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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第939回 『キャベツウニ』

7月23日放送予定

「黄金色に輝く宝石 ウニの贅沢な逸品」

「黄金色に輝く宝石 ウニの贅沢な逸品」

広がる磯の風味と濃厚なうま味、食べればちょっと贅沢な気分に浸れるウニ。
東京・銀座に店をかまえる「鮨処 いし原」では、数種類のウニをテイスティングすることができ、その中から自分好みのウニを、おすすめの食べ方で握ってもらえます。一方、新宿にある「海栗屋」では、2種類のウニを合せた秘伝の黄金スープに、カンパチや鯛などの新鮮な魚介をしゃぶしゃぶ。出汁をたっぷりと吸った雑炊で締めれば、ウニのうま味を余すことなく味わい尽くせます。
さらに四谷には、前菜からデザートまでウニづくしなレストランがあります。その名も「ウニココ」。日本各地で獲れた約15種類のウニが並び、ウニを知り尽くしたシェフが様ざまな食材とウニを組み合わせて作る、幅広いアイデア料理が人気です。
旬を迎えたウニの、贅沢な料理の数々を、ぜひお楽しみください!

「ウニで世界一を目指す“ウニマイスター”」

「ウニで世界一を目指す“ウニマイスター”」

「ウニココ」のオーナーシェフ・辻田啓伸(ひろのぶ)さんは、ウニで世界一を目指す、人呼んで“ウニマイスター”!店では年間を通し、200種類以上ものウニを扱っています。実はウニ、同じ産地でも獲れる浜によって味わいが異なるのだとか。北は北海道から南は鹿児島まで、ウニの産地を訪ねて勉強を重ねている辻田さんですが、料理の道に入ったのは31歳の時。周りよりも遅いスタート…下積み時代、必死に自分の腕と舌を磨くなかで、ウニの虜になったそのきっかけとは?
しかし今、辻田さんは、ある不安を抱えています。それは、ウニの漁獲量が年々減少していること。今やピーク時のおよそ4分の1にまで落ち込んでいます。そんな中、神奈川県ではウニの研究・養殖を始めています。驚くべきは、与えているエサ。なんと、キャベツを食べさせているというのです。開発の裏には、海が抱える深刻な問題がありました。一風変わった養殖のウニを、”ウニマイスター”とともに探っていきます!

※「辻」の字は正しくは、「一点しんにょう」です。

「磯焼けから海を守れ!「キャベツウニ」開発秘話」

「磯焼けから海を守れ!「キャベツウニ」開発秘話」

ウニの研究・養殖をしているのが、神奈川県水産技術センターの臼井一茂さん。きっかけは、温暖化によってムラサキウニが異常繁殖したこと。今、全国の海でムラサキウニが、海藻を食べ尽くしなくなってしまう、磯焼けという“海の砂漠化”が問題となっています。食べる海藻がなくなったムラサキウニは、中身がからっぽで、駆除されるのみ…。この状況を打開したいと2015年から研究を始めました。「ウニを海藻以外のエサで育てることはできないか…」、臼井さんは、試しに自身の弁当に入っていた食べ物を与えてみました。すると、雑食性のウニは、肉から果物まで何でも食べたのです。中でも好んだのが葉物野菜。そこでひらめいたのが、研究施設がある神奈川・三浦市の名産品、キャベツでした。ムラサキウニに身が入る4月~7月は、畑に廃棄されるキャベツが多く残されていたからです。臼井さんは、駆除されたムラサキウニを廃棄されたキャベツをエサに養殖を始めました。そして、3カ月間しっかりとキャベツを食べたムラサキウニにはぎっしりと身が入りました。さらに驚いたのはそのおいしさ。とにかく甘い、フルーティーな味わいだったのです。そのウニを「キャベツウニ」と名付けました。たった一人で研究に取り組んだ、臼井さんの熱き想いに迫ります。

「海の再生を願う… 新作キャベツウニイタリアン」

「海の再生を願う… 新作キャベツウニイタリアン」

「キャベツウニ」を新たな地域ブランドにしたい、臼井さんが協力を依頼したのが、逗子市の漁師、座間太一さんでした。今回、“ウニマイスター”の辻田さんは、座間さんの養殖現場を見学に訪れます。キャベツの与え方など様ざまな工夫を学んだ後、座間さんに連れられ向かった先は、あるイタリアンレストラン。なんと座間さん、本職はシェフ。調理したキャベツウニの美味しさを感じで欲しいと、辻田さんに料理を振る舞います。キャベツウニの誕生した背景、そして美味しさを知った辻田さんは、自身の店に戻り、新作料理づくりに取り掛かります。合わせるのは、部位ごとに異なる調理方法を施したマグロ!さらに、海の再生という願いを込めたスイーツも誕生します。様ざまな人の願いが込められた「キャベツウニ」、新作イタリアンは必見です!

取材先
制作担当

【ディレクター】畠中 慶太郎(テレビ朝日映像)
【プロデューサー】高橋 司(テレビ朝日映像)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)