3代目の北川貴基さん。鶏の成長度合によってたまごに違いが出るため、2ヵ月ごとに鶏舎を分けて育てています。一番若いたまごを試食してみると、卵白のプリプリ感に驚きます。さらにシェフが注目したのは、トウモロコシや大豆、米も入った餌。それがたまごを生かす料理のヒントになります。
元々、子どもの頃は家業を継ぎたくないと思っていた北川さんですが、海外での農業研修でプライドを持って働く農家に感銘を受け、養鶏業を継ぎました。しかし、その矢先、価格競争に破れて大口の客を失い、経営の危機に…。そこから飛び込み営業に走り回り、唯一受け入れてくれたパティシエに「北川さんのたまごは卵白が良い」と言われ、卵白の強さに気がつきます。再び客が増えてきた頃、卵白が水っぽいと苦情が来ます。春先など、寒暖差が大きい季節は鶏が体を崩しやすく、卵に影響が出てしまうのです。その対策として、送風機の設置やカーテンの開け閉めなどを工夫しました。さらに2019年には台風15号で鶏舎が4棟も倒壊…。様々な苦難の中で、すき焼の老舗・浅草今半も太鼓判を押し、3年連続で農林水産大臣賞を受賞するほどの卵を作り上げた3代目の奮闘とは。

「達人が仕立てる華麗なたまごフレンチ」

「達人が仕立てる華麗なたまごフレンチ」

北川さんのたまごに驚いたフレンチの達人・川島シェフ。店に戻って新作料理に挑戦します。
まずは卵白のプリプリ感を活かした一皿。「油に入れても跳ねにくい」と言う利点を生かし、フライドエッグにしてフォアグラなどと合わせたハンバーガー仕立てに。
さらに農場で感じた印象を表現した2皿目。コンソメで漬けたたまごの燻製に、鶏が食べていた餌から発想したトウモロコシや豆、米などを使って、メインの一皿。一体どんな料理に?

取材先
制作担当

【ディレクター】土井 晴美(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)